社内コラムファクタリング関連の情報をお届けいたします

未払金と買掛金の違いは? 仕訳方法や会計処理の流れ、ファクタリングで資金調達した際の勘定項目について解説

最終更新日:2024年03月05日

「未払金と買掛金の違いが分からない」「未払金と買掛金の仕訳の方法や、会計処理の流れが知りたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、未払金と買掛金の違いや仕訳の方法、会計処理の流れ、ファクタリングにおける勘定項目などについて解説します。未払金と買掛金について知りたい方や、会計業務でお困りの方は参考にしてください。

未払金と買掛金の違いは?

未払金と買掛金は、両方とも取引先に購入物の代金を支払うために用いられます。また、後日に支払いが生じる点も同様です。

未払金と買掛金の違いとして、購入品の種類が挙げられます。営業活動に関連するものを購入・取引をする場合は買掛金が使われ、備品や車といった固定資産や給与支払いなど、営業活動以外の単発的な購入・取引をした場合は未払金が使用されます。

そもそも未払金とは?

未払金は単発的に支払う費用として使われます。具体的には、インターネットの回線工事費用や単発のアルバイト採用費、事務用品の購入費などで使用されるのが一般的です。未払金は勘定科目の「負債」に属しており、貸借対照表の貸方に表記されます。支払期日が貸借対照表日の翌日より1年以内の場合は未払金として流動負債に分類されます。なお、支払期日が1年を超えると長期未払金として固定負債に分類されることを覚えておきましょう。

ここからは、未払金について以下のポイントを解説していきます。

未払金の仕訳例
未払金の会計処理の流れ

未払金の仕訳例

未払金の仕訳例をご紹介します。ここでは9万円のパソコンを購入して、代金は後日支払うことになった場合の仕訳例についてみていきましょう。パソコン購入時の仕訳は以下の通りです。

【パソコン購入時】

借方 貸方
消耗品費 ¥90,000 未払金 ¥90,000

パソコンは営業活動以外に使い、かつ単発的な購入品であるため、未払金という負債が加算されたとして貸方科目に「未払金」、貸方金額に「¥90,000」と記載されます。また費用が発生したので、借方科目には「消耗品費」、借方金額に「¥90,000」と記入しましょう。

後日、未払金を普通預金から支払った場合の仕訳は、以下の通りです。

借方 貸方
未払金 ¥90,000 普通預金 ¥90,000

普通預金で代金を支払ったことで債務が消滅したので借方科目に「未払金」を記載し、借方金額に「¥90,000」と記入します。また、支払いによって預金という資産が減少したため貸方科目に「普通預金」、貸方金額に「¥90,000」と入れます。

未払金の会計処理の流れ

未払金は買掛金と同じく負債の一種として捉えられ、貸借対照表も買掛金と同じ貸方に表記されます。どのように会計処理をすればよいか、迷ってしまう方もいるかもしれません。

ここからは未払金の会計処理の流れを解説します。未払金の会計処理の具体的な流れは以下の通りです。

営業活動に関連するもの以外を購入する
利用明細書を受け取る
引き落としされる
適正に取引が完了したかチェックする

1. 営業活動に関連するもの以外を購入する

営業活動とは直接関係ない物品やサービスを購入する場合、まだ支払いが済んでいない費用は未払金として扱われます。
未払金を計上するタイミングは、現金に動きがあったときです。そのため未払金が引き落としされていない場合は、会計処理は行いません。
例えば、今月5万円の電気代がかかり、代金を一括で翌月末に支払う場合の仕訳は以下の通りです。

借方 貸方
水道光熱費 ¥50,000 未払金 ¥50,000

2. 利用明細書を受け取る

特定のタイミングで、購入したものの利用明細書が送付されます。この時点では支払いが済んでいないため会計処理は行いません。

3. 引き落としされる

事前に決まっている支払日のタイミングで支払いを行います。例えば電気代の支払いの場合、支払日の翌月末に電気代が普通預金から引かれます。仕訳は以下の通りです。

借方 貸方
未払金 ¥50,000 普通預金 ¥50,000

4. 適正に取引が完了したかチェックする

普通預金から引かれた金額と明細書の値が合っているか、会計処理が正しくされているか確認しましょう。正しく処理がされていない場合、原因を突き止めて後日対応する必要があります。
 

 

そもそも買掛金とは?

買掛金とは、営業活動に関わる取引で支払われる費用のことです。商品や材料を購入し、営業活動に利用する場合に該当します。代金を後日支払うように約束する掛取引です。掛取引の特徴は以下の通りです。

まとめて支払われるので管理しやすい
手持ちの現金なしでも取引できる
継続して取引されるため手間を減らせる
信頼関係があるからこそ成り立つ取引である

ここからは、買掛金について以下のポイントを解説します。

買掛金の仕訳例
買掛金の会計処理の流れ

買掛金の仕訳例

買掛金が使われる場合の仕訳例をご紹介します。ここでは、取引先から10万円の商品を掛けで仕入れた場合の仕訳例をみていきましょう。

商品が手元に届いたタイミングや会社が商品を受け取ったタイミングで会計処理をします。買掛金の勘定科目は「負債」に属しており、貸借対照表の貸方に表記されます。

借方 貸方
仕入 ¥100,000 買掛金 ¥100,000

後日、買掛金を預金で支払った場合の表記は以下の通りです。

借方 貸方
買掛金 ¥100,000 当座預金 ¥100,000

なお、例えば「仕入れた商品に不良品が混じっていたため1万円分返品した」といった返金や値引きがあった場合の仕訳例は以下となります。

借方 貸方
買掛金 ¥10,000 仕入 ¥10,000

仕入れた商品に破損や汚れ、数量の違いがあった場合、掛取引では買掛金から返品や値引額を減らすことが主流です。「仕入値引」や「仕入戻し」のような勘定科目を使わない場合は仕入と買掛金を相殺します。

また近年は、取引先から仕入れた商品代金をクレジットカードで支払うケースも多くなっています。クレジットカードで10万円分の買掛金を支払った場合の表記は、以下の通りです。

借方 貸方
買掛金 ¥100,000 未払金 ¥100,000

買掛金の会計処理の流れ

商品やサービスの取引で使われる買掛金の会計処理は難しいと思われがちですが、基本的な流れを覚えれば簡単に処理可能です。ここからは、以下の順番で買掛金の会計処理の流れについて解説します。

商品を購入する
商品を仕入れる
請求書を受け取る
商品の代金を支払う
買掛金残高をチェックする

1. 商品を購入する

営業活動に必要な商品やサービスを購入します。掛取引では、商品が注文される段階では商品の引き渡しや代金の支払いも発生しないため、会計処理をする必要はありません。

2. 商品を仕入れる

注文した商品やサービスが手に入った段階で、掛取引の会計処理が行われます。例えば、取引先から3万円の商品を買った場合の仕訳は以下の通りです。

借方 貸方
仕入高 ¥30,000 買掛金 ¥30,000

3. 請求書を受け取る

商品の仕入れ後、取引先から請求書が送付されます。請求書には支払期限が記載されており、期日までに買掛金を支払わなければなりません。なお、取引先からの請求書が手に入った時点では、会計処理の必要はありません。

4. 商品の代金を支払う

買掛金を預金や現金を使って支払いします。支払額分の買掛金がなくなるため、会計処理が必要です。

例えば取引先に現金払いをする場合は、以下のようになります。

借方 貸方
買掛金 ¥30,000 現金 ¥30,000

預金口座から支払い、そのときに振込手数料が200円かかった場合は以下のような表記になります。

借方 貸方
買掛金 ¥30,000 普通預金 ¥30,200
支払手数料 ¥200

5. 買掛金残高をチェックする

最後に取引先に支払った金額と商品の値段が合っているか、会計処理が正しくできているか確認しましょう。正しく処理がされていない場合、原因を突き止めて後日対応する必要があります。

買掛金の支払いにはファクタリングが活用できる

資金繰りに苦労している中、支払期日が迫っている買掛金があるという方もいるのではないでしょうか。

取引先によっては、買掛金の支払期限を伸ばせる場合もあります。ただし、支払期限を伸ばしたことで会社の経営がうまくいっていないと見なされた場合は、今後の取引に影響が出る可能性がゼロではありません。

買掛金の支払いのためにできるだけ早く資金を調達したいとお考えの方には、ファクタリングがおすすめです。

ファクタリングとは、保有する売掛金をファクタリング会社に売却して資金調達をする方法です。ファクタリングで資金調達をするには、事前の審査が必要ですが、売掛先となる会社の信頼度が高い場合は、迅速に資金調達できる傾向にあります。

ファクタリングで資金調達をした場合の仕訳や勘定科目

ここからはファクタリングで資金調達をした場合に、どのような勘定科目で仕訳にどのように記載すればよいかを解説します。

ファクタリングを利用した場合は主に「未収入金」と「売掛債権譲渡損」が使われます。仕訳の記載方法をタイミングに沿って詳しく解説するので、ファクタリングを検討している場合は参考にしてください。

ファクタリング会社と売掛金の譲渡契約を締結したタイミング

未収入金はファクタリング会社と売掛金の譲渡契約を締結したときに使用されます。契約を結んだ状態では、売掛金の現金化が決まっていても入金がされていません。よって以下のように、借方に「未収入金」を記入し、貸方に「売掛金」を記載します。

借方 貸方
未収入金 売掛金

ファクタリング会社から入金されたタイミング

売掛債権譲渡損はファクタリング会社から売掛金の売却金が入金された場合に使用します。売却金として入金されるのは、ファクタリングの契約時に定めた手数料を引いた額です。以下のように入金された売却金は「普通預金」や「現金」として借方に計上され、手数料も「売掛債権譲渡損」として借方に記載されます。また、入金が完了したため「未収入金」は貸方に記載されます。

借方 貸方
普通預金or現金 未収入金
売掛債権譲渡損

ファクタリングを使用した場合の仕訳例

最後に、ファクタリングを利用した場合の仕訳例をご紹介します。会計処理でどのようにファクタリングを記載すればよいか知りたい方は、参考にしてください。
ファクタリング会社に売掛金80万円相当の売掛債権を売却することにした場合の仕訳例をみていきましょう。

ファクタリング会社と売掛金の譲渡契約を締結したときの仕訳の記載は、以下の通りです。売掛金の現金化は決まりましたが、まだ入金されていません。

借方 貸方
未収入金 ¥800,000 売掛金 ¥800,000

後日、売掛債権を売却した分の現金がファクタリング会社から入金された場合の仕訳の記載は以下の通りです。売掛金の買取額から手数料5%が引かれて普通預金に入金されています。

借方 貸方
普通預金売掛債権譲渡損 ¥760,000¥40,000 未収入金 ¥800,000

先ほど説明したように、ファクタリングを利用する場合は入金がまだされていないときに使われる「未収入金」と、ファクタリングの手数料を記載するときに使われる「売掛債権譲渡損」が必要なことを覚えておきましょう。

未払金と買掛金について理解を深めて会計管理を適切に行おう

本記事では、未払金と買掛金の違いや会計処理の流れを解説しました。営業活動以外に使う物品を購入した場合には仕訳で「未払金」が使われます。対して、営業活動に使う商品やサービスの取引をするケースでは「買掛金」が利用されます。未払金と買掛金の使い方や仕訳方法、会計処理の流れを正しく理解して、適切な会計管理を行っていきましょう。また買掛金には支払期限が設定されており、仕入先との関係を継続するためにも支払期限を守ることが大切です。

買掛金の支払いに資金調達が必要な場合は、ファクタリングが便利です。Mentor Capitalのファクタリングサービスでは、最短即日で資金調達できます。手数料も低く、買取率は最大98%で、全国対応が可能。都内での取引実績は年間200件以上です。審査の通過率は92%と高く、赤字や債務超過がある場合や個人事業者、税金滞納者であってもご利用いただきやすいでしょう。他社で断られた経験のある方もぜひ一度ご相談ください。オンライン上で無料査定を行っています。