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『商工中金』とは?他の金融機関との違いを比較

最終更新日:2022年02月21日

 

 

Mentor Capitalです。

 

 

 

今回は商工中金について解説したいと思います。

 

皆様は商工ローンという名称を聞いたことがあるでしょうか。

商工ローンとは商工中金におけるビジネスローンの通称で、現在数多くの中小企業に利用されています。

しかし、商工中金が社会的に重要な役割を果たしているにもかかわらず、一般層へはあまり知られていない現実もあります。

そこで今回は商工中金について、どのような歴史があり、また現在どのような役割を果たしているのかをご紹介し、その上で資金調達における商工中金の利用についてお届けいたします。

 

 

 

商工中金のこれまで

 

 

 

商工中金は中小企業への融資を目的として1936年に設立された政府系金融機関です。

正式には株式会社商工組合中央金庫といいますが略して商工中金と呼ばれています。

事業の目的は「中小企業等協同組合その他主として中小規模の事業者を構成員とする団体及びその構成員に対する金融の円滑化を図るために必要な業務を営むこと」と定義し、

商工中金に対する出資団体やその構成員に対して取引を行っています。

資本構成は大部分が政府出資で約46%を政府が保有しており、それ以外の資本も特定の出資団体からの出資金で構成されています。

商工中金は設立以来協同組織金融機関として運営されてきましたが2008年に株式会社に移行。

数年間での完全民営化を目指し準備が進められていましたが、リーマンショックや東日本大震災への対応を考慮し完全民営化の時期は延期されています。

 

 

 

他の金融機関との違いとは?

 

政府系金融機関として運営される商工中金は他の金融機関と何が異なるのでしょうか。

ここではまず同じ政府系金融機関である日本政策金融公庫との異なる点を見ていきましょう。

 

①預金と決済機能がある

②資金は大部分が自己調達

③融資先は組合員のみ

 

こちらの3点が大まかに異なる点です。

商工中金は預金と決済機能があるので資金繰りの都合によって手形割引を利用できるという利点があります。

また商工中金が運用する資金の90%は預金や自社発行の債権によって調達したものです。

対して日本政策金融公庫は政府の資金で運営しています。その為融資を受けるための条件が商工中金のほうが厳しくなっています。

最後に商工中金の融資を受けられるのは組合員のみという特徴があり、そのため商工中金から融資を受けるためには組合に入る必要があるという違いがあります。

 

以上で日本政策金融公庫との異なる点を上げてきました。

それでは民間の金融機関との違いはどこにあるのでしょうか。

預金や決済は当然民間にもありますし、運用の方法もほぼ同じです。

また日本政策金融公庫とは異なり短期融資も行っています。

つまり、商工中金は株主が政府であることと融資の対象が組合員であること以外はほぼ民間の金融機関と同じ事業体であるといえるのです。

それなら商工中金の存在意義が薄いのでは?と考えると思いますが、政府系金融機関として特有の役割があります。

それは危機対応の貸出制度です。

地震や台風とった大災害によって経営に支障をきたした中小企業に対し運転資金を貸し出す制度があり、この点において商工中金は民間とは異なる役割を果たしています、

 

 

 

商工中金からの融資と民間からの融資はどちらが受けやすい?

 

ここまで商工中金の成り立ちや社会的な立ち位置をご説明いたしましたが、では、実際に商工中金から融資を受けたいときはどうすればよいのでしょか。

まず先にも述べましたように商工中金から融資を受けるには組合員にならなければなりません。

組合とは商工中金に出資しいている団体で中小企業等協同組合や協業組合、商工組合などがあります。

それら組合のどこかに加入することができれば融資を受けることができるルールになっています。

これらのルールは少しハードルが高いように感じてしまうかもしれませんが、

実際は融資を受ける時点で加入していれば良いという制度のため、融資の相談時には組合員になっていなくても大丈夫です。

そのためこのルールは厳しく運用されるているものではなく、形式的なものとして認識して問題ありません。

 

しかし、もちろん組合員になったからといって融資が簡単に受けられるとは限りません。

商工中金と日本政策金融公庫との違いでもご説明したとおり商工中金は資金を自己調達して運用しているため、民間と同水準の融資審査を行っていると考えられます。

審査の結果リスクが高いと認定した場合には民間と同様に保証協会による保証を求められることも想定しなければなりません。

つまり商工中金からの融資を検討する際は、民間金融機関と同様の準備が必要となると考えたほうが良いでしょう

 

 

 

商工中金の今後について

 

現在商工中金は融資についての不正問題が発覚し大きく揺れています。

具体的には危機対応による貸出制度を悪用し、本来適用すべきでない企業にも同制度を利用し貸出を行っていたという報道がされています。

2017年11月現在も調査が続けられていますが、全社的に不正が行われていたことがわかっているため、今後の融資については審査水準がより厳しくなるなどの影響があるかもしれません

この問題によって日本政策金融公庫とは異なり、より民間に近い運用をされてきた商工中金の存在意義が問われています。

今後の展開は不透明なため、これから取引を考えている方はその点を認識した上で計画を建てるのが賢明です。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

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