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銀行系ファクタリングの特徴やメリット・デメリットを解説

最終更新日:2024年02月28日

銀行系ファクタリングとは、銀行や銀行のグループ会社が提供するファクタリングサービスです。大口債権にも対応しており、手数料が低い点がメリットです。

一方で、事業の状態によってはデメリットとなる部分も存在します。銀行系ファクタリングの利用を検討する前にメリット・デメリットを十分に理解しておきましょう。

本記事では、銀行系ファクタリングの特徴や種類、メリット・デメリット、おすすめできるケースとおすすめできないケースなどについて解説します。

銀行系ファクタリングとは?

銀行系ファクタリングとは、銀行およびそのグループ会社が提供するファクタリングサービスのことです。一口に銀行といっても、メガバンクから地方銀行、それらのグループ会社もファクタリングを行っているケースがあります。

ノンバンク系ファクタリングや独立系ファクタリングとの違い

ファクタリングは前述した銀行系ファクタリングの他に、ノンバンク系と独立系の3種類に分けられます。

ノンバンク系ファクタリングとは、銀行以外の金融機関が提供するファクタリングサービスです。具体的には消費者金融や信販会社、クレジットカード会社などのファクタリングが挙げられます。

ノンバンク系ファクタリングの手数料は銀行系ファクタリングについで低く設定されており、提供するサービスの種類も多く、コストを抑えやすい点がメリットです。一方で入金スピードは1週間程度と遅い点がデメリットです。

次に独立系ファクタリングとは、ファクタリングを専門に行っている会社が提供するファクタリングサービスで、銀行系やノンバンク系のグループに属していません。他のファクタリング会社と異なり、小口取引にも対応しているため、中小企業や個人事業主でも利用しやすいでしょう。銀行系やノンバンク系ファクタリングに比べて柔軟に対応できることが多く、早い場合は即日で現金化できる点がメリットの一つです。一方で、手数料は銀行系やノンバンク系と比べ若干割高な傾向があります。

銀行系ファクタリングが扱うファクタリングの種類

ファクタリングといってもさまざまな種類があり、中でも銀行系ファクタリングでは以下の4つのサービスを提供しています。

 ・買取ファクタリング
 ・保証ファクタリング
 ・一括ファクタリング
 ・国際ファクタリング

それぞれについて特徴を解説します。

1. 買取ファクタリング

買取ファクタリングとは、自社の売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に買い取ってもらい、資金調達する方法です。買取ファクタリングには、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類があります。注意点として、原則銀行系ファクタリングでは、3社間ファクタリングしか利用できません。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社の2社間のみで取引をする方法です。売掛先にファクタリングの利用を知られることがなく、資金調達もスピーディーに進む点がメリットです。

一方で、売掛金の未回収リスクは3社間ファクタリングよりも高いため、利用手数料もその分高額になってしまいます。

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社、売掛先の3社間で取引をする方法です。売掛先にファクタリングの実施を通知し、了承を得ることで利用できます。売掛先が直接ファクタリング会社に売掛金を入金するため、未回収リスクが低く、その分利用手数料を抑えられる点が特長です。

しかし売掛先にファクタリングの利用を知られるため、場合によっては売掛先に不信感を抱かれる恐れがあります。また売掛先に了承を得られずに、ファクタリングを利用できない可能性もあるため注意が必要です。

2. 保証ファクタリング

保証ファクタリングとは、売掛金の支払いをファクタリング会社に保証してもらい、回収不能リスクに備えられるサービスです。事前に一定の保証料を支払うことで、万が一売掛先が倒産し売掛金が回収できなくなっても、あらかじめ設定した保証額分の現金を受け取ることができます。

取引先が少ない、または一社に金額が集中している企業では、保証ファクタリングを使うことで貸倒損失の軽減に役立ちます。

3. 一括ファクタリング

一括ファクタリングとは、売掛先の売掛金をファクタリング会社が一括で買い取り、ファクタリング会社から支払い企業に対し売掛金の支払いを行う方法です。通常のファクタリングと異なり、売掛先がサービスの利用を決定します。

一括ファクタリングは主にメガバンクや大手地銀が提供しています。サービス利用には一定の審査が必要なため、導入すれば企業イメージの向上につながる点もメリットです。

4. 国際ファクタリング

国際ファクタリングは、国内の輸出企業が海外の輸入企業から支払われる代金を回収する手段として用いられ、主に貿易を行う会社で利用する方法です。海外との取引では送金までに時間が掛かったり、期日通りに支払いがされなかったりすることから、従来は信用状や保証状という書類を用い、輸入企業に変わり取引銀行が支払いを確約していました。

国際ファクタリングは、信用状の発行に伴う手間とコストを削減し、送金ベースによる確実な代金回収ができる方法です。
 

 

銀行系ファクタリングを使うメリット

ここからは、銀行系ファクタリングを利用する主なメリットをご紹介します。

運用元が銀行のため信頼性が高い

ファクタリングは法的根拠のある取引ではあるものの、比較的新しい資金調達方法です。中には、闇金業者がファクタリングを装って違法な貸付を行っているケースもあるため、ファクタリングを契約する前にはどのような会社が運用しているかを確認することが大切です。

銀行やそのグループ企業が提供する、銀行系ファクタリングであれば、運用元の信頼性が担保されているため、ファクタリングを利用するのが初めてでも利用しやすいでしょう。

億単位の大口債権にも対応している

1億円を超える高額の売掛金の場合、ノンバンク系や独立系ファクタリングでは資金力の問題で対応していない場合もあります。一方で、資金が潤沢な銀行が運用している銀行系ファクタリングでは、数千万円から億単位のファクタリングも可能です。

大企業など、新規事業でまとまった融資が必要なときも、銀行系ファクタリングであれば対応してもらえる可能性が高いでしょう。

利用コストを抑えられる

ノンバンク系や独立系の利用手数料は2社間ファクタリングで10~20%、3社間ファクタリングで1~9%程度とされています。一方、銀行系では、利用手数料は1~5%程度と、他のファクタリング会社と比べコストを抑えられる点がメリットです。

銀行系ファクタリングの場合、保有する情報を元に売掛先の信用度など、懸念事項を事前に入念に把握します。そのためファクタリングが未回収になるリスクを軽減でき、手数料も低く抑えることが可能です。

ファクタリングの種類が多い

ノンバンク系や独立系ファクタリングの場合、取り扱うサービスは買取ファクタリングのみが一般的です。一方で銀行系ファクタリングであれば、売掛金の相当額を保証する保証ファクタリングや事務手続きの負担を軽減できる一括ファクタリング、海外ファクタリングも提供しています。

事業内容や規模によっては、銀行ファクタリングでしか対応できないこともあるでしょう。

銀行系ファクタリングを使うデメリット

銀行系ファクタリングは原則として3社間ファクタリングしか利用できないため、利用には売掛先の了承を得る必要があります。また、手数料は低く抑えられるものの審査難易度が高く、融資まで時間が掛かる点もデメリットです。

ここからは、銀行系ファクタリングを利用するデメリットを見ていきましょう。

2社間ファクタリングは選択できない

前述したように銀行系の買取ファクタリングでは、基本的に3社間ファクタリングしか利用できません。2社間ファクタリングと比べて手数料は抑えられるものの、売掛先の了承を得る必要があります。

了承が得られた場合も、今後の取引に影響が出てしまう可能性はゼロではありません。

審査基準が厳しくファクタリングを受けられない恐れもある

銀行系の場合、ノンバンクや独立系と比べると審査は厳しくなります。売掛先の調査だけでなく、通常の融資同様に利用企業の信用情報も調査されるため、状態が悪ければファクタリングを受けられないかもしれません。

ファクタリングが実行されるまでに時間が掛かる

銀行系ファクタリングでは審査が厳しいだけでなく、ファクタリングが実行されるまで早くて1週間、通常2~3週間程度の時間が掛かります。一方で独立系ファクタリングの場合、最短即日での資金調達も可能です。

ある程度時間に余裕があるときでは銀行系ファクタリングを利用し、なるべく早く現金化したいときには他のファクタリングを利用するのがよいでしょう。

利用情報が親銀行に通知される

銀行の子会社が提供しているファクタリングを利用したとしても、その情報は親銀行にも共有されます。利用履歴は銀行が融資審査を行うとき、企業の信用状態を表す指標である企業の格付けにも影響するため、今後、資金調達にくくなる可能性もゼロではありません。

もし長期間ファクタリングを利用したいなら、格付けに影響する銀行系ファクタリングは避けた方がよいかもしれません。

個人事業主や小口債権には対応していないことが多い

多くの銀行系ファクタリングは、法人や大口債権を対象としています。個人事業主や小口債権のファクタリングは、相談窓口なども設けられていない場合もあるのです。

個人事業主や小口債権の場合は、銀行ではなくノンバンクや独立系ファクタリングに相談しましょう。

銀行系ファクタリングをおすすめできるケース

銀行系ファクタリングの利用をおすすめするケースは、以下の通りです。

 ・大口債権を保有している
 ・審査に時間が掛かっても資金上の問題はない
 ・売掛先にファクタリングの協力を得られる
 ・スポット利用を想定している
 ・融資も選択できるが、可能な限り負債は増やしたくない

大企業などで、ある程度資金が潤沢にあり、融資を選択できるほど信用情報に自信がある場合は銀行系ファクタリングを検討するのがよいでしょう。

また買取ファクタリングだけでなく、国際ファクタリングや一括ファクタリングなどのファクタリングを利用したいときも、銀行系ファクタリングがおすすめです。

銀行系ファクタリングがおすすめできないケース

以下に挙げるようなケースの場合、銀行系ファクタリングよりもノンバンクや独立系など融通の利きやすいファクタリングを選ぶのがおすすめです。

 ・売掛先にファクタリングを知られたくない
 ・小口債権を現金化したい
 ・すぐに資金調達する必要がある
 ・経営が悪化しており審査に自信がない
 ・資金繰りの改善に利用したい

それぞれについて解説していきます。

売掛先にファクタリングを知られたくない

銀行系以外のファクタリングでは、利用者とファクタリング会社の2社間のみでの取引が可能です。3社間ファクタリングと比べて手数料は若干割高になりやすいものの、売掛先に知られることもなく今後の関係性に影響しません。

ファクタリングを利用することを売掛先に知られたくない場合は、銀行系以外のファクタリングを選択しましょう。

小口債権を現金化したい

ファクタリングで、数十万円から数百万円の売掛金を利用したいときは、独立系ファクタリングなど小口債権に対応しているサービスを選ぶ必要があります。銀行系ファクタリングは、大口債権にしか対応しておらず、審査に通過せず利用できない場合もあるため注意が必要です。

すぐに資金調達する必要がある

税金を滞納している、何らかの支払期日が迫っているなど、できるだけ早く資金調達をしなければならないときは、審査の早いファクタリング会社を選ぶ必要があります。独立系ファクタリングであれば、最短で即日の現金化も可能です。

なるべく早く資金調達したい場合は、銀行系ファクタリングではなく別のファクタリングを選びましょう。

経営が悪化しており審査に自信がない

銀行系では赤字経営が続いている、滞納が多いなど、経営が悪化している場合、ファクタリングの審査が通らないケースがあります。債務超過でも利用できる可能性が高い、ファクタリング会社に一度相談してみることをおすすめします。

資金繰りの改善に利用したい

ファクタリングを一時的に利用するのではなく、資金繰りの改善のため長期にわたって利用したいときも、銀行系以外のファクタリングを選ぶのがおすすめです。銀行系以外であれば、ファクタリングの利用情報が銀行に知られることもなく、信用情報などに登録されることもありません。

銀行系ファクタリングの利用には

銀行系ファクタリングは、他のファクタリングと比べて信頼性が高く、手数料が低い傾向になる点などがメリットです。一方で、審査が厳しく実際の入金までに数週間程度は時間が掛かることもあるため、すぐに現金を用意しなければならない場合には適していません。

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