ファクタリングは他社利用中でも乗り換えや併用はできる? 乗り換えるタイミングや3つの注意点
最終更新日:2024年07月02日
ファクタリングを利用している際、手数料の高さや買い取ってもらえる売掛債権の金額の低さから、他の業者を利用したいと考えたことはありませんか。ファクタリングを利用しているときに、他社に乗り換えられるのかどうか分からず、お困りの方もいるでしょう。
そこで今回は、ファクタリングの利用中に他社への乗り換えや併用ができるのか解説します。また、乗り換えを考えるべきタイミングや、乗り換え時の注意点も紹介するので、参考にしてください。
目次
ファクタリングは他社利用中でも乗り換えられる?
ファクタリングを利用している間に、他の業者へ乗り換えることは、基本的に可能です。ファクタリングの契約には、他の企業への切り替えを禁止していたり、一度申し込んだ後の継続的な利用を規定したりしているルールがありません。
そのため、ファクタリングサービスをすでに利用している状態でも、適切な手続きを経て他の業者にファクタリングの利用を申し込み、審査をパスできれば、利用先を切り替えられます。
ただし、一度買い取ってもらった売掛債権を、再び他の業者に買い取ってもらうことは違法となり、罪に問われたり、裁判を起こされたりする恐れがあるため、注意しましょう。
なお、他社への乗り換えが可能なケースと不可能なケースがあるため、次項で詳しく解説します。
乗り換えられるケース
ファクタリングの利用中に他社への申し込みや乗り換えができるのは以下のケースです。
・利用中の業者では使用していない売掛先の売掛金を提供できるケース
・利用中の業者で使用している取引先の別の売掛金を提供できるケース
そもそもファクタリングとは、利用者が保有する売掛債権を業者が買い取ることで現金を調達できるサービスです。その際、利用者と業者は売買契約を締結します。
つまり、業者に買い取ってもらうことを契約した売掛債権を、同業他社に再度売却することは違法となります。
そのため、利用中の売掛金とは異なる売掛金を提供できる場合に、他の業者へ申し込んだり、乗り換えたりできることになります。
乗り換えられないケース
一方、ファクタリングの利用中に他社への申し込みや乗り換えができないのは、以下のケースです。
二重譲渡の恐れがあるケース
提供できるのが将来債権しかないケース
ファクタリングでの二重譲渡とは、ある業者に売掛債権を売却して資金を調達した後に、同じ売掛債権を他の業者に売却して資金を調達することを差します。
前述した通り、すでに譲渡済みの売掛債権を他の業者に再度売却するのは違法行為です。発覚した場合は、詐欺罪や横領罪に問われ、懲役刑を課せられる恐れがあるため、要注意です。
他にも、取引先名義の請書や架空の契約書を勝手に作成した場合は有印私文書偽造罪に、他人名義の文章を勝手に書き換えた場合は、有印私文書変造罪に該当する恐れがあります。
またファクタリングに利用できるのは、請求が確定している売掛債権のみです。請求が未確定の将来債権は、ほとんどの業者が買い取りに応じていないため、将来債権しか保有していない場合は、他社業者への申し込みはできません。
ファクタリング会社を他社に乗り換えるメリット
ファクタリングの利用中に、他の業者に乗り換える場合のメリットは以下の通りです。
手数料が安くなる
売掛債権の買取可能金額が上がる
入金までのスピードが早くなる
他社の審査に通過しやすくなる
ファクタリング業者によって、利用者が支払う手数料には差があります。例えば、手数料が20%の業者を利用している場合、手数料率が20%よりも低い業者に乗り換えれば、手数料コストが削減できる他、ファクタリングによって手にできる現金が多くなります。
また、業者によって売掛債権の買取金額の上限も異なるため、より多くの資金を調達できるケースもあるでしょう。
その他、すでにファクタリングの利用実績があることから、入金までのスピードが早くなる可能性があり、乗り換え先の審査をパスしやすくなります。
業者を乗り換えるメリットの詳細を知りたい場合は、以下の記事をチェックしてみてください。
ファクタリング会社を乗り換えるべき?乗り換えの4つのメリットと4つの注意点
ファクタリング会社を他社に乗り換えるデメリット
一方、他の業者への乗り換えで発生するデメリットは以下の通りです。
・信頼関係を一から構築する必要がある
・審査のために必要書類をそろえなければならない
・頻繁に乗り換えるとファクタリングが利用しにくくなる
・悪徳業者を利用してしまう恐れがある
ファクタリングの業者を変える場合、乗り換え先の業者は初めて使用するケースがほとんどでしょう。ファクタリングの利用を新規で申し込むことになるため、業者との信頼関係を一から構築しなければなりません。何度も利用していたために、手数料や入金までの早さを優遇されていた場合、新規業者を利用すると優遇条件がリセットされる点もデメリットとなります。
また、頻繁に業者に乗り換えると、他の業者を利用しにくくなる恐れがあります。業者が企業の財政面や信用度に不安を感じるケースがあるためです。
またファクタリングの審査では、過去の利用実績が重視されるため、頻繁な業者の乗り換えが新たな契約に影響する恐れがあります。利用業者を変えるのは自由ですが、必要に応じて行うことが重要です。
さらに、手数料の安さや買取金額の高さだけに着目して業者を選んだ場合、悪徳業者を利用してしまう恐れもあります。乗り換え先が優良な業者かどうか確認する必要があるでしょう。
ファクタリング会社の乗り換えを考えるタイミング
ファクタリング業者の乗り換えのメリットやデメリットを解説しましたが、どのような場合に業者を乗り換えればよいのでしょうか。
ここでは、業者を変えるべきタイミングを紹介します。具体的なタイミングは以下の通りです。
・手数料を抑えたい
・資金調達までの時間を縮めたい
・担当者が合っていない
・債権譲渡登記が必要だと分かった
・見積もりと実際の金額が違った
それぞれ詳しく解説します。
手数料を抑えたい
ファクタリングの利用に掛かる手数料が高いと感じている場合は、業者の乗り換えのタイミングです。
前述の通り、ファクタリング利用時の手数料の金額や割合は、業者によって異なります。ファクタリングの一般的な手数料は、2社間ファクタリングで10%から20%、3社間ファクタリングなら1%から5%程度が相場です。現在利用している業者の手数料が高い場合は、より安い手数料を設定する業者に乗り換えることで手数料コストを軽減できます。
また、手数料が下がることで、経費を抑えるだけではなく、調達できる資金の金額も多くなるでしょう。
なお、ファクタリング業界では、業者の乗り換えを積極的に受ける傾向があり、他社からの乗り換えであれば手数料を下げてもらえるケースもあります。
資金調達までの時間を縮めたい
資金調達までに時間が掛かっていると感じている場合も、業者を乗り換えるべきタイミングでしょう。
ファクタリングのメリットの一つが、申し込みから資金調達がスピーディに完了することです。
ただし、資金調達までの早さは、業者によって異なるのが実情です。申し込みから数日程度経過してから現金を手にできる業者もあれば、申し込み即日での資金調達が可能な業者も存在します。
ニーズに合ったスピードで資金を調達できない場合は、企業の資金繰りに影響する恐れもあるため、入金されるまでの時間が短い業者に替えた方がよいでしょう。
担当者が合っていない
ファクタリング業者の担当者の対応に疑問を感じる場合も、業者を乗り換えた方がよいでしょう。
ファクタリングを利用していると、担当者の態度が悪かったり、対応が遅かったりすることがあります。また、こちらの状況に対して親身に話を聞いてくれないこともあります。
ファクタリングでは、債権の譲渡と資金の調達だけではなく、資金繰りの改善や今後の対応のための助言やフォローが必要です。実績があり評判の良い業者では、優秀な担当者が多い傾向にあり、親身に対応してくれるため、利用しやすいでしょう。利益を上げることにしか興味がないような業者ではなく、親身に対応してくれる業者を選ぶことが大切です。
債権譲渡登記が必要だと分かった
債権譲渡登記が必要な場合も、他社に乗り換えるべきタイミングです。この場合、申し込みを行う企業が登記に必要な費用を負担する必要があり、余計なコストが掛かってしまうからです。
債権譲渡登記とは、法人が金銭債権の譲渡や質権の設定を行う場合に、債権者以外の第三者に対抗するための手続きを登記によって行う制度をいいます。債権譲渡登記により、債権がどのタイミングで誰から誰に譲渡されたか公的に証明することが可能です。
この登記を行う場合、数万円程度の費用が必要になるため、ファクタリングによって調達できる資金が目減りしてしまいます。
また、登記によって取引先や銀行にファクタリングの利用を知られてしまう恐れもあります。債権譲渡登記が必要な業者はデメリットが多いため、登記が不要な業者に乗り換えた方がよいでしょう。
見積もりと実際の金額が違った
利用中の業者が出した見積もりと実際の契約内容が異なる場合も、業者の変更を検討した方がよいでしょう。
見積もりで高額での買い取りを提示しておきながら、契約時には見積もりになかった諸費用を要求してくる業者は、悪徳業者の可能性があります。
また、契約後に何らかのトラブルに発展する可能性が高いため、利用を避けるのが賢明です。
優良な業者では、見積もり金額と契約金額が異なることはありませんし、何らかの諸費用が発生する場合も事前に説明してくれるはずです。少しでも怪しさを感じた場合は、利用を停止して他の業者を利用しましょう。
ファクタリング会社を他社に乗り換える際の注意点
企業がファクタリングを利用している途中で、他の業者に乗り換えることは可能ですが、いくつかの注意点があります。具体的な注意点は以下の通りです。
・二重譲渡しないように気を付ける
・何度も乗り換えると審査に影響する
・悪徳業者に注意する
それぞれ詳しく解説します。
二重譲渡しないように気を付ける
業者を変える場合は、二重譲渡とならないよう注意しましょう。
繰り返しになりますが、すでに業者に買い取ってもらっている売掛債権を、他の業者にも売却した場合、違法行為となり罪に問われる恐れがあります。場合によっては懲役刑となるケースもあるため、二重譲渡は避けなければなりません。
業者の乗り換えは利用中の業者へ売却した売掛債権とは別の売掛債権を保有している必要があります。複数の売掛債権がない場合は、業者の変更はできないと理解しておきましょう。
何度も乗り換えると審査に影響する
業者を何度も変えると審査に影響する恐れがあります。頻繁に乗り換えようとすることで、財政面や信用度を疑問視される可能性があるためです。
また、複数のファクタリング業者に同時に申し込みをするのも避けた方がよいいでしょう。業者から資金調達に困っていると判断される恐れがあります。ファクタリングは必要に応じてバランスよく使用しましょう。
悪徳業者に注意する
業者を変える場合は、悪徳業者に注意しなければなりません。
残念なことに、ファクタリング事業者の中には悪徳業者が存在しています。高額な買取手数料や諸費用を請求されたり、ファクタリングにもかかわらず担保や保証人を設定するよう要求されたりする場合は要注意です。
また、法人用の銀行口座を所有していない業者も避けた方がいいでしょう。
悪徳業者を利用した場合、自社の資金繰りは改善ではなく悪化する可能性が高い他、トラブルに巻き込まれる可能性が高いため、利用してはいけません。
申し込みをする前にどのような業者なのかしっかり調べることをおすすめします。
まとめ
ファクタリングを利用している間でも、業者の乗り換えは可能です。利用する業者を変えることで、手数料が安くなったり、売掛債権の買取可能金額が上がったりするなどのメリットがあります。
ただし、頻繁に業者を変えるとファクタリングサービス自体を利用しにくくなるケースがあるため、注意が必要です。また、二重譲渡にならないよう気を付けましょう。
なおファクタリング業者の乗り換えを検討している場合は、Mentor Capitalの利用を検討してみてください。業界でも低水準の手数料となっており、より多くの資金を調達しやすい他、1億円まで買い取りに対応しているので、高額な売掛債権の現金化もサポートいたします。
最短即日での資金調達も可能です。気になった方はお気軽にご相談ください。