最終更新日:2023年08月23日
事業を継続していくには、売掛金が回収不能となるような事態を避けるため、与信管理が重要です。ファクタリングは資金調達を目的として利用されることが多いですが、与信管理にも活用できるのをご存じでしょうか。
ファクタリングを利用する際には、審査において売掛先の信用力がポイントとなるため、与信管理の情報収集に役立てることができるのです。
本記事では、与信管理とは何か確認した上で、ファクタリングを与信管理に活用する方法や利用するメリット、注意点などを解説していきます。
ファクタリングを使った与信管理について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
商取引において取引先の信用度の把握は不可欠です。取引する企業をしっかりと見極めなければ、商品を納品したものの売掛金が期日になっても支払われないといった事態になりかねません。
与信管理では主に以下の項目について調査を行います。
● 取引しても問題ない企業であるか
● 現在の取引から収益を何%まで増やしてもいいか
● 債権が不渡りになる可能性はないか
それぞれについて解説していきます。
ファクタリングは与信管理に活用することもでき、自社に合った方法を選択することが可能です。ファクタリングを与信管理に活用する方法として以下の2つが挙げられます。
● 買取ファクタリングを利用する場合
● 保証ファクタリングを利用する場合
それぞれについて解説していきます。
買取ファクタリングとは利用者がファクタリング会社に売掛債権の買い取ってもらい代金を受け取るサービスです。買取ファクタリングは売掛金を早期に現金化したい場合の利用に向いています。
保証ファクタリングとは利用者とファクタリング会社が保証契約を結ぶサービスです。利用者はファクタリング会社に保証料を支払う負担があるものの、売掛先が倒産した場合には保証金額が受け取れます。
保証ファクタリングは資金調達を目的とするものではありません。保険に似たサービスで、債権の回収ができなくなった場合に保証金を受け取れます。
ではファクタリングを与信管理に活用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットは以下の5つが挙げられます。
● 与信管理と同時に資金調達ができる
● 売掛金の未回収リスクを回避できる
● スポット利用ができる
● 売掛先に知られずに利用できる
● 自社の与信に影響がない
それぞれについて詳しく解説していきます。
与信管理においてファクタリングを利用すれば、与信管理と同時に資金を調達することも可能です。資金を得られるまでにかかる期間は最短即日、もしくは最短翌営業日としているファクタリング会社が多く見受けられます。
ファクタリングを利用することで資金を調達できるだけでなく、売掛先の信用力を把握できるため、今後の取引を検討していく上でも役立つでしょう。
ただし保証ファクタリングでは資金調達は行えません。前述のように保証ファクタリングとは債権が回収できなかった場合に保証金を受け取れるサービスであるためです。
与信管理にファクタリングを利用することで、売掛金の未回収リスクを回避できます。
利用者がファクタリング会社に売掛債権を譲渡すると同時に、売掛金が未回収となった場合に生じる損失もファクタリング会社に移転されます。売掛先の倒産などによって売掛金を回収できなくなり、売掛先と共倒れになるといった事態を回避したい場合の利用にもおすすめです。
ファクタリングは継続的に利用しなければならないものではありません。1回のみのスポット利用も可能です。そのため資金繰りが大変なタイミングで都度利用できます。
ファクタリング会社によっては初回割引などもあるため、与信管理も兼ねて資金を調達したい事業主の方はお試しで利用してみる手もあります。
2社間ファクタリングであれば、利用者とファクタリング会社との取引になります。そのため売掛先に知られることなく与信管理を行えます。売掛先との今後の関係性を考慮して、与信管理を行っていることを知られたくない場合にも安心です。
ファクタリング会社が与信管理を行う際には帝国データバンクなどのデータベース上にある情報を主に参考にする他、インターネット上の評判などを確認することもあります。ファクタリング会社による売掛先の与信管理は信頼性が高いため、利用者はこの結果を参考に取引の継続について検討できます。
与信管理でファクタリングを利用したとしても、自社の与信に影響を与えることはありません。
ファクタリングでは銀行などの借り入れ審査のように、申し込み履歴などが信用情報機関に登録されることはないからです。自社の信用情報への影響を懸念している方も安心して利用できます。
また過去の返済遅延などで信用情報機関に登録されている情報にキズがある方でも、ファクタリングは与信に無関係であるため利用しやすいでしょう。
ファクタリングを与信管理に利用するのは便利であるものの注意点もありますので、押さえておきましょう。主な注意点として以下の3つが挙げられます。
● 与信限度額は売掛金の額とイコールではない
● 取引実績のない売掛先だと審査に通りにくい可能性がある
● 2社間ファクタリングでは利用者の信用性も影響する
それぞれについて詳しく解説していきます。
ファクタリングでは売掛金の額の全てが買取対象となるわけではありません。このことを知らないと、想定していたよりも与信限度額(債権の上限額)が低いと困惑することもあるでしょう。
例えば売掛金が100万円で掛け目(買取対象となる割合)が70%であれば、70万円が買取対象となります。あわせて手数料についても考慮しなければなりません。手数料15%であれば70万円×15%で10万5000円が手数料になるため、70万円から10万5000円を引いた59万5000万円を受け取れます。
ファクタリング会社によって掛け目が異なりますが、70%~90%が一般的です。
また掛け目はリスクによっても変動します。できるだけお得にファクタリングを利用したい方は、ファクタリング会社にとってリスクの少ない売掛金を選びましょう。
ファクタリング会社は、利用者と売掛先の間で過去の取引実績のない売掛金を敬遠する傾向にあります。取引実績がなければ売掛先の企業が売掛金を支払えるのか、信頼できるのか判断できません。
架空の売掛債権をファクタリング会社に持ち込み現金を受け取ろうとする詐欺も実在していています。ファクタリング会社はそのリスクを回避するため、売掛先の信用性が高いのかを確認する必要があるのです。
ファクタリングを利用して与信管理を行う際は、取引期間の長い売掛先や取引実績のある売掛先を選ぶようにしましょう。
2社間ファクタリングにおいては利用者の信用力も考慮されます。2社間ファクタリングでは、売掛金を回収した利用者がファクタリング会社に支払いを行います。
売掛先が売掛金を支払ったとしても、利用者がそれを他の支払いなどに回すなどしてしまえば、ファクタリング会社は資金を回収できません。そのためファクタリング会社は利用者が信用できる人物なのか面談や取引時の対応を通して見極めようとします。
なお、3社間ファクタリングでは売掛先にファクタリングを使用する事実について知られてしまいますが、2社間ファクタリングよりも審査基準が緩和される傾向にあります。売掛先がファクタリング会社に売掛金を支払う仕組みなので、ファクタリング会社はリスクを抑えられるからです。
ファクタリングを与信管理に利用することで、与信管理と同時に資金調達を行える他、売掛金の未回収リスクを回避できるメリットがあります。2者間ファクタリングを利用すれば、売掛先にファクタリングを行ったことを知られずに済むため安心感もあるでしょう。
本記事でご紹介したメリットや注意点を把握した上でファクタリングを利用し、与信管理に役立ててください。
ファクタリングの利用を検討されている方にはMentor Capitalがおすすめです。東京都内で年間200件以上の取引実績があり、北海道から沖縄まで全国47都道府県に対応可能。
初回の利用時は最短翌日に売掛金を現金化できます。公式サイトで無料査定の申し込みが可能なので、急な支払いが発生した際にはぜひご相談ください。