スタートアップの資金調達にはファクタリングが適切? その理由やメリット・デメリットも解説
最終更新日:2025年01月31日
スタートアップ企業にとって大きな経営の課題となるのが、資金調達です。資金の需要が旺盛な一方で、十分な信用力や資産を有していないスタートアップ企業は融資を受けるのが難しく、出資を募れば最悪の場合、経営権を失う恐れがあります。
このような悩みを解決する可能性を秘めているのが、ファクタリングです。ファクタリングは売掛債権を売却する仕組みで、審査が比較的易しく迅速に資金調達できる点が魅力です。
今回の記事では、スタートアップ企業にとってファクタリングが有益な理由や、具体的なメリット・デメリットを解説します。
Table of Contents
スタートアップ企業の資金調達における悩み
多くのスタートアップ企業は、資金調達に関する悩みを抱えています。典型的なスタートアップ企業の資金調達における主な悩みは、以下の2点です。
・運転資金の需要が常にある
・資金集めに苦労する
運転資金の需要が常にある
一般的に、スタートアップ企業の資金需要は旺盛です。会社の設立、従業員の採用や育成、設備投資、広告宣伝などにお金をかけないと、すぐに成長が止まってしまいます。仮に短期間で事業が成長した場合、さらに新たな人材や設備が必要になるため、資金需要は加速度的に増加します。
豊富な資金需要に応えられないと、企業の成長が早い段階で止まり、スタートアップ企業としての魅力が失われるかもしれません。
資金集めに苦労する
スタートアップ企業は資金需要が旺盛な一方で、使える資金調達手段は限られています。
スタートアップ企業は歴史ある企業とは違い、信用力があまりありません。そのため、一般的な資金調達手段である銀行融資や社債、株式発行などによる資金調達が困難です。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家(スタートアップ企業に好んで投資する個人投資家)を頼るのも手ですが、投資家からの出資に比重を置きすぎると、経営権が奪われるかもしれません。
スタートアップ企業が可能な資金調達方法
スタートアップ企業が使える具体的な資金調達方法には、融資や出資、補助金などがあります。具体例を解説します。
金融機関からの融資
一般的な企業の資金調達手段といえば、銀行や信用金庫、ノンバンクなどの民間金融機関からの融資です。
以前の民間金融機関はスタートアップ企業に対してあまり積極的に融資を行っていませんでしたが、最近は以前と比べれば融資に積極的なところも増えてきています。例えばメガバンクの三菱UFJ銀行は、融資を含めたスタートアップ企業向けの支援サービスを提供しています。
ただし、依然としてスタートアップ企業への融資に消極的な金融機関も多く、また審査期間も長くなりがちなため、急いで資金を用意したい場合は別の手段を検討しましょう。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫は、政府が出資している金融機関です。スタートアップ企業を含む国民や中小企業に対して低金利で融資を行っています。スタートアップ企業から見た場合、民間の金融機関の融資よりは審査ハードルが低いです。
ただし、申し込みから審査の結果が出るまで短くても2週間、長い場合は1カ月以上かかるというデメリットもあります。早急に資金を調達したい場合は、別の手段を考えた方が良いでしょう。
信用保証協会の利用
信用保証協会は、民間金融機関から融資を受けたい企業の債務保証を行う機関です。企業が債務を履行できなくなった場合は、信用保証協会が代位弁済(債務の建て替え)を行います。民間金融機関の負うリスクが少なくなり、その結果スタートアップ企業も融資を受けやすくなります。
信用保証協会の保証は、民間金融機関からの融資が受けられる可能性を高める便利な手段です。一方で利用には手数料がかかる、代位弁済を受けた場合信用は保証協会に対してお金を返さなければならないなどのデメリットもあります。
ベンチャーキャピタルからの出資
ベンチャーキャピタルは、スタートアップ企業やベンチャー企業を対象に積極的な投資を行う投資会社・投資ファンドです。株式を発行して出資を募るため、弁済の義務がないことが大きなメリットです。場合によっては、ベンチャーキャピタルから経営のアドバイスや人材紹介を受けられます。
一方、ベンチャーキャピタルはスタートアップ企業に対し出資者として口出し・介入してくることも多く、出資を受けると自由な経営が妨げられる可能性があります。投資目的であるため、審査も厳しいです。
投資家からの出資
ベンチャーキャピタルなどの組織ではなく、個人から出資を募るという手段も考えられます。先ほども紹介した通り、スタートアップ企業やベンチャー企業に対して積極的に投資を行う個人をエンジェル投資家といいます。
個人の判断で投資が行われるため資金調達スピードが早く、場合によっては経営のアドバイスなどが受けられるのがメリットです。一方でベンチャーキャピタルと同様に自由な経営が妨げられる可能性があり、また個人投資家なので出資額も少なめというデメリットがあります。
補助金・助成金の活用
補助金・助成金は、国や地方公共団体が事業者に対して支給するお金です。補助金は主に新しい技術の開発や地域経済の活性化を目的に、助成金は事業者の経費負担削減を目的にしています。融資ではないので返す必要がなく、出資でもないので経営も妨げられません。
補助金は多くの企業が使える制度で、さまざまな公募が行われていますが、審査が厳しく、予算も限られていることが多いです。助成金は要件さえ満たせば、給付が受けられます。
スタートアップ企業にとってはどちらも便利な制度ですが、原則後払いであるため、すぐに資金が欲しい場合には使えません。
ファクタリングの活用
ファクタリングは、自社が保有する売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらえるサービスです。本来の支払期日よりも前にファクタリング会社に売掛債権を売却するため、早い段階で資金が用意できます。
融資ではないため返す必要がなく、出資ではないので経営にも口出しされません。審査はありますが、主に売掛先の信用力が問われるため、スタートアップ企業でも通過しやすいです。審査期間も短く、迅速に資金が用意できます。
手数料がかかるなどの見逃せないデメリットもありますが、資産も信用力も時間もないスタートアップ企業にとっては、使いやすい仕組みです。
スタートアップ企業がファクタリングを利用するメリット
いずれの資金調達方法にもメリットやデメリットがありますが、スタートアップ企業におすすめなのはファクタリングです。ファクタリングの主なメリットは以下の通りです。
銀行融資よりも審査に通りやすい
ファクタリングのメリットの一つとして、審査難易度が比較的低いことが挙げられます。
企業の一般的な資金調達手段といえば銀行融資です。しかし、銀行融資の審査は会社の信用力や財務状況、実績などを基に行われるため、歴史の短いスタートアップ企業は審査に通りにくいです。
一方、ファクタリングでは売掛先の信用力が最重視されるため、自社の信用力に関わらず利用できる可能性が高く、比較的簡単に資金を調達できます。
負債として扱われない
ファクタリングは売掛債権を売却する行為であるため、利用しても負債は増えません。そのため返す義務も発生しませんし、借入状況などを記録する信用情報に傷が付くこともありません。融資などと比べると、健全な経営状態を維持しやすいです。
スピーディーな資金調達が可能
ファクタリングは、他の資金調達方法と比べ、早く資金を確保できます。
融資を受けたり補助金を申請したりする場合は、厳格で時間のかかる審査を受けなければなりません。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家を探すのにも時間がかかります。
ファクタリングにも審査はありますが、必要な書類は限られており、審査時間も短いため、スピーディーな資金調達が可能です。何かと手元の資金が枯渇しやすいスタートアップ企業にとって、資金調達の速さは大きなメリットとなります。
無担保・無保証で利用が可能
ファクタリングは融資ではないので、担保や保証人は通常求められません。資産や人脈が乏しい場合は、担保や保証人が不要なファクタリングを利用すると良いでしょう。
スタートアップ企業がファクタリングを利用するデメリット
ファクタリングはスタートアップ企業にとって心強い味方ですが、メリットばかりでもありません。デメリットをあらかじめ知っておき、後のトラブルを避けましょう。
売掛先の信用度により利用できない可能性がある
先ほども触れた通り、ファクタリングでは自社の信用力よりも売掛先の信用力が問われます。自社の信用力が重視されないのはスタートアップ企業にとってメリットです。一方で、売掛先の信用力という自社ではどうにもならない要素で利用の可否が決まってしまうのはデメリットともいえます。
売掛債権を売却したい場合は、信用度の高い売掛先のものを選びましょう。
他の方法に比べ手数料の負担が大きくなりやすい
ファクタリングの利用には手数料がかかります。手数料は売却する売掛債権に、手数料率をかけたものになります。例えば売掛金1000万円を手数料率10%のファクタリング会社で売却した場合、手数料は100万円です。
ファクタリングの手数料は、融資を利用した場合の利息などと比べると高くなりがちな点に注意が必要です。ファクタリング会社を選ぶ際は、いくつかの会社を比較し、なるべく手数料が安いところを選ぶと良いでしょう。
使用を続けると資金繰りが悪化する
ファクタリングは比較的気軽に利用できて便利なサービスですが、便利ゆえに過度に依存してしまいやすい一面もあります。手数料の高いサービスを繰り返し利用し続けると、いずれ自転車操業のような状態に陥る可能性が高いです。
ファクタリングの利用はあくまでも、他に資金調達の手段がないときの緊急手段として考えた方が良いでしょう。
まとめ
スタートアップ企業の資金調達手段には金融機関からの融資やベンチャーキャピタル・投資家からの出資、補助金・助成金、ファクタリングなどがあります。いずれの手段にもそれぞれメリットとデメリットがありますが、信用力も資産も比較的少ないスタートアップ企業にはファクタリングがおすすめです。
デメリットも相応にありますが、資金調達にかかる時間も短く、審査も比較的簡単なので、急いで運転資金を作りたいときには有力な手段になります。
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