最終更新日:2019年12月05日
Mentor Capitalです。
今回は、日本政策金融公庫から融資を受ける際の注意点について解説したいと思います。
日本政策金融公庫は創業間もない企業や、銀行があまり注力しない零細企業に対しても積極的に融資してくれる金融機関です。
このような理由から、日本政策金融公庫に融資を申し込みたいと考える経営者も多いのではないでしょうか。
しかし、融資を受けやすいとはいえ、日本政策金融公庫でも正式な手続きに則って融資の是非が判断されますので、
融資の際の必要書類や申し込みの流れについて正しい手順やルールなどを把握する必要があります。
そこで本記事では日本政策金融公庫から融資を受ける際の必要書類や申し込みの流れについて説明します。
日本政策金融公庫の特有の融資制度がある
基本的には、日本政策金融公庫から融資を受ける場合と民間の銀行から融資を受ける場合とで、大きく異なる事はありません。
必要書類や申し込みの流れは、日本政策金融公庫であっても民間の銀行であってもほぼ同様だと言えます。
両者の違いとして、日本政策金融公庫の融資制度は国策を反映しているプランがありますので、それに沿った融資であれば民間の銀行よりも融資を受けられる可能性が高いという事です。
一般の銀行の融資に相当する普通貸付だけではなく、
・女性や若者、シニアの起業を促進する「女性、若者/シニア起業家支援資金」
・事業承継の際に利用できる「事業承継・集約・活性化支援資金」
・被災者に対する専用融資制度の「東日本大震災復興特別貸付」や「平成28年熊本地震特別貸付」
など国策を反映している様々な融資制度があります。
このような融資制度の条件と合致すると有利な条件で借入を行える可能性があるために、
日本政策金融公庫から融資を検討している人はまず合致している融資制度は無いかを確認した方が良いでしょう。
融資のための必要書類
日本政策金融公庫のホームページより 書類一式
どの融資制度を利用するかによって必要書類は多少変わりますが、基本的な必要書類は以下のようになっています。
借入申込書
借り入れの申し込みの為に必要な書類で最も重要な書類です。
法人名や業種など普遍的な内容もありますが、ここに申込金額や希望する返済期間やプラン、
資金の使い道などを記載しますので、きちんと希望する融資の内容がまとまった上で最後に記入する書類です。
また、この書類だけでは記入欄が少なく、希望する融資の概要がわかりにくいので別途、詳細を説明するような資料は用意した方が良いでしょう。
フォーマットは日本施策金融公庫のホームページからダウンロードできます。
最近2期の確定申告書・決算書、試算表
会社の財務状況を日本政策金融公庫が把握するために最近2期分の確定申告書・決算書などが求められます。
創業してからまだ2期目の決算を終えていない場合はある分の決算書で判断をするので、2期目を迎えていなければ融資を受けられないというわけではありません。
なお、決算後6か月以上経過している場合は最近の試算表を求められますが、6か月以上経過していなくても最新の試算表は用意しておいた方がよいでしょう。
これについては特にフォーマットがありませんので、自社で用意する事になります。
創業計画書(創業の場合)
創業の場合は決算書や試算表が無いので、創業計画書に基づいて融資の判断がされます。
創業計画書のフォーマットは日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできますが、
A3用紙表面1枚分程度しか書く事ができないので、フォーマット通りの創業計画書を用意した上で、別途詳細な創業計画書を用意しておいた方が良いでしょう。
見積書(設備資金の借り入れの場合)
資金の用途は大きく2つにわけることができ、日頃事業を運営するための運転資金と事業を行う為の設備を整えるための設備資金にわかれて、それぞれで限度額が設定されています。
設備資金の名目で借り入れを行うためには、申し込み額が適正かを判断するために見積書の提出が求められます。
不動産の全部事業証明書又は登記簿謄本等(担保を設定する場合)
担保を設定する事によって有利な条件で借り入れが可能になる事があります。
不動産を担保として設定する場合はその不動産の全部事業証明書や登記簿謄本等が求められます。
企業概要書(初回取引の場合)
初回取引の場合、企業の概要を日本政策金融公庫に説明する企業概要書の提出が必要となります。
記入する事は事実ベースなので、それほど頭を悩ませる必要はありませんが記入欄は多いので時間は掛かります。
会社のパンフレットなどを作成している場合は企業概要書と一緒に提出した方が良いでしょう。
フォーマットは日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできます。
法人の履歴事項全部証明書または登記簿謄本(初回取引の場合)
初回取引の場合は履歴事項全部証明書または登記簿謄本も必要となります。
自社の住所を管轄している法務局だけではなく、全国どこの法務局でも取得する事が可能ですし、法務局に行かなくてもインターネットで請求可能です。
以上が融資の申し込みの際の基本的な必要書類になります。
これに追加して融資制度毎に特有の書類が要求される事もありますので、利用したい融資制度が決定したら日本政策金融公庫のホームページで必要な書類を調べるようにしてください。
融資の申し込みの流れ
基本的には、一般的な銀行の融資とほとんど違いはありません。
直接融資の申し込みをする事ができますが、商工会議所などからでも申し込む事ができます。
とりあえず相談に行くという場合でも、最低限きちんと見積もりや返済計画などは考えてから相談するのが良いでしょう。
申し込みの時点では、返済計画などを提出する必要はありませんが、申し込みの融資額と計画に整合性を持たせるために申込前に計画を作った方が良いでしょう。
正式に融資の申し込みを行うと、融資の面談を受ける事になり、資金の使い道や事業の状況、経営計画や返済計画に関するヒアリングが行われます。
日本政策金融公庫に訪問して面談になることもありますし、必要に応じて店舗や工場で面談となることもあります。
提出された書類と面談の結果を元に公庫内で融資の検討が行われて、融資が決まった場合は融資条件が提示されます。
その融資条件で計画を行う場合は日本政策金融公庫から送られてくる書類に必要事項を記入した上で返送します。
そして日本政策金融公庫側が返送された書類を確認して指定口座に入金となります。
期間としては1か月~2か月位かかる事がありますので、資金がギリギリになる直前に申し込みのではなく、計画的に申し込みを行った方が良いでしょう。
日本政策金融公庫の融資の必要書類についてまとめ
以上のように日本政策金融公庫から融資を受ける為の必要書類と手続きの流れについて説明しました。
日本政策金融公庫からの融資は創業間もない企業や、零細企業にとって頼もしい味方です。
ただし、誰でも簡単に融資してくれるというわけではなく、きちんと準備をした企業に対してしか融資は行われません。
つまり、日本政策金融公庫の融資は通りやすいから準備の手間も必要ないと考えるのではなく、必要書類など融資を受ける為の準備をしっかり行う必要があります。
特に日本政策金融公庫の場合は様々な融資制度がありますので、自社の借り入れ目的に沿った融資制度を探して必要書類を用意する必要があります。
その点でしっかり日本政策金融公庫の制度を確認しましょう。
ただ、基本的には手続きの流れは一般的な銀行の融資審査とほとんど変わりません。
必要書類の作成そのものが難しいというものではありませんので、漏れなく必要な内容を記載しましょう。
いかがでしたでしょうか?
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