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売掛金がマイナスになる理由とは? 対処法や仕訳例をご紹介

最終更新日:2024年12月02日

売掛金は、製品やサービス提供の対価として将来受け取れるお金です。本来、売掛金がマイナスになることはありませんが、実務上では記帳忘れや記帳ミス、取引先との意思疎通の失敗などによってマイナスになってしまうことがしばしばあります。

売掛金がマイナスになったままでは自社の財務状況を正確に確認できませんし、取引先との信頼関係が悪化するリスクもあるでしょう。本記事では売掛金がマイナスになる理由と、その解消法を解説します。

売掛金とは?

売掛金とは、企業が取引先に販売した商品・サービスの対価として、後日受け取る権利を持つお金のことです。企業は商品やサービスを取引先に納品し、その後取引先から売掛金を回収します。このように、商品やサービスの提供と支払いに時間差がある取引を「信用取引」もしくは「掛取引」といいます。

企業間で頻繁に取引をする場合、取引のたびに代金の支払いをするのは手間がかかりますし、振込手数料などの経費もかさみます。信用取引の枠組みを利用すれば、一定期間内に行われた複数回の取引の支払いを1回で完結させることが可能です。

一方で、商品やサービスを販売する側から見た場合、売掛金はあくまでも未回収のお金であるため、取引先が急に破綻した場合などには回収できなくなる恐れがあります。自社の資金繰りを安定させ、健全なキャッシュフローを維持するためには、売掛金の適切なコントロールと確実な回収が必須です。

売掛金の処理方法

売掛金が発生する信用取引を行った場合、「売掛金が発生したこと」および「売掛金を回収したこと」を記帳します。どちらか片方でも忘れてしまうと、売掛金がマイナスになったり、帳簿上の預金額と実際の預金額が合わなくなったりします。

発生した売掛金を記入する

企業が自社の商品・サービスを販売して売掛金が発生した場合、帳簿への記入が必要です。例えば、10万円分の売上が発生した場合には、以下のように記入します。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 100,000 売上高 100,000

記入のタイミングは「商品の引き渡し・サービスの提供終了時点」が原則とされていますが、実務上では納付書や請求書送付のタイミングで行われることも多いです。いつ行うかは、企業や業種の慣習にも左右されます。

売掛金の入金有無を確認する

入金予定日になったら、取引口座にアクセスして取引先から入金が行われていることを確認しましょう。入金が確認できたら、帳簿に記入します。例えば、先ほどの10万円を回収した場合には、以下のように記入します。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 100,000 売掛金 100,000

このように、発生した売掛金を回収し、売掛金残高を消していく作業を「消込」といいます。消込作業を忘れると帳簿と実際の預金残高が一致しなくなるため、忘れずに行いましょう。

定期的に売掛金の残高を確認する

売掛金の回収忘れを防ぐためにも、一定期間ごとに残高確認を行いましょう。売掛金の残高一覧表を使えば、回収忘れや請求金額と回収金額のズレなどをチェックできます。売掛金全体で見るとどこからの売掛金がいくら残っているかが分かりにくいため、取引先ごとに補助科目を定めておくことがおすすめです。

貸借対照表へ記載する

期末時点で未回収の売掛金が存在する場合、貸借対照表に記載します。貸借対照表は、企業の財務状況を明確にするための財務諸表です。貸借対照表の左側には資産を、右側には負債と純資産を記載します。

資産は文字通り現在企業が保有している金銭的な価値があるものの総称です。現金、売掛金、建物、土地などが該当します。負債は将来支払いの必要があるものの総称で、未払金や買掛金などが該当します。純資産は資本金や利益剰余金など、返済のないものの総称です。貸借対照表の左右の金額は常に同じでなければなりません。一致しない場合は、記入漏れや記入ミスがないか確認してください。

売掛金は資産ですので、貸借対照表の左側に記入します。

売掛金に関連する用語

ここでは、売掛金と類似する、もしくは関連する用語を解説いたします。いずれも使う機会の多いものなので、曖昧なまま覚えている方はここで再確認しておくと良いでしょう。

買掛金

買掛金とは、企業が取引先から商品・サービスの提供を受けた対価として、後日支払わなければならないお金のことです。企業は取引先から商品・サービスを受け取り、後日買掛金を支払います。

売掛金と買掛金は表裏一体の関係です。例えば企業Aが企業Bに対して事前に商品を納品し、後日代金を回収する場合、企業Aは売掛金を、企業Bは買掛金を計上します。代金回収後、企業Aは売掛金の消込を、企業Bは買掛金の消込を行います。

前受金

前受金とは、企業が取引先に商品やサービスを提供する前に受け取った一部もしくは全部の代金のことです。企業は前受金を受け取り、後日取引先に商品・サービスを提供します。

先に商品・サービスを提供し、後日代金を受け取る場合は売掛金が発生するのに対して、先に代金を受け取り、後日商品・サービスを提供する場合は前受金が発生します。前受金が期末に残っている場合、貸借対照表の負債の部に記入します。

仮払金

仮払金とは、金銭の支払いはすでに行っているが、用途がまだ決まっていないお金のことです。

例えば、従業員を出張に行かせるとします。当然、出張には経費がかかりますが、具体的に交通費や宿泊費などがいくらになるかは、実際に行ってみなければ分かりません。しかし、経費を全て従業員に立て替えさせるのは従業員の負担になります。

上記のケースでは、企業は出張費用を大まかに計算して、従業員にお金をあらかじめ渡しておき、後で精算をするのが一般的です。このとき支払われるお金が仮払金です。

その後出張が終わり、実際の経費が明らかになったら、仮払金の消込を行い、実際の勘定科目に計上します。なお、仮払金が不足し、従業員が出張費用の一部を立て替えていた場合、速やかに不足分を従業員に対して支払わなければなりません。

立替金

立替金とは、取引先、役員、従業員などの、企業以外の個人もしくは法人が支払わなければならないお金を、企業が一時的に立て替えた場合に発生するお金のことです。

例えば、本来取引先が負担する取引手数料を、取引をスムーズにするために自社で支払った場合、立替金が発生します。立替金は後日、取引先から回収します。

後日お金を受け取る権利を有するという点では売掛金に似ていますが、売掛金は売上が対象となるのに対して、立替金は立て替えたお金が対象です。

なお立替金の回収が遅れた場合、税務署から貸付金に当たるのではないかと指摘を受ける可能性があります。貸付金と見なされた場合受取利息を計上しなければならず、申告漏れを指摘されるリスクも発生するため、立替金の回収はなるべく迅速に行いましょう。

未収入金

未収入金とは、企業の営業活動以外の取引で発生した未回収のお金のことです。すでに売上が発生しており、代金をまだ回収できていないという点では売掛金と同じですが、売掛金は自社の営業活動で得た売上が対象であるのに対して、未収入金は営業活動以外で発生した代金が対象となります。

例えば、企業は本業とは別に建物や土地、あるいは有価証券などの資産を保有することがあります。これらの資産を売却し、なおかつ未回収のお金がある場合は、未収入金として計上します。

売掛金がマイナスになる理由

売掛金は信用取引によって商品・サービスを販売するとプラスになり、その後代金を回収すると0になります。 従って、通常は売掛金がマイナスになることはありません。しかし、計上漏れや記載ミスなどがあった場合、売掛金がマイナスになってしまうことがあります。ここでは売掛金がマイナスになってしまう理由を解説します。

売上の計上が漏れた

売上の計上(記帳)は本来なら商品を納品した時点で行うべきですが、実際には多くの企業が手間を省くために毎月の売上締め時にまとめて計上しています。もちろん締め時のときにきちんと売上を計上していれば問題はありません。しかし、計上を忘れてしまった場合、売掛金が0のままになってしまいます。そして、その後売掛金の回収を計上すると、売掛金がマイナスになるのです。

例えば、10万円の売上があったにもかかわらず計上を忘れてしまい、その後売掛金を回収したことを計上した場合の仕訳は以下のようになります。

納品時の仕訳:なし(計上漏れ)

入金時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 100,000 売掛金 100,000

この場合、納品時に売掛金をプラスにしていないにもかかわらず、消込作業を行ったため、売掛金がマイナス10万円になってしまいます。専門の経理担当者がいない中小企業、個人事業主などはこのようなミスを犯しやすいため、十分な注意が必要です。

記帳方法を間違えた

人力で記帳を行っている場合、ささいな入力ミスで売掛金がマイナスになることがあります。特にありがちなのが、借方と貸方を逆にしてしまう、というものです。例えば、10万円の売上があり、売掛金が発生した場合、本来は借方に売掛金、貸方に売上高を計上するのが正しいのですが、記載を逆にしてしまった場合、売掛金がマイナスになります。

納品時の仕訳(間違い)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売上高 100,000 売掛金 100,000

入金時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 100,000 売掛金 100,000

この場合、貸方科目に売掛金を二度計上しているため、売掛金がマイナス20万円となってしまいます。初歩的なミスですが、誰もが犯す可能性があります。

また、税込処理と税抜処理を混同してしまった場合も、売掛金がマイナスになることがあります。例えば、税込11万円の売上が2回あったにもかかわらず、2回目納品時の仕訳を税抜で行った場合は以下のようになります。

納品時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 110,000 売上高 110,000
売掛金 100,000 売上高 100,000

入金時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 220,000 売掛金 220,000

この場合、売掛金は借方で21万円、貸方で22万円なので、マイナス1万円となってしまいます。

相手が売掛金以上の金額を入金した

自社側がミスをしていなくとも、取引先の手違いによって売掛金がマイナスになることがあります。例えば、30万円の売上に伴い売掛金が発生し、後日入金が行われたが、取引先企業が誤って40万円を入金したことに気付かなかった場合の仕訳は以下のようになります。

納品時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 300,000 売上高 300,000

入金時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 400,000 売掛金 400,000

この場合、売掛金は借方で30万円、貸方で40万円なので、マイナス10万円となります。

前受金の入金後に売上の計上が漏れた

前受金とは、前述の通り、まだ商品・サービスを提供していないうちに受け取ったお金のことです。信用取引で代金の一部を前受金として受け取り、入金を確認後納品し、残額を売掛金として後日回収するのは珍しいことではありません。

しかし前受金があったにもかかわらず、売上の記入を忘れてしまった場合、売掛金がマイナスになることがあります。

例えば、50万円の契約をするケースを考えてみます。うち10万円は前受金として納品前に受け取り、残りの40万は売掛金として納品後に回収したものの、納品後の仕訳を忘れた場合は以下のようになります。

前受金受取時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 100,000 前受金 100,000

納品時の仕訳:なし(記帳漏れ)

入金時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 400,000 売掛金 400,000

この場合、売掛金はマイナス40万円となります。

売掛金の未回収ではマイナスにならないので注意

未回収の売掛金がいくらあっても、売掛金がマイナスになることはありません。未回収の売掛金がある場合、売掛金はプラスになります。その後、回収が予定通り行われれば、売掛金は0になります。仕訳や入金が正しく行われている限り、売掛金がマイナスになることはありません。

では、取引先の倒産や資金繰りの悪化によって、売掛金が回収できなくなった場合にはどうすれば良いのでしょうか。状況にもよりますが、基本的には貸倒損失を計上します。例えば、取引先から回収する予定の売掛金が10万円あったが、裁判所の決定により売掛金が消滅してしまった場合、以下のような仕訳を行います。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
貸倒損失 100,000 売掛金 100.000

この場合、もともとプラスだった売掛金は0になるだけであり、やはりマイナスにはなりません。

売掛金がマイナスになった際の対処方法

売掛金がマイナスになる理由は上記の通り多岐にわたります。いずれの場合も、企業の財務状況を適切に把握できなくなる可能性があるため、マイナスになっている場合はすぐに原因を突き止め、修正しましょう。ここでは、売掛金がマイナスになったときの具体的な対処方法を解説します。

計上漏れ:帳簿にすぐ入力

売上高が発生していたにもかかわらず、計上していなかったことに気付いた場合、すぐに帳簿に記入しましょう。後回しにすると不要な業務が増える可能性が高いので、気付いた時点ですぐに記載してください。例えば、10万円の売上があったにもかかわらず計上を忘れてしまっていた(売掛金の回収は記帳した)場合は、以下のように納品時の仕訳を追加で記帳します。

納品時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 100,000 売上 100,000

入金時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 100,000 売掛金 100,000

なお、日付を記録する際には、取引があった日を入力します。売上の計上ミスは財務諸表の信頼性の低下にもつながるため、定期的にチェックしましょう。

借方・貸方を間違えた:元の帳簿を修正

借方と貸方を間違えて記入していた場合は、元の帳簿を修正してください。例えば、10万円の売上高があった際の記帳で借方と貸方を間違えていた場合は、以下のように修正します。

納品時の仕訳(修正前)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売上 100,000 売掛金 100,000

納品時の仕訳(修正後)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 100,000 売上 100,000

入金時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 100,000 売掛金 100,000

税込・税抜が混在した:元の帳簿をどちらかに統一

税込処理と税抜処理が混在していた場合は、元の帳簿をどちらかに統一してください(免税事業者の場合、税込処理が必須です)。

税込処理のメリットは、仕訳処理が簡単なことです。売上と消費税を分けて記載する必要がないため、手間が省けます。一方、税抜処理のメリットは、期中でも損益の把握がしやすいことです。どちらも一長一短ですので、自社のニーズに合ったものを選びましょう。

例として、売上高11万円(税込)があった場合のそれぞれの仕訳例は以下のようになります。

納品時の仕訳(税込)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 110,000 売上 110,000

入金時の仕訳(税込)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 110,000 売掛金 110,000

納品時の仕訳(税抜)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 110,000 売上 100,000
仮受消費税 10,000

入金時の仕訳(税込)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 110,000 売掛金 110,000

なお仮受消費税とは、課税売上に対する消費税のことで、預かり消費税とも呼ばれます。一方、課税仕入れの際に支払った消費税は仮払消費税です。決算時には一年に支払った仮受消費税と仮払消費税の総額を計算し、仮受消費税から仮払消費税を引いた金額が納付消費税額となります。例えば、仮受消費税が12万円、仮払消費税が7万円だった場合、当該年度の納付消費税額は5万円です。

仮払消費税の方が多かった場合は、消費税の還付を受けられます。

売掛金以上の入金があった:返金か次回取引で相殺

売掛金以上の入金があった場合は、取引先に連絡して返金するか、もしくは過払い分を一時的に仮受金として預かり、次回取引で相殺する(次回取引の振込金額を少なくしてもらう)かを決めた上で計上しましょう。例として、毎月の売上高は30万円であるのに、40万円振り込まれてしまった場合の仕訳は以下のようになります。

納品時の仕訳(返金する場合)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 300,000 売上高 300,000

入金時の仕訳(返金する場合)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 400,000 売掛金 400,000
売掛金 100,000 普通預金 100,000

摘要欄がある場合、過入金分を返金した旨をきちんと記載しましょう。

納品時の仕訳(次回取引で相殺する場合)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 300,000 売上高 300,000

入金時の仕訳(次回取引で相殺する場合)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 400,000 売掛金 400,000
売掛金 100,000 仮受金 100,000

次回納品時の仕訳(次回取引で相殺する場合):

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 300,000 売上 300,000

次回入金時の仕訳(次回取引で相殺する場合)

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 200,000 売掛金 300,000
仮受金 100,000

前受金の入金後に売上の計上が漏れた:帳簿を修正するか逆仕訳を切る

前受金を受け取っていたにもかかわらず、売上の回収を忘れていた場合は、帳簿を修正するか、もしくは逆仕訳をします。逆仕訳とは、以前の仕訳と借方・貸方を逆にした仕訳のことです。例えば、50万円の売上高があり、10万円を前受金として、40万円を売掛金として回収したが、納品時の売上高の仕訳を忘れた場合の正しい仕訳は以下の通りです。

前受金受取時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 100,000 前受金 100,000

納品時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
売掛金 400,000 売上 500,000
前受金 100,000

入金時の仕訳

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
普通預金 400,000 売掛金 400,000

売掛金がマイナスになるのを防ぐには

売掛金がマイナスにならなければ、修正の手間もかかりません。では、売掛金がマイナスになるのを防ぐには、どうすれば良いのでしょうか。

売上発生後は迅速に記帳する

売上が発生したら、迅速に記帳してください。忙しいから、他にやらなければならないことがあるからといって後回しにしてしまうとそのまま忘れてしまい、結果的に仕事が増えてしまいます。売上発生時、そして入金時にも、すぐに記帳しましょう。

忙しい日々の業務の中で漏れなく記帳を行うのは大変ですが、会計ソフトを導入すれば効率的な記帳が可能になります。会計ソフトはヒューマンエラーを防ぎ、日々の業務を効率化する効果があります。最近はインストールが不要なクラウド型のものも多く、利用のハードルも低いので、利用を検討してみましょう。

ダブルチェックを導入する

仕訳のミスを減らすためにも、適切なチェック体制を導入しましょう。費用や時間をあまりかけずにミスを減らしたい場合は、ダブルチェックの制度を導入すると良いでしょう。一人では気付きにくいミスも、二人でチェックすれば気付ける可能性が高まります。導入の際には「誰が」「いつ」「何を」チェックするのかを明文化することが大切です。

ある程度経費をかけられる場合は、外部監査の導入も検討すると良いでしょう。小規模事業者の外部監査は義務ではありませんが、任意で行えます。

複数の書類で差異がないか確認する

取引や入金などがあった場合は、複数の書類の数字が合致しているか確認しましょう。例えば「売掛帳」に記載されている金額と「取引先から入金された売掛金の金額」に差異がある場合、記帳にミスがあることが一目で分かります。

売掛先との契約を見直す

自社に問題がなくても、売掛先と運用ルールが一致していない場合、売掛金がマイナスになることがあります。例えば、消費税の端数処理は切り上げ、切り下げ、四捨五入を各会社が選べるルールになっていますが、異なるルールを採用している場合、意図せず売掛金がマイナスになってしまうことがあります。

また請求書の消費税はまとめて計算しても、請求書ごとに計算しても良いですが、ここが売掛先と異なるとやはり売掛金がマイナスになることがあります。ルールの齟齬は売掛金がマイナスになるリスクを生むため、定期的に契約の内容を見直しましょう。

まとめ

売掛金は原則としてマイナスになりませんが、実務上は記帳ミスなどが原因でマイナスになってしまう場合があります。余計な業務を生まないためにも、売掛金がマイナスにならないようにすること、マイナスになったときにすぐに気付けるような体制を築くことが大切です。

また売掛金がマイナスにならないことも大切ですが、売掛金の適切な管理、キャッシュフローの健全性の維持も同様に大切です。いくら帳簿がピッタリでも、売掛金が入ってこなくては元も子もありません。

資金繰りに困ったときに活用したいのがファクタリングです。ファクタリングとは、売掛金を業者に買収し、業者から代金を受け取れるサービスです。手数料はかかりますが、本来の売掛金の回収日よりも早く、確実に現金を回収できるため、急に手元資金が必要になったときに役立ちます。売掛金を売却するサービスであるため、銀行融資などと違い、債務超過などがあっても利用できる可能性があります。

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