最終更新日:2024年02月28日
ファクタリング利用時に提出が必要になる書類の一つに通帳があります。通帳は売掛先が実在するのか、これまで誠実に取引を行っているのかを確認できる重要な資料です。そのため多くのファクタリング会社で必要書類として挙げられています。
本記事では、ファクタリングを利用するに当たって通帳が必要になる理由や通帳なしでファクタリングを利用するデメリット、通帳の他に必要となる書類などについて詳しくご紹介します。
目次
ファクタリングとは、自社の売掛金(売掛債権)の売却により、借金を増やすことなくスピーディに資金調達ができるサービスです。ファクタリングを利用するには審査に必要な書類を漏れなく揃える必要があり、中でも通帳は法人・個人問わず求められる書類の一つです。
通帳なしでファクタリングを利用できる場合もありますが、必要な書類が増える、審査に時間が掛かる、手数料が高くなるなど、手間やコストが掛かりやすいことを認識しておきましょう。
ファクタリングの審査で通帳を求められる理由は以下のとおりです。
1.売掛先が本当に実在するかを確認するため
2.売掛先が信頼できる取引をしているかを確認するため
3.売掛先と継続的に取引をしているかを確認するため
それぞれについて詳しく解説していきます。
通帳が必要な1つ目の理由は、売掛先が本当に実在するかを確認するためです。多くのファクタリング会社では、審査の際に利用者(利用会社)よりも売掛先の信用力を確認します。売掛金の未回収リスクはファクタリング会社が背負い、回収できなければその分、損失となるためです。
通帳のような取引の実態が確認できる書類がない場合、その売掛先や売掛金は本当に実在するのか確認できません。中には請求書などを偽造し、架空債権を作って売却しようとする利用者もいます。通帳には売掛先が記載され取引の実態が確認できるため、詐欺や被害を未然に防ぐための資料として重要視されているのです。
通帳が必要な2つ目の理由は、利用者と売掛先が信頼できる取引をしているかを確かめるためです。例えば、毎回支払い遅延が起きていたり、最近になって入金が分割されたりしている場合、未回収リスクが高まると判断されるでしょう。
通帳の取引履歴を確認すれば、売掛先が信用できるか、安定した経営を行っているか、ある程度確認できます。
通帳が必要な3つ目の理由は、利用者と売掛先で継続した取引が行われているかを確認するためです。継続的な取引を確認できれば、それだけでも売掛金の回収がスムーズであることの証明になります。
請求書などは偽造するのが比較的容易である一方で、継続的な取引の実態を示す通帳は捏造が難しく信頼できる資料とされやすいのです。
通帳は売掛先がどの程度信用できるかを確認する上で大切な資料です。そのため通帳なしでファクタリングを利用する場合、以下のようなデメリットが生じる恐れがあります。
・提出書類が増える場合がある
・審査が厳しくなりやすい
・審査に時間が掛かりやすい
・手数料が高くなりやすい
・償還請求権付き契約が必要になる恐れもある
それぞれについて詳しく解説します。
前述した通り、通帳が必要な理由は売掛先との取引の実態や信頼性を確認するためです。通帳なしの状態でファクタリングの審査を受けようとすれば、取引の実態や信頼性を「証明できる別の書類を準備しなければならないため、必要書類が増えやすいでしょう。
また通帳以外の請求書などは比較的偽造がしやすいとされているため、提出した書類が偽物でないことが証明できるものも用意する必要があります。
なお、ファクタリング会社によっては、通帳なしではそもそも審査を受けられないケースもあります。
ファクタリング会社の多くは売掛先の信用性を審査基準の一つとしているため、通帳なしの場合はその分、審査が厳しくなる傾向にあります。通帳の提示があればスムーズに資金調達できたケースでも、通帳がないというだけで審査の難易度が上がる可能性は大いにありえます。
通帳を提示できない場合は、見積もりの段階でファクタリング業者に伝えておいた方がよいでしょう。
通帳なしの場合は、代わりとなる書類の準備が必要です。複数の書類を提出すれば、その分、審査で確認する項目は多くなります。そのため通帳なしの状態で審査に申し込めば、通常以上に時間が掛かることも予想されます。
ファクタリングの大きなメリットである、スピーディな現金化が難しくなり、場合によっては他の資金調達方法を検討しなければならないケースも考えられます。
通帳なしで利用できるファクタリングの場合、手数料が通常よりも高額になりやすいというデメリットがあります。ファクタリング業者は万が一売掛金を回収できない場合でも損失がでないように手数料を設定しています。そのため売掛先の信頼性の確認が困難な通帳なしの審査の場合、未回収になるリスクが高まりやすく、その分を上乗せした手数料が設定されていることが多いです。
ファクタリングで調達できる資金は、「売掛金の額面 – 手数料」で求められるため、手数料が高額になればなるほど、調達できる資金が減ってしまいます。
償還請求権(リコース)とは、売掛先からファクタリング会社に売掛金が支払われなかった場合、利用会社に弁済(売掛金の支払い)を請求できる権利のことです。通常のファクタリング契約では、償還請求権の設定は求められず、売掛金が未回収となったとしても利用者が弁済する必要はありません。
しかし通帳なしでファクタリングを利用する場合、ファクタリング会社が損失回避のために、償還請求権付きの契約を求めることもあります。この場合、万が一売掛金が入金されなければ、手数料と貸し倒れの二重の損失を被らなければなりません。
ここからは法人のファクタリング審査で通帳以外に必要になる主な書類をご紹介します。なお、以下で紹介する書類は基本的なもので、審査によっては別の書類を求められることもあります。
・身分証明書
・商業登記簿謄本
・印鑑登録証明書
・試算表
・売掛先の基本契約書
・売掛債権を確認できる書類
第三者のなりすまし契約を防ぐことを目的とし、法人であれば代表者の身分証明書の提示を求められます。必要書類一覧に明記されていなくても、念のため用意しておくようにしましょう。
身分証明書として有効な書類は以下の通りです。
・有効期限内の運転免許証
・パスポート
・マイナンバーカード
・住民基本台帳カード
健康保険証など、上記以外の書類で身分を証明したいときは事前に確認しましょう。
商業登記簿謄本とは、会社法上、取引を行う上で重要な内容を定めた書類です。入手できる場所は法務局です。提出が不要な場合もあるため、事前に必要かを確認しておきましょう。
なお、謄本とは企業情報を全て書き写した書類で、以下の内容が記載されています。
・社名(商号)
・所在地(本店)
・役員氏名
・法人の目的など
商業登記簿謄本を求められる理由は、利用企業の情報に嘘や偽りがないか確認するためです。
印鑑登録証明(印鑑証明)とは、登録された印鑑が本物であることを公的に証明するための書類です。法人の印鑑登録証明は法務局で印鑑登録証かマイナンバーカードを提示すれば、有料で入手できます。また一部の自治体では、マイナンバーカードを使ってコンビニのマルチコピー機で発行することも可能です。
印鑑登録証明は、ファクタリング契約書に押印する実印が、本物であることを証明するために必要となります。
試算表は1カ月ごとに事業の収支をまとめた書類で、決算書の土台となる資料です。銀行融資などでは必要になるものの、ファクタリングで求められることは多くありません。しかし審査の厳しいファクタリング業者の場合、必要になることもあるため事前に確認しておきましょう。
継続取引を行う相手先の企業と締結する書類が基本契約書で、表題は「取引基本契約書」または「売買基本契約書」とされることもあります。記載されている内容は契約の成立時や有効期間、代金の支払い方法、損害賠償などです。
基本契約書は売掛先が実在することや、売掛金の支払日、入金方法などを確認に使用されます。
ファクタリングは基本的に、支払いが確定している確定債権が対象です。確定債権の確認では、請求書、納品書、発注書、契約書、などの売掛債権の内容を確認できる資料の提出が必要です。
一般的には請求書を提出するものの、請求書がない場合はどのような書類で代用できるか確認しましょう。
個人事業主のファクタリング審査では、以下の書類が必要となることが多いでしょう。
・身分証明書
・印鑑登録証明書
・試算表
・確定申告書
・開業届
・税などの納付書、領収証
・売掛先の基本契約書
・売掛債権を確認できる書類
確定申告書や開業届、税・社会保険料の納付書や領収証など、法人とは異なる書類が必要なため事前に確認しましょう。
ファクタリング審査では売掛先の実態や取引内容確認のため、通帳のコピーを求められるのが一般的です。通帳を提示しない場合、ファクタリングの審査が受けられない、受けられたとしても手数料が高額になるなどのデメリットが多いため事前に準備しておくようにしましょう。
ファクタリングサービスを提供している株式会社Mentor Capitalでは、売掛先からの入金が確認できる通帳のコピー(表紙付3ヶ月分)や申込書などの必要書類を提出後、最短30分以内に買取金額を提示いたします。法人・個人事業主問わず利用できるので、資金調達にお悩みの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。