最終更新日:2024年04月08日
保証ファクタリングは、売掛金の未回収リスクを軽減するためのサービスです。企業間の取引において商品やサービスが提供され、その対価が後払いで支払われる「掛け売り」は一般的な手法ですが、支払いが行われるまでの間にはさまざまな不安要素が存在します。例えば、売掛先の経営破綻や売掛金の回収不能などに直面する可能性があり、これらのリスクを軽減するために保証ファクタリングが利用されるのです。
本記事では、保証ファクタリングの概要や主な流れ、メリット・デメリット、どのようなビジネスシーンで活用するのがよいかなどについて解説します。売掛金の回収までの不安要素を解消したい方や、より安定したビジネスを行っていきたい方はぜひチェックしてみてください。
目次
保証ファクタリングとは、売掛先の企業が期日までに売掛金の支払いを行わない場合に、ファクタリング会社がその債権を契約の範囲内で保証するサービスです。保証ファクタリングを利用すれば、貸し倒れのリスクを軽減できます。さらにファクタリング会社によって売掛先の与信審査が行われるため、保証ファクタリングサービスを利用することによって自社の与信管理を省略可能です。
ファクタリングは、一般的に保証ファクタリングと買取ファクタリングの2種類に分けられます。ここからは保証ファクタリングが、買取ファクタリングとどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
売掛金が回収できないリスクを回避するために保険をかけるものが保証ファクタリングであるのに対し、買取ファクタリングは売掛債権をファクタリング会社に売却するサービスです。
また買取型ファクタリングには、2社間(利用者・ファクタリング会社)で行われるものと、3社間(利用者・ファクタリング会社・売掛先)で行われるものがあります。2社間は、売掛先にファクタリングを利用していることを知られることなく資金調達でき、3社間は売掛先にもファクタリングを利用することを承諾してもらう必要があります。
保証ファクタリングと買取ファクタリングはそれぞれ全く異なるサービスとなるので、利用する際にはご注意ください。
保証ファクタリングは、2社間ファクタリングと同じように利用者とファクタリング会社の2社間で行われる取引です。そのため売掛先に保証ファクタリングを利用していると知られることがありません。
保証ファクタリングの主な流れとしては、以下の通りです。
・保証ファクタリングを検討する利用者がファクタリング会社へ問い合わせをする
・ファクタリング会社による売掛先の与信審査が行われる
・審査が問題なく通れば、契約のスタート
・万が一、売掛金が未回収になった場合に、ファクタリング会社に保証金額の範囲内で保証してもらえる
保証ファクタリングは貸し倒れのリスクが回避できるという、企業にとって心強いサービスですが、メリットは一つだけではありません。他にも以下に挙げるようなメリットがあります。
・与信管理の外注化が図れる
・売掛先に知られずにリスクヘッジができる
・国からの助成を受けられる場合がある
ここからは各メリットについて、詳しく解説していきます。
与信管理の外注化が図れる点もメリットの一つです。安定的な取引と事業継続のために、与信管理は企業にとって欠かせない要素の一つです。しかし事業を始めたばかりの場合や中小企業の場合、そこまで手が回らないというケースもあるでしょう。保証ファクタリングでは、ファクタリング会社が売掛先への与信審査を行います。そのため売掛先の与信審査や管理を外注化でき、自社の工数を減らせるでしょう。
売掛先に知られずにリスクヘッジができる点も、保証ファクタリングのメリットの一つです。特に新規での取引の場合、保証ファクタリングを利用していることが売掛先にマイナスな印象を与えてしまいかねません。
保証ファクタリングを利用すれば、利用者とファクタリング会社の2社間のみでの契約となるので、売掛先に知られることなく取引を進められます。その結果、事業収益の安定化を図りつつ、事業拡大に注力することが可能です。
主に建設業に偏った話になってしまいますが、保証ファクタリングでは保証料の助成を受けられる場合があります。これは国土交通省が実施している「下請債権保全支援事業」の一環でです。取引価格が高額で、着工から入金までの期間が長い傾向にある建設業の場合、助成金として手数料の一部を受け取れるケースがあります。もちろん助成金額に上限はありますがこの助成金を活用すれば、手数料にかかるコストを削減でき、より安定した事業運営ができるようになるでしょう。
保証ファクタリングにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。主なデメリットは、以下の3つです。
・手数料がかかる
・そもそも利用できない場合も
・利用できる売掛債権の額に制限があることも
各デメリットについて、順番に解説していきます。
保証ファクタリングでは、保証料がかかることが挙げられます。保証ファクタリングは、万が一売掛金を回収できなかった場合に備えるための保険のような役割のサービスです。そのため、保証の対価として、利用するには保証料を支払わなければなりません。この保証料は売掛先や条件によっても変動しますが、売掛先の信用度が低くなるにつれて手数料が上がる傾向にあると考えてよいでしょう。
なお、売掛金が予定通り回収できた場合でも、保証料は支払う必要があります。保証料が自社の利益や経営状況に見合っているか、きちんと見極めてから契約を進めましょう。
そもそも保証ファクタリングを利用できない場合もある点が、デメリットとして挙げられます。保証ファクタリングは、ファクタリング会社による与信審査の結果、売掛先の経営状況が著しく悪いときや、倒産することがほぼ明らかである場合には利用できない場合があります。与信審査に落ちるということは売掛先の信用度が低い可能性が高いので、取引自体の見直しを検討した方がよいかもしれません。
保証ファクタリングでは、利用できる売掛債権の額が設定されているケースがあります。ファクタリング会社は利用者から依頼を受けて与信審査や管理を行いますが、これには当然経費がかかります。この経費に見合わない売掛債権である場合、利用ができない場合があることを認識しておきましょう。事前に利用可能額を確認し、必要な額に適した保証ファクタリングを選ぶ必要があります。
ここからは、実際に保証ファクタリングを利用した方がよいケースを具体的にご紹介します。自社の状況と照らし合わせながら保証ファクタリングを利用すべきかどうか検討してください。保証ファクタリングの利用に適しているケースとして、以下の3つの例について見ていきましょう。
・一つの売掛先への依存度が高い場合
・設立歴の浅い会社との取引が始まる場合
・与信管理を外注化したい場合
売上のほとんどを一つの売掛先に頼っている場合、保証ファクタリングの利用を検討しましょう。一つの売掛先に依存していると、万が一、売掛先が業績不振や倒産に陥った場合に、自社への影響は計り知れません。保証ファクタリングを利用しておけば、多額の売掛金が支払われないという場合でも保証をしてもらえるでしょう。
設立歴の浅い会社と新たに取引が始まる場合、保証ファクタリングを検討するのがおすすめです。設立歴の浅い企業となると、他の企業と比べて信用度や成長率を見抜くことが難しいでしょう。
しかし保証ファクタリングでは厳正な与信審査が行われるので、信頼できる企業かどうかを見極めやすくなります。設立歴の浅い企業や新たに取引をする企業と取引をする場合でもリスクを軽減することが可能です。
保証ファクタリングは、与信管理を外注化したいときにも適しています。自社で複数の売掛先の与信管理を行う場合、膨大な時間と労力がかかります。またきちんと売掛先の経営状況などを見極められなければ、与信管理に割いたリソースが無駄になるだけでなく、売掛金が支払われないという事態になってしまう可能性もゼロではありません。一方で、保証ファクタリングを利用して与信管理をファクタリング会社に依頼すれば、適切な方法で与信の調査と管理を行ってくれるでしょう。
保証ファクタリングは、売掛先が倒産した場合の保証です。そのため売掛金の支払いが遅延した場合には、保証金は支払われないことを認識しておきましょう。保証ファクタリングを利用していても売掛金の支払いが遅延しているだけの場合は、自社でその分の対応をする必要があります。保証ファクタリングにおいてどのような場合に保証金が支払われるのか、事前に確認しておくことが大切です。
保証ファクタリングは、売掛先が倒産した場合に売掛金を保証してくれるサービスです。「売掛先の経営状況の悪化や倒産による連鎖倒産を回避したい」「新規企業の開拓に力を入れたい」「与信管理を効率化したい」などのお悩みを抱えている場合は、保証ファクタリングの利用を検討しましょう。ただし、全ての企業が保証ファクタリングの利用に適しているわけではないので、メリットやデメリットをきちんと把握しておくことが大切です。
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