最終更新日:2018年10月29日
Mentor Capitalです。
今回はノンバンクについて解説したいと思います。
事業資金の融資を検討する際、銀行や信用金庫から借り入れをしようと思っても、審査に通らないことがあります。
しかし、事業資金を調達しなければ事業が行き詰ってしまうという逼迫した事態も会社経営上、直面する可能性もあります。
そのような事態で事業資金の融資を実現させるために役立つのがノンバンクの融資です。
比較的審査が緩く、どちらかというと事業の将来性に重きを置いて融資を行っている点で事業者側からすると利点があります。
銀行のいわゆるプロパー融資の場合は、過去の取引実績や事業の業歴などを考慮しての融資となりますので、
まだ対象の銀行を利用したことがない会社にとって融資審査の通過がかなり難しいと言えます。
ただ、ノンバンク融資の審査が柔軟であるといっても一定の条件を満たさなければ融資の審査は通過できません。
そこで、これから融資を考えた際のノンバンク融資審査に通過する秘訣、さらにノンバンク融資にどのようなメリットやデメリットがあるかなどを詳しく検証していきましょう。
融資の1つノンバンクとは?
ノンバンクは、預金や為替などの業務を行わずに貸付だけに絞った活動をしている金融機関や貸金業者のことを言います。
ノンバンクが行う貸付をノンバンク融資といいます。銀行や信用金庫、労働金庫などは、貸付業務以外の仕事もしているので、ノンバンクには含まれません。
では、具体的にどのような業者がノンバンクと言えるのかというと、消費者金融、事業者金融、信販会社、クレジットカード会社、リース会社などです。
もう一つ銀行とノンバンクの違いを挙げることができます。それは適用される法律が異なっているのです。銀行が銀行法、ノンバンクは貸金業法の規定に従って、事業を行っています。
ノンバンクはどのような融資審査が行われるのか
ノンバンク各社とも審査方法や基準については明らかにしていませんが、銀行とノンバンクで大きな違いはありません。
事業資金の融資で最初にポイントとなるのが業歴や実績です。
どれくらいの期間事業を行って、どのような結果を出しているのかを見られるのです。
ただ、ノンバンクの融資は、銀行よりも緩い基準を設定しています。
ノンバンク各社よって考え方は違いますが、1年くらいの業歴でも審査に通過する可能性はあります。
銀行の場合は、1年では融資審査は通らないと言われていますので、業歴の面で利用しやすいのがノンバンクの融資です。
次に、経営者と法人の信用情報のチェックも行われます。
個人事業主の場合は法人情報とは関係ありませんが、会社を興して法人登録がされている場合には、法人情報チェックは欠かせません。
先に経営者の信用情報のほうを見ておくと、クレジットカードやカードローン、キャッシングの取引履歴、返済状況、返済の延滞記録、債務整理などの情報を信用情報機関に照会するのです。
もし何らかのトラブルがあって、金融事故情報が登録されていると、事業資金の融資はもちろん、一般のカードローンの申し込みもできなくなります。
法人の信用情報についても見てみましょう。
どこで確認するかですが、その前に日本には信用情報機関が3つあります。
日本信用情報機構、株式会社シー・アイ・シー、全国銀行個人信用情報センターです。
この中の日本信用情報機構に法人情報が保管されています。
どのような情報かというと、法人名、代表者氏名、所在地、電話番号などの基本情報から、
保証人に関する情報、融資契約や返済についての情報、債務整理、債権回収、債権譲渡などに関する情報、融資の申し込み情報などです。
個人の信用情報と同じように法人の信用情報にも何らかの問題があれば、融資は受けられない可能性があります。
金融事故情報は一定期間信用情報機関に保存されますので、記録が抹消されるまで事業資金の融資の審査などに影響がある可能性があります。
信用情報のチェックに関連して、経営者の人柄なども問題になることがあります。
申し込み者がどんな人物なのか面接時にそれとなく調べるのです。
誠実に契約を履行してくれるかどうかもノンバンクにとって重要なことになってくるからです。
税金を滞納しているかどうかも重要なポイントです。銀行などでは、税金をしっかりと払っていない会社や経営者は返済能力に難ありとして、事業資金の融資を行いません。
ノンバンクの場合もこの点については甘くはありませんが、業者によっては今後の事業計画や返済能力によっては融資を行ってくれる可能性もあります。
事業資金をノンバンクで融資を受ける際の書類は?
事業資金をノンバンクで融資を受ける際、必要書類の準備も完ぺきに行わなければいけません。
ノンバンク融資の書類に不備があると、審査に通過しないか、通過するとしても融資までの時間が遅くなります。
確認作業に手間取り、提出のし直しなどの作業も伴うので、至急で融資を受けたい場合に困ることになります。
どんな書類が必要になるのかについて説明します。
まず、本人確認書類として、運転免許証かパスポートなどが必要です。
健康保険証などのように写真がついていない書類の場合は、さらにもう一点別な書類を提出しなければいけない場合もあります。
収入証明書も大事です。前年分の確定申告書、青色申告書類、収支内訳書などがあれば大丈夫です。
なお、確定申告書の提出が1月1日から3月31日になるときは、前々年度分のものでも構いません。
事業の状態を示す書類も必要です。有効期限内の営業許可証や受注書、発注書、納品書、請求書、領収書などです。
必要な書類は、銀行で事業資金を借入するよりも少ないのがノンバンクのいいところです。
ただ、業歴が短い場合は、収支計画書や事業計画書を準備しなければいけないことがあります。
事業計画書は、今後の事業の展開を説明した書類です。決められた書式はありませんが、ノンバンク側にとってわかりやすい内容にする必要があります。
重要な点は、現実に即さない大げさな計画を書き込まないことです。正確な予測に基づいた事業の将来について説明をしなければいけません。
社内の極秘事項や個人のプライバシーに関する情報は載せないように注意してください。
収支計画書は、今後どれくらいの収益が上がるのかを説明した書類です。これも無理な予想に基づいた金額を提出してはいけません。
借入をした場合に、どの程度の返済能力があるのかを測る重要な書類になるので、間違いのないように計算する必要が出てきます。
融資の審査に通る秘訣
これまでに述べてきた点をまとめてみましょう。
まずは、業歴が短いと信頼度が低くなるので、審査に不利になります。
しかし、事業計画書や収支計画書をしっかりと作成すれば、ノンバンクの場合は借り入れができる場合が多いです。
信用情報については、経営者本人に関しても法人に関してもトラブルが生じないように日ごろから注意しておく必要があります。
事業資金を借りる段階になってから急に信用情報をよくしようと思っても無理なので、普段からお金に関する取引はきれいにしておきましょう。
税金もできるだけ収めておくほうが、ノンバンクの審査に通りやすくなります。
必要書類はそれほど多くはありませんが、それだけに内容に間違いが生じないようにするとともに、誤字・脱字、記入ミスなどは防ぐようにしてください。
些細なことですが、信用度の低下につながることもあるからです。
事業資金の融資でどんな資金が借入できるか?
事業資金に含まれるのは、運転資金やつなぎ資金、事業の拡大資金、設備投資資金などです。
運転資金は、事業を運営するうえで必要になってくる資金です。具体的には、商品の仕入れ代金、人件費、注文代、宣伝広告費、家賃、光熱費などです。
事業が順調に進むようになるまでにかかる資金も運転資金に数える場合もあります。
つなぎ資金、つなぎ融資とは、一時的に入金が遅れた場合などに間に合わせのためにお金を貸すことをいいます。
設備投資資金は、事業に用いる設備にかけるお金です。特に事業開始当初は多額の設備投資資金が必要になってくるので、融資先の確保が重要になってきます。
ノンバンクの事業資金融資を利用するメリットについて
なんといってもノンバンクの良さは、審査において融通が利くことです。
審査基準は各社で違うにしても、それぞれが独自の判断をしていて、かなり広い範囲の人や企業を受け入れています。
赤字決済や税金の滞納があっても、申し込みに応じ、融資をしてくれる場合もかなりあります。
銀行ではこれらの状況ではとても借り入れはできませんが、ノンバンクなら可能性があります。
また、あるノンバンクの業者に通らなくても、別の業者の審査に通ることもあります。
審査が早いこともノンバンクの魅力です。銀行で融資を受ける場合は、保証会社と銀行の両社で審査を行うのに対して、ノンバンクは1社だけの審査になるからです。
消費者金融などでは即日融資を謳っているところも多くなっています。ネットで申し込めば手続きがスムーズに進みますので、融資を受けるまであまり待たなくて済みます。
消費者金融というと、個人向けのカードローンやキャッシングを提供しているというイメージですが、事業資金融資も行っています。
消費者金融以外で事業資金を借りる場合でも、最短2~3営業日以内に貸付を行ってくれることがあるので、急に事業資金が必要になったときなどにはとても助かります。
担保や保証人が不要のケースもあります。銀行などでは担保や保証人を出さなければ、
事業資金融資を実施してくれないところがたくさんありますが、ノンバンクの場合は担保や保証人なしでも大丈夫ということがよくあります。
逆に担保を設定すると、高額な融資を受けられます。ふつうの事業資金融資で満足できないのなら、担保付きの融資を利用してみるのも悪くありません。
場合によったら、金利が低くなることもあります。ノンバンクというと、金利が高いと思われがちですが、すべての商品の金利が高くなっているわけではありません。
事業の内容や事業計画を吟味して貸付を行っている業者では、金利を低く抑えているところもあります。
また、最近では最低金利がかなり低くなってきているので、借入額が大きい場合は、ノンバンクだからといって損をするとは限りません。
ノンバンクというと、経営が破綻する恐れはないのか気にする方もいるでしょうが、この点についても安定性が確保されてきています。
消費者金融の多くは、大銀行の傘下に入っています。事業資金融資を専門としている業者も健全経営のところだけが生き残っています。
どうしても疑問を感じる人は、金融庁のホームページの「登録貸金業者情報検索サービス」を使って、正式業者か確認してみましょう。
デメリットはあるの?
金利が低い商品もありますが、全体的に見るとノンバンクの事業資金融資の金利は依然として高いです。
特に上限金利を18.0%程度にしているノンバンクも多く、融資を受ける額が少ないとかなりの金利負担が発生します。
金利が高いことから、返済期間を短くしておかないと、総返済額が増えてしまいます。
このため、日本政策金融公庫の融資を利用したり、信用保証協会による保証のついた貸付を選択したりしようとする人が増えるのは致し方ありません。
一部のノンバンクの中には疑わしい存在もあります。正式な認可を受けていない業者から借り入れをしたら、後々面倒なことにもなるので、小さな街金融などの場合は必ず確認をしておきましょう。
ノンバンクの中でも、消費者金融の場合は限度額がやや少なめです。多くても800万円程度となっているので、多額の事業資金を必要とする場合には間に合いません。
1,000万円以上の融資を希望する場合は、消費者金融以外の商品を選択しましょう。
それから、ノンバンクからの借入頻度が増えると、銀行の融資を受けにくくなります。
銀行傘下の消費者金融などで借りた場合は別ですが、普通はノンバンク利用後に銀行から事業資金を借りるのが難しくなります。
そのほか、赤字決算でも柔軟に対応してくれるとは言うものの、個人事業主の場合はそうはいきません。
個人事業主の場合は、収入が即経営のための出費や生活費につながるので、余裕がない人は返済能力がないと見なされます。
最後に
銀行や信用金庫、日本政策金融公庫で事業資金を借りられなくてもあきらめてはいけません。ノンバンクがあります。
以前はノンバンクからの借り入れを危険とする見方もありましたが、最近は変わってきました。信用できる業者がほとんどです。
確かに銀行などに比べると、条件面で少し劣るところはありますが、それ補うメリットもたくさんあります。
ただ、ノンバンクと一口にいっても、種類は豊富にあり、商品も各社さまざまです。
どれが自分や自分の会社に合っているか、金利や限度額、貸付条件などをよく比較して、必要とする事業資金の性質を踏まえて最も利用しやすいものを選ぶようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
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