最終更新日:2019年11月20日
Mentor Capitalです。
POに代わる新たな資金調達手段としてICO(Initial Coin Offering)が注目を浴びています。
開発元に関しては、資金調達を比較的容易にできる仕組みとして、プロジェクトに投資する側も、
ICOにより手に入れたトークンが何倍にも値上がりしたとのケースも過去に発生していたこともあり、
ICOは資金を調達するプロジェクト側、資金を提供する投資家側、双方にメリットある仕組みと言われています。
今回はICOの基本的事項と投資における心得について解説いたします。
ICOとは
ブロックチェーンプロジェクトを行う企業等の新しい資金調達手段としてICO(Initial Coin Offering)という手法が2017年から話題となっています。
資金調達の代表的な手法であるIPO(Initial Public Offering)は、株式を発行してその株式を株式市場に上場=売却することで資金調達を行うものとなります。
IPOとの対比で考えるとICOは株式の代わりにトークン(発行される仮想通貨)を投資家に売却することで資金調達を行うものとなります。
IPO及びICOいずれも企業側(プロジェクト含む)は調達資金で事業展開を行い、投資家はIPOの場合は企業の成長による株価の上昇を、
ICOの場合は公募価格で発行した仮想通貨の値上がりを期待して投資を行います。
ただしIPOの場合、株式には株主総会での議決権や配当を受けられる権利がありますが、ICOの場合は仮想通貨には事業に対する影響力を行使する権利等が付与されていないのが通常です。
付与されている仮想通貨も存在します。
IPOは証券会社の指導や監査法人の監査が必要等、ベンチャー企業といえども一定の事業の立ち上がりを満たした企業のみが利用できる制度です。
一方、ICOは詳細な法規制等がなく、事業立ち上げ前のスタートアップ企業でも利用可能な資金調達方法となっていました。
トークンとは
トークンは企業またはプロジェクトが発行する仮想通貨のことです。
IPOの場合は、投資家は新たにA社(仮)が発行の「株券」を証券会社を通じて購入することになりますが、
ICOの場合、投資家はA社(仮)の発行の「トークン(仮想通貨)」をA社(仮)から購入します。
購入したトークンはそのトークンを取引所が取り扱うことで売買することができるようになります。
ICOはハイリスク・ハイリターンの投資
IPO投資は、以前から既に投資対象として世の中に認知されており、公募価格で入手した株式は、市場に上場することができれば、
IPOの初値において公募価格以上の株価を付けるケースが非常に多く、また公募割れとなるケースも少ないため、公募価格で買って初値で売るのは、IPO投資家のお得意の手法となります。
一方でICOの場合、IPO投資に対し、現段階では、取引所への上場が容易で、上場の際に得られるリターンにもIPO以上に期待が持てると考えられ始めています。
例えば、2017年10月時点で時価総額2位のイーサリアムもICOで資金調達しています。
2014年7月22日にICOを開始、上場後すぐの価格ではないもののイーサリアムは2017年6月13日に最高値を更新し、その価格は約390.0$となりました。
他にも倍以上に価格が上昇したICO案件は多く存在しており、ICOはそのリターンの高さから急激に投資家の注目を浴びるようになりました。
ただし、ICOにより資金調達したにもかかわらず、サービスとしてローンチされたプロジェクトが少ないのが実情です。
また、プロジェクト自体を進行させる気のないと思われる粗悪なプロジェクトも存在し、発行したトークンのの「価格が殆ど上昇しない」「価格が暴落する」といったケースもあり、
今後、ICO投資をする方々は、資金調達をしたプロジェクトがどのように事業展開していくかということを、調査し把握する必要が出てくるでしょう。
ICO投資は当たれば投資元本の何倍にもなるケースも存在していますが、スタートアップの企業等への投資が殆どであり、VC投資と同様ハイリスク・ハイリターンの投資という認識が必要不可欠です。
まとめ
これまでICOの投資リターンが非常に高いケースが多かったのは事実ですが、仮想通貨市場は日進月歩で状況が変化しており、8月には中国政府がICOを全面禁止としました。
ICO規制に乗り出した背景には、投資家保護の観点からICOによる詐欺の防止やマネーロンダリング対策が主な目的と言われています。
今後も、ICO投資で手にしたトークンが何十倍にもなる可能性はありますが、レギュレーション等のルールが未整備であり、
ハイリスク・ハイリターンであることを理解した上での投資判断が必要不可欠と言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
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