不動産担保ローンとは? 不動産担保ローンのメリット・デメリット
最終更新日:2024年07月02日
世の中にはさまざまなローン商品があります。その中の一つが、不動産担保ローンです。
文字通り、不動産を担保にしてお金を借りられる金融商品ですが、特徴やメリットなどを詳しく理解している方は少ないかもしれません。
そこで今回は、不動産担保ローンの概要や特徴、利用するメリット・デメリットを紹介します。借り入れまでの流れや必要書類も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンは、不動産を担保に設定してお金を借りるローン商品のことです。
不動産担保ローンでは、家や土地などの不動産が担保として設定されるのが一般的です。ローンを借りた個人や法人が返済を完了できなくなった場合、担保となる不動産は売却され、その売却額から借入残高が返済されます。
不動産担保ローンは多様な形で利用されており、多目的ローンや事業用ローンなどで不動産を担保に設定するケースが多いといえます。
金利は、担保となる不動産の価値や借り手の返済能力、不動産の担保価値により変動し、不動産の価値が高ければ高いほど、また返済能力が高ければ高いほど、金利は低く設定されるのが特徴です。
不動産担保ローンは、住宅の購入や事業資金の調達など、大きな資金が必要な場合に有益な選択肢となります。
また不動産担保ローンは、借り手の経済状況や市場状況により、利用方法や利用条件が変わる柔軟性があることから、多くの人々にとって重要な金融商品といえます。
不動産担保ローンの特徴
不動産担保ローンの特徴は、一般的な無担保型のローンと比較して金利が低く、借入金額が高い傾向にあることです。その理由は、不動産を担保にすることで、金融機関の貸し倒れリスクが大幅に軽減されるからです。
ローンの金利が設定される目的の一つは、金融機関が貸付に対するリスクを補償することにあります。貸付リスクが高いほど金利は高くなりますが、不動産担保ローンでは、借り手が返済不能になった場合でも、担保となる不動産を売却すれば債務の弁済が可能です。
そのため、金融機関は貸し倒れリスクが低いと判断し、金利を低く設定できるのです。借入可能額が大きいのも、担保として設定された不動産の評価額に見合う金額が貸し付けられるため、他のローンと比較して高くなります。
このように、金利が低く、借入金額が高いことが、不動産担保ローンの大きな特徴です。
不動産担保ローンのメリット
不動産担保ローンを利用するメリットは以下の通りです。
・低金利で借りられる
・借りられる限度額が大きい
・長期間借りられる
・資金用途を自由に決められる
それぞれ詳しく解説します。
低金利で借りられる
不動産担保ローンを利用するメリットの一つが、低い金利で借入ができることです。
不動産担保ローンの特徴でも紹介しましたが、不動産を担保に設定して、万が一利用者が返済できなくなった場合に、金融機関は不動産を売却して貸付金を回収できます。
つまり、金融機関はお金を貸したまま返ってこない「貸し倒れ」のリスクを大幅に軽減できるということです。貸し倒れのリスクが低い分、金融機関は高い金利を設定する必要がなく、利用者に対して低い金利のローン商品として提供できるのです。
一般的な無担保ローンなどと比較して金利がかなり低いため、ユーザーにとっても利用しやすいローンとなっています。
借りられる限度額が大きい
不動産担保ローンのメリットとして、借入限度額が大きいことが挙げられます。これも、不動産を担保にしていることが理由です。
そもそも担保とは、債務の返済が滞ったり、返済ができなかったりした場合のために、債務者や債権者に差し入れる経済的価値のあるものを指します。
不動産担保ローンでは、利用者が所有する不動産を担保として、その不動産の価値に見合った金額を借り入れます。そのため、利用者が借りられる金額は大きくなるのです。
無担保ローンやカードローンでは、借入限度額は500万円から1,000万円程度が上限になるケースが多いですが、不動産担保ローンでは借入限度額が1億円以上に設定されるケースもあります。
そのため、大きな金額を借りる必要がある場合に向いているローン商品といえます。
長期間借りられる
返済期間が長いというのもメリットです。
金融機関によって返済期間は異なりますが、不動産担保ローンでは25年から35年の返済期間が設定されるケースがあります。一般的な無担保ローンでは7年から15年程度の返済期間が設定されることを考えれば、相当長い期間借り入れができることが分かるでしょう。返済期間を長く設定できる場合、毎月の返済負担を軽減できるメリットがあります。計画的に無理なくコツコツと返済したい場合にはおすすめです。
一方、返済期間が長いということは、その分利息が高く付くということにもなります。利息の増加によって返済総額が大きくなるということは理解しておくべきでしょう。
資金用途を自由に決められる
借り入れた資金の使い道を自由に決められるのも、不動産担保ローンを利用するメリットです。
不動産担保ローンの資金を使用する目的は、原則自由です。例えば、住宅ローンを利用する場合、使用目的は住宅の購入・建築資金となり、不動産投資ローンでは、投資用不動産の取得が使用目的となります。基本的には使用目的以外に借り入れた資金を使用することはできず、資金用途以外での使用が発覚した場合には、全額返済を求められるケースもあります。
一方、不動産担保ローンは所有不動産を担保にすることが条件となるだけで、どのような目的で借入金を使用しても問題ありません。事業資金や医療費など、さまざまな用途で使用できます。
ただし、個人契約で不倒産担保ローンを利用する場合は、事業資金には使用できず、法人として契約する場合はプライベートな用途に使用できません。また、ローンによっては利用できない条件が明確に定められている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
不動産担保ローンのデメリット
不動産担保ローンを利用するデメリットは以下の通りです。
・すぐに借りられない
・事務手数料が掛かる
・返済できないと不動産を失う
それぞれ詳しく解説します。
すぐに借りられない
不動産担保ローンを利用するデメリットの一つは、借りたいときにすぐに借りられないことです。
不動産担保ローンでは、審査において個人の信用度の調査に加えて、担保に設定する不動産の調査が必要になるためです。申し込みをしてから融資までに早くとも1週間程度は掛かると考えておきましょう。
一方、無担保型のカードローンやキャッシングの場合、30分程度で審査が完了し、申し込みをした当日中に借り入れができる場合があります。借入希望額が少なく、できるだけ早く資金が必要な場合は、不動産担保ローン以外のローンを利用するとよいでしょう。
事務手数料が掛かる
さまざまな手数料コストが掛かるのも、不動産担保ローンを利用するデメリットです。
無担保型のカードローンやクレジットカードのキャッシングを利用する場合、利用者が負担するのは利息だけです。
一方、不動産担保ローンでは、事務手数料の他、印紙代や登記費用、不動産の調査費用などの費用を支払わなければなりません。具体的な金額は利用するローンによって異なるものの、融資金額に一定割合を掛けた金額となるケースが多く、数十万円のコストが掛かる場合もあります。借入金額や返済期間によっては、低い金利で借り入れができたとしても、無担保型ローンよりも支払総額が高くなるケースもあるため、注意が必要です。
返済できないと不動産を失う
借り入れを全額返済できなかった場合、担保に設定した不動産を失うことになるのも、不動産担保ローンを利用するデメリットです。
不動産担保ローンを契約する際、担保にする不動産に抵当権を設定するための登記を行います。抵当権とは、金融機関が債務者に対して不動産などを担保として設定し、返済ができなくなった場合に担保から優先的に弁済を受けられる権利のことです。
つまり、借りたローンが返済できなくなった場合は、不動産を売却したお金から、ローンの返済に充てられるということです。
不動産担保ローンを利用することで、低金利かつ高額な資金を借りられますが、担保に設定した不動産を失うリスクが常に伴うことを理解しておきましょう。
不動産担保ローンを利用する際の流れ
不動産担保ローンを利用する際の流れは以下の通りです。
1.不動産の評価額から借りられる金額の目安を確認する
2.金融機関に相談・仮申し込みを行う
3.金融機関による仮審査が実施される
4.仮審査に通過できれば不動産担保ローンの利用を申し込む
5.不動産担保ローンの利用に必要な書類を提出する
6.金融機関によって本審査が行われる
7.審査に通過できれば契約となり融資を受ける
8.毎月の支払期日までに返済する
不動産担保ローンを利用する場合、担保に設定する不動産の価値(評価額)によって借りられる金額が異なります。そのため、まずは不動産の価値を確認し、借りられる金額の目安を確認しましょう。
その後は、利用したいローンを提供する金融機関で相談もしくは仮申し込みを行い、仮審査に通過できれば本審査に移行、審査に通過できれば契約となり、融資となります。
提出が必要な書類
不動産担保ローンの利用に必要な書類は、個人での利用か法人での利用かによって異なります。
個人で利用する場合に提出が求められる書類の一例は以下の通りです。
・申込書
・同意書
・本人確認書類
・住民票の写し
・印鑑証明書
・申込者の収入や納税状況を証明する書類
・保有する金融資産を確認できる書類
・担保に設定する不動産に関連する書類
・他者からの借入状況が分かる書類 など
次に、法人が利用する場合に提出が必要な書類の一例は以下の通りです。
・申込書
・同意書
・代表者の本人確認書類
・法人の決算書
・固定資産評価証明書
・法人の収入や納税状況を確認できる書類
・事業内容確認書
・担保物件に先順位の借り入れがある場合の返済予定表 など
提出しなければならない書類は、金融機関や申込状況などによって異なるため、事前に確認しましょう。
審査の内容
不動産担保ローンを申し込んだ際、金融機関による審査が実施され、貸付の可否や融資する金額が決定されます。
審査で確認されるのは、以下の2つの項目です。
・申込者の返済能力
・担保に設定する不動産の価値
個人が利用する場合は申込者の収入状況、法人が利用する場合は事業内容や起業してからの年数が確認される他、年齢や他社からの借入状況もチェックされます。
加えて、不動産の担保価値も確認されます。不動産の担保価値がそのまま貸付の上限金額に設定されると考えておきましょう。
不動産の担保価値が高ければ融資は受けやすいものの、価値が低い場合は融資が行われない場合もあるため注意が必要です。
まとめ
不動産担保ローンは、低金利で借り入れができる他、担保価値によっては高額な資金を借りられるローン商品です。法人で申し込みをして、事業資金としても活用できるため、有力な不動産を所有している場合は資金調達の方法として利用できるでしょう。
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