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合同会社でも資金調達できる? 合同会社が抱える問題や資金調達方法について解説

最終更新日:2024年04月08日

会社を設立する際、設立のハードルが低いことで合同会社を選択する場合もあるでしょう。「合同会社でも資金調達できるのだろうか」と考えている方もいるかもしれません。結論を述べると、合同会社でも限定的ではあるものの、資金調達自体は可能です。

本記事では、合同会社の資金調達方法について詳しく解説します。

合同会社とは?

合同会社は、2006年に施行された新会社法によって新たに設けられた会社形態を指しています。

アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルとして新設された会社形態で、出資を行った全ての人が社員であり、経営者としての決定権を持っているのが特徴です。約10万円で合同会社を設立できるので、初期費用が株式会社よりも低くランニングコストも抑えられます。そのため近年では、合同会社を選択する企業も増えています。

合同会社でも資金調達はできる

合同会社でも資金調達は可能です。合同会社が行える資金調達方法は、「返済義務あり」と「返済義務なし」に大きく分類できます。詳しくは後述しますが、返済義務がある資金調達方法は、お金を借りる方法です。一方で返済義務がない資金調達方法は、お金をもらう方法と保有している資産を現金化する方法の2つに分けられます。

いずれもいくつかの方法があり、メリットもあればデメリットもあります。合同会社がスムーズに資金調達を行うためには、自社の現状を踏まえ、適切な方法を見極めることが大切です。

 

資金調達において合同会社が抱える問題

一般的に合同会社の資金調達は、株式会社よりも難しいといわれています。資金調達において、合同会社はどのような問題を抱えているのでしょうか。ここからは、3つの問題をご紹介します。

銀行融資の審査ハードルが高い

合同会社が資金調達において抱える重要な問題として、銀行融資の審査ハードルが高い点が挙げられます。

前述した通り、合同会社は設立費用が比較的安く、出資者が経営者として決定権を持ちます。また株式会社よりも経営における規制が少ないです。そのため株式会社に比べると、合同会社は社会的信用度が低い傾向にあります。銀行から融資を受ける際は社会的信用度が重視されるので、審査に申し込んでも通らないケースもあるでしょう。まだ歴史が浅い会社形態であることも、信用度の低さに影響する要因です。

資金調達方法が限定的

資金調達の方法が限定的であることは、合同会社が抱える問題の一つです。

株式会社であれば、株式を発行することで資金調達ができます。しかし合同会社は株式を発行できないため、投資会社や投資家からの出資を受けにくいです。成長見込みがある未上場企業に対して投資が行われる、ベンチャーキャピタルも利用できません。

銀行からの融資は合同会社でも受けられますが、前述した通り銀行からの融資が通らない可能性もあります。資金調達の選択肢が限られるのは、合同会社のデメリットといえるでしょう。

大規模な資金調達が難しい

合同会社は、大規模な資金調達が難しいという問題も抱えています。

株式会社が大規模な資金調達を行う代表的な方法の一つは、株式発行です。しかし繰り返しになりますが、合同会社は株式発行による資金調達ができません。

また信用度の高い株式会社であれば銀行からの融資で大規模な資金調達ができる可能性があるものの、合同会社の場合は銀行融資の審査に通ったとしても、融資額は少額になる傾向にあります。事業拡大や新規事業の展開のために大規模な資金調達をしようとしても、思うような資金を集められない可能性があります。

【返済義務あり】合同会社におすすめの資金調達方法

ここからは合同会社における、おすすめの資金調達方法の中から返済義務があるものをご紹介します。

銀行の融資を受ける

合同会社は銀行融資の審査ハードルが高いとされていますが、合同会社だからといって銀行からの融資が受けられないわけではありません。

銀行融資の場合、金利は1.0~3.0%が目安で、措置期間も設けられています。返済できる能力があると認められない限りは融資は受けられませんが、創業からある程度期間が経っており、知名度や社会的信用度が高いと判断されれば融資を受けられる可能性はあります。

日本政策金融公庫の融資を受ける

日本政策金融公庫から融資を受ける方法もあります。日本政策金融公庫は、民間金融機関が行う金融を保管することを目的とした政策金融機関です。中小企業や小規模事業者などの支援を行っています。

日本政策金融公庫が行っている融資の中でも「新創業融資制度」は合同会社に適した制度です。条件さえ満たしていれば、無担保・無保証での借入ができます。同じ日本政策金融公庫が行っている融資でも、その他の融資は担保や連帯保証人が必要です。また新創業融資制度は、2024年2月1日時点で基準利率が2.40〜3.60%と低く、特別利率が適用されれば利率は1.0〜3.20%となります(※)。

新創業融資制度が利用できるのは、新規事業をこれからスタートする方や事業開始して税務申告2期分を終えていない方です。ただし融資額の10分の1以上の自己資金が必要になります。ある程度自己資金があるなら、新創業融資制度を検討してみるとよいでしょう。

※参考:日本政策金融公庫.「国民生活事業(主要利率一覧表)」.

制度融資を受ける

制度融資は、合同会社におすすめの資金調達方法です。制度融資は自治体・民間金融機関・信用保証協会の3機関が連携して行っている融資で、制度が設けられた目的の一つに中小企業や小規模事業者の支援があります。

認知度や社会的信用度が低い合同会社であっても、比較的審査に通りやすいのが特長の一つです。また信用保証料の一部は自治体が補助してくれます。年利は1.0~3.0%が目安で、制度によって異なるものの据置期間が設けられているものもあります。

制度融資の内容は自治体によって異なるので、会社所在地の自治体の制度を調べておきましょう。ただし複数の機関が関わる融資のため、ある程度余裕を持った資金調達のスケジュールを組むことが大切です。

信用保証協会保証付融資を受ける

信用保証協会保証付融資は中小企業や小規模事業者を対象とした融資制度で、信用保証協会が保証人となってくれるため、合同会社であっても審査が比較的通りやすいでしょう。

また信用保証協会保証付融資を受けて返済した実績を作ると、信用保証協会の保証がない銀行からの融資を受けやすくなるメリットがあります。銀行からの融資が受けられるようになれば、合同会社であっても大規模な資金調達ができるようになるかもしれません。

ただし信用保証協会保証付融資を受けるには、保証料を支払う必要があります。また運転資金もしくは設備資金のみが対象になっている点も認識しておきましょう。

事業者向けローンを活用する

事業者向けローンとは、金融機関や消費者金融が用意している事業資金に特化したローン商品のことです。

融資が難しい企業でも審査に通りやすいので、合同会社でも資金調達がしやすいでしょう。また融資よりもスピーディーに資金調達ができるため、すぐに資金が必要なときにも適しています。ただし実質年利は高い傾向にあるので、利用する際は注意しましょう。

少人数私募債を発行する

少人数私募債は、社債の一つです。社債は企業が資金調達などのために発行する債権のことを指しています。

株式と似たような性質を持つ少人数私募債を発行すれば、合同会社であっても投資家からの資金調達が可能です。発行要件は満たさなくてはなりませんが、発行金額・償還年数・利息は自由に決められるので、無理なく資金調達がしやすいでしょう。

少人数私募債を発行できる企業は安定した経営ができていると見なされるため、将来融資が受けやすくなる可能性があります。ただし少人数私募債で、必ずしも資金を集められるとは限りません。また償還は一括で行わなければならないので、期日までに資金力を高めておく必要があります。

【返済義務なし】合同会社におすすめの資金調達方法

合同会社が検討できる資金調達方法の中には、返済義務がないものもあります。どのような資金調達方法があるのか見ていきましょう。

ファクタリングを活用する

ファクタリングとは、自社が保有する売掛債権をファクタリング業者に買い取ってもらい、現金化する資金調達方法です。

未回収の売掛債権を抱えており売掛先に社会的信用度があれば、審査のハードルは低い傾向にあります。即日で現金化できるケースもあるので、融資や事業者向けローンよりもよりスピーディーに資金調達が可能です。

ただしファクタリングを利用する際は、手数料がかかります。手数料はファクタリング業者によって異なるため、複数の業者を比較検討した上で利用するのがおすすめです。

クラウドファンディングを活用する

近年多くの合同会社が取り組んでいる資金調達方法に、クラウドファンディングがあります。

クラウドファンディングは、クラウドファンディングサイトなどで商品やサービスに関するアイデアやプランなどを公開し、資金を提供してくれる支援者を募る資金調達方法です。資金を調達できる他に、自社の商品やサービスを多くの人に知ってもらうチャンスにもなるでしょう。

クラウドファンディングには、寄付型・投資型・購入型・融資型などさまざまな種類があります。融資型の場合は、元金と利息の支払いを行わなければなりません。

補助金・助成金を活用する

国や自治体の補助金や助成金を活用するのも、一つの方法です。

補助金は事業者を支援するために資金の一部を交付する制度で、採択件数は決まっていますが、条件を満たし審査に通過すれば受給できます。一方助成金は条件を満たしていれば、審査なしに受給できる可能性が高いです。ただしどちらの場合も審査に時間がかかるので、活用を検討している場合は余裕を持って申し込みましょう。

自治体によって用意される補助金・助成金は異なるので、管轄の自治体にどのような制度があるのか、どのような条件があるのかを調べてみてください。

合同会社が活用しやすい、代表的な補助金をいくつかご紹介します。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、企業が持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で販路拡大や生産性向上を図る取り組みを支援する補助金制度です。

50万または200万円を上限として販路拡大や生産性向上にかかるコストの3分の2程度が補助され、ホームページ作成やチラシ作成などにも資金を活用できます。
小規模事業者持続化補助金を申請するための書類は、商工会や商工会議所からアドバイスを受けて作成する必要があるので、知識が十分にない場合でも申請しやすいです。また提出する書類の中に経営計画書も含まれているため、事業を見直すチャンスにもなります。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、企業が新たな事業を行う際にサービス・試作品の開発や生産プロセスの改善をするための設備投資などを支援する補助金制度です。

省力化枠や製品・サービス高付加価値化枠など、いくつかの分類がありそれぞれ要件や補助金額、補助率が異なるので事前に確認しておきましょう。

合同会社は自社に合った資金調達を行おう

本記事では、資金調達において合同会社が抱える問題や、合同会社におすすめな資金調達方法などをご紹介しました。株式会社よりも資金調達方法が限られ、ハードルも高くなりがちな合同会社ですが、今回ご紹介したような方法で資金調達が可能です。何を目的として、いつまでに資金調達が必要なのかを考え、自社に合った資金調達方法を検討しましょう。

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