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銀行が融資に担保設定を行う訳は?担保の意味や担保設定される資産とは?

最終更新日:2021年08月06日

 

 

Mentor Capitalです。

 

 

 

 

 

今回は、銀行が融資の際に行う担保設定について解説したいと思います。

 

 

 

 

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設備資金の調達方法として融資を利用することが一般的ですが、融資には無担保のものと担保を必要とするものがあり多額の資金調達を行う場合、金融機関から担保を求められるのが現実です。

銀行に代表される金融機関は融資から得られる金利から利益を得ることで運営されており、融資対象は個人・法人を問わず活発に行われています。

しかし一般的に銀行から融資を受けることは難しいと考えられる傾向が強いのが実情です。

銀行から融資を受ける際に行われる審査と呼ばれる与信調査が厳しいことや、融資の条件に担保設定を求められることなどが原因ではないかと考えられます。

金利の低い銀行からの融資を実現するための担保について詳しく解説します。

 

 

 

【資金調達実現には避けられない?融資条件に求められる担保とは?】

 

 

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銀行に対して社会性や公共性をイメージする方は少なくないと思いますが、民間銀行は営利を目的として金融商品を扱う株式会社で、一般企業同様にリスク回避を行いながら運営されています。

 

 

融資に対する保険?担保が求められる理由とは?

 

金融機関にとって「貸付金が回収不能となること」は最大のリスクですから、銀行は資金繰りに困り融資で資金調達を計画する会社より、

多くの自己資産を所有し資金繰りに困っていない会社に融資を行い安全に回収することを望みます。

しかし融資を必要とする会社は自己資金で事業資金を賄えないからこそ、融資を必要とするケースが多いのが現実ですから、

銀行の希望と融資を求める会社の実情とのギャップを埋めるのが、担保の存在です。

担保は万一融資先からの貸付金回収が不可能となった際に、未回収の貸付金と利子の償却を行うために求められるもので、

銀行にとってリスクのある融資の回収を行うための保険的存在に位置付けられていると言えます。

 

 

 

【そもそも融資の条件として求められる担保とは?担保設定の意味は?】

 

担保という言葉は「保証」という意味合いで広く使われています。

銀行に融資の依頼を行った際に担保設定を求められるのは、「債務者の契約履行をより確実にするための保証」を求められていることを意味します。

 

 

債務者の契約履行と担保の関係性とは?

 

審査を通過し銀行と融資契約を結ぶと利用者には銀行からの融資が提供されます。

銀行が融資を行い契約の履行を完了させたことで、利用者には融資された資金と共に、借入れの返済義務が残ります。

銀行は債権者、利用者は債務者となり融資契約時の取り決めどおりの融資期間内に返済を行うことが債務者である利用者に求められます。

債務者である利用者が返済不能の状態に陥った際に、銀行は担保を利用して未回収の貸付金や利息の償却を行います。

仮に融資額と同等の資産価値を有する担保が設定できれば半分返済を行った債務者が支払い不能となっても、

銀行は融資額と同等の資産価値を持つ担保を手に入れることができるため、回収不能となった融資によって利益を損なうことはありません。

担保は融資を行う銀行にとって保険のような存在だと言えるでしょう。

 

 

担保には人的担保と物的担保の2つが存在する!

 

一口に担保と言っても担保として設定される条件にはさまざまなものがあります。

銀行からの融資条件として担保設定されるものは物的担保と人的担保の2つに分けることができます。

 

・人的担保とは

債務者である利用者の契約履行を、債務者の選定した第三者が保証することで融資が行われます。

一般的には「保証人」と呼ばれるものですが、債権者が返済不能に陥った際に代位弁済(だいいべんさい)で返済を行ってくれることから銀行は保証人を担保の1つとして取り扱います。

第三者による返済の保証には保証人と連帯保証人があります。

保証人は債務者が支払い不能となり代位返済を求められた場合でも、債務者に対する再請求・債務者の資産からの回収を主張できますが、連帯保証人には債務者同等の支払い義務が発生します。

銀行の人的担保には連帯保証人が求められます。

 

・物的担保とは

不動産の資産価値が高く評価されることから、不動産を担保に融資を受ける資金調達手段は最も知られたものであると言えるでしょう。

融資条件として不動産や有価証券など資産価値が認められるものを担保設定し融資が行われます。

人的担保の場合、代位弁済を求めても連帯保証人に返済能力がないケースや、連帯保証人が逃げてしまうケースなどの不安要素が発生します。

物的担保は質権・抵当権・譲渡担保権を行使することで回収を行うことが可能であることから、銀行にとっては安全性が高い担保だと考えられています。

 

 

 

物的担保の資産価値は市場価格と同等ではない?

 

仮に2,000万円の資産価値が認められる不動産や株券を担保に融資を求めた場合でも、2,000万円の融資を受けることは難しいと考えられます。

物的担保の資産としての評価価格は変動するため、融資の審査時の資産価値が保たれるかどうかが不安要素として判断されることが原因です。

また担保の資産価値の価格評価は評価を行う銀行によって異なり、同時期に同じ物的担保で受けられる融資額は銀行によって異なりますが、

一般的に担保評価は約70%前後の掛目を乗算し算定されると言われています。

 

 

 

 

【融資を依頼した際に融資条件として銀行に求められる担保とは?】

 

 

 

回収不可能となった融資の償却を行うために設定される担保には、流動性の高さが求められます。

流動性の高い担保として銀行から求められる物的担保には以下のものが該当します。

 

不動産

事業資金や個人向け住宅ローンなど銀行で扱われる様々な融資の中で、担保設定されることが多いのが不動産です。

仮に銀行に担保権を設定されたとしても、返済が滞らない限り利用者は担保設定した不動産を利用することが可能です。

 

預金口座

融資を依頼した銀行に定期預金口座を開設し、銀行の指定する預金額を定期で預けます。

担保設定されている間は定期を解約することができず、価値の安定した担保である上に定期口座の開設ノルマも達成できることから、銀行側にメリットの大きな担保だと言えるでしょう。

 

受取手形

一般的には手形割引と呼ばれるものですが、銀行は手形割引を手形を担保とした融資と捉えています。

割引手数料が異なるのは、融資先である会社の返済能力への審査結果が手数料に反映するからで、これが金利に相当するものだと考えられます。

 

有価証券

流動性の高い有価証券として株式なども担保設定することが可能です。

しかし株式は資産価値が大きく変動する可能性があるため、上場企業の株式であっても融資を行う際の時価に対して60~80%の掛目を乗じたものが担保としての資産価値として評価されます。

 

 

 

【設定する担保は金利に大きく影響する!】

 

融資の条件に担保設定を求められる銀行よりも、無担保融資を行っているノンバンクからの融資を利用した方が面倒がないのではないかと感じる方が居るかもしれません。

しかし担保設定を求められる銀行では融資に対する金利が低く抑えられているのに対し、無担保融資を行うノンバンクの金利は高めに設定されているのも事実です。

 

 

担保の存在が未回収リスクを軽減させ、低金利での利用を実現させる!

 

融資の利子で利益を得る銀行にとって、焦げ付きと呼ばれる回収不能となった融資の発生は絶対に回避したい最悪の事態だと言えます。

未回収リスクを回避するためには、融資額に見合った担保の設定が不可欠であるというのが銀行側の本音だと言えるでしょう。

一方で無担保ローンで融資を行う消費者金融やカードローン会社などノンバンクと呼ばれる金融機関では、銀行金利と比較すると遥かに高い金利が設定されています。

無担保で融資を行うことは回収不能リスクが高くなると言うことですので、リスクに応じたリターンがリスクプレミアムという形で予め金利に含まれるため、これは致し方ないと考えられます。

 

 

借入れを完済すれば銀行からの融資は魅力的な資金調達手段だと考えられる

 

融資の条件に銀行から担保設定を求められることに対して、好意的な感情を持つことができない方もいるかも知れません。

しかしリスク回避を行いたいという気持ちは、一般的な会社であっても銀行であっても変わりはありません。

担保設定を行ったものが銀行側に処分されるのは借入れの返済が行えなくなった時に限定されますから、受けた融資を完済し手続きを行うことで担保設定は解除されます。

事業運営の継続には低金利で資金調達が行える銀行と友好的な関係を保つことがマイナスに働くことはないと考えられますから、大いに活用すべきだと言えるでしょう。

 

 

 

 

【無担保での資金調達は不可能ではない!無担保融資で実現する資金調達方法とは?】

 

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銀行から融資を受ける形で行う資金調達には担保が求められることから、起業直後や担保設定を行う資産を持たない会社は銀行から融資を受けることは、事実上難しいと言わざるを得ません。

起業直後や資本を持たない会社に対して「世間の風は冷たいばかりだ」と悲観してしまいますが、実は「無担保・無保証」で融資を受けることができる資金調達手段は存在するので安心して下さい。

 

 

無担保・無保証で融資による資金調達を実現する方法とは?

 

無担保で融資を受けられるものの代表的な存在として消費者金融などのノンバンクが提供するカードローンをイメージする方がいるかも知れません。

個人向け無担保融資であるカードローンは審査が緩い傾向にありますが、利用限度額が利用者の年収の1/3に制限され、金利が高めであることから、

事業資金調達手段ではなく個人消費に対する金融商品だと考えられます。

一方で、公的融資である日本政策金融公庫の提供する「新創業融資制度」と「中小企業経営力強化資金」の2つが無担保・無保証で利用できる事業資金調達手段として有効だと言えるでしょう。

 

 

 

 

【無担保で事業資金の融資を行う日本政策金融公庫とは?無担保融資の制度とは?】

 

2008年に国民生活金融公庫・農林漁業金融公庫・中小企業金融公庫を統廃合し財務省所管の特殊法人として設立されたのが「株式会社 日本政策金融公庫」です。

株式会社ですが政府が株主となる国有企業で沖縄を除く46都道府県で営利を目的とせず運営されています。

 

 

公的融資の新創業融資制度・中小企業経営力強化資金とは?

 

日本政策金融公庫は様々な融資制度を提供していますが、無担保・無保証で事業資金調達が行える制度として新創業融資制度・中小企業経営力強化資金2つが挙げられます。

融資による借入れ金の使用用途は設備資金や運転資金などの事業資金に限定され、投資資金や生活資金への転用は禁じられていますが、

無担保・無保証での融資を実施していることから事業運営に失敗した場合でも返済義務が生じないのが特徴です。

 

・新創業融資制度

起業時や起業直後の事業資金を融資する制度で、起業後2期までの税務申告を終えていない新興会社が利用対象です。

融資限度額3,000万円(運転資金は1,500万円)・返済期間20年以内(運転資金は7年以内)で利用できますが、

起業時や起業後の税務申告が行われていない場合は起業資金総額の1割以上の自己資金の提示が求められます。

 

・中小企業経営力強化資金

一般的にベンチャーと呼ばれる新事業分野の開拓などで新市場の創出や開拓を行う新興会社や既存事業所で、

中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関のサポートを受けている会社が対象です。

融資限度額7,200万円(運転資金は4,800万円)・返済期間20年以内(運転資金は7年以内)で利用できますが、事業計画の提出や事業運営の経過報告が必要となります。

提出された事業計画が審査を通過し2,000万円以内であれば無担保・無保証での融資が受けられます。

両制度共に金利は約2%と低金利に設定されていますが金利は変動しますので、

日本政策金融公庫の無担保・無保証融資の利用を希望する際は日本政策金融公庫の公式サイト内で公開されている金利の確認が必要です。

 

 

 

【銀行の担保についてまとめ】

 

さまざまな資金調達方法が存在し銀行からの融資だけに頼ることなく資金調達を行える時代になったと言えます。

ですが、銀行からの融資による資金調達に成功することは社会的信用の高さの証明にも繋がり、事業運営を行う方にとって銀行からの融資による資金調達は積極的に有効活用すべきだと考えられます。

近年急速に普及し始めた「でんさい」を利用すれば未回収の売掛金を担保に融資を受けることも可能ですので、銀行からの融資による資金調達の可能性はさらに広がりつつあると言えるでしょう。

しかし融資での資金調達の際には慎重に返済計画を立てたうえで融資期間の設定を行うことが、設定した担保を失うことなく借入れ返済をおこなうポイントだと言えます。

民間銀行に融資を依頼すると融資希望額に応じた担保設定が求められます。

借入れ金の返済が可能と判断され、なおかつ万が一の時のために担保も必要ということで、融資の際のハードルは高いと言えます。

特に資産を保有しない起業直後の会社や、資本力に乏しい会社にとっては、資金調達の障壁になっているのが実情です。

担保を必要としない公的融資の存在は、資金調達の必要性に切実に迫られている会社にとって一筋の光となる救済措置に近いものであると考えられます。

新たな資金調達方法が登場する現在は融資以外にも様々な資金調達方法が存在しますが、

これらの最新情報を掴みながら日本政策金融公庫の各制度と比較することで、最良の資金調達方法を見つけましょう。

 

いかがでしたでしょうか?

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