最終更新日:2019年04月02日
Mentor Capitalです。
高額な融資を受けられ、経営状態の改善をはじめ様々なメリットをもたらしてくれる事で人気を博す事業者ローン。
少し前なら本格的な経営を行っている一部の個人事業主、また中小企業経営者などごく限られた方が融資を受けているようなものでしたが、
最近では少額からでも借りられるプランなどが続々と登場しごく身近なものとなってきています。
さて、そんな事業者ローンは個人でも借りる事ができるのでしょうか?
ここでは個人が事業者ローンを申し込む事が可能かどうか、そしてもし可能ならその際に付随する注意点などについて詳しくピックアップしています。
事業者ローンは個人でも申し込みが可能?
先に結論から書いてしまいましょう。
実は高額な融資を受けられる事業者ローンは個人でも申し込みが可能となっています。
しかし、ここで注意して頂きたいのは、個人とはあくまで自身で経営を行う「個人事業主」を指していると言う事です。
事業を行っていない「個人」、すなわちサラリーマンをはじめ、アルバイトやパート、無職の方などは事業者ローンの融資を受ける事はまず不可能です。
厳密に言ってしまえば事業者ローンの申し込み自体は可能なのですが、当然のことながら審査に通る事は無いという意味になります。
事業者ローンの特徴
事業者ローンが個人、つまり個人事業主でも申し込めるという事はわかって頂けたかと思います。
ここからは事業者ローンの特徴、事業者ローンに申し込む際の流れなどを個人事業主に焦点を当てて見ていきたいと思います。
一般的な融資との違い
通常のキャッシングやローンなどは個人を対象としているのは既にご存じかと思います。
車を買うときにはマイカーローンが、家を買うときには住宅ローンなど個人を対象としたローンには様々なものがあります。
一方、キャッシングに関しても急な出費や生活資金を目的とした少額の融資をはじめとても身近なものとなっているでしょう。
現在ではクレジットカードにもキャッシング機能がついたものが多く、実際に使用した事がある方も多いかもしれません。
これら個人的なキャッシングやローンと事業者ローンの一番の違いは使用用途が異なっているという点でしょうか。
対象者
事業者ローンはその名の通り事業を営んでいる方に向けて作られたローンです。
自身で経営を行う個人事業主、そして中小企業の経営者などが対象となっています。
一方、先ほども述べたサラリーマンやアルバイトなどの「個人」、そして比較的安定した資金力を持つ大企業などは対象外です。
元々金融機関の融資先は大企業が中心となっていましたが、大手の銀行が率先して中小企業への融資へと乗り出した事により、
その融資先は個人で経営を行う個人事業主にまで拡大する事となりました。
すなわち事業者ローンはあくまで収益などを含めた資金力が安定しない方を対象としているのです。
高額な借り入れが可能
事業のための資金を扱う事業者ローンの利用限度額はとても高額です。
ちなみに利用可能額と言うのは利用限度額からこれまでに使用している分を差し引いた額となります。
事業資金という事で基本的には100万円~1,000万円のプランが多いのですが、現在では利用者のニーズを考慮してか100万円以下のプランも多数登場しています。
先ほど「個人事業主」、そして「中小企業経営者」を対象としていると言いましたが、1,000万円までの高額な借り入れが可能という事は、
経営が安定しない方にとっては確実に資金繰りを改善できる可能性があるという事になるのです。
総量規制の対象外
上記で述べた高額なプランが用意されているという事以外にも、事業者ローンは総量規制の対象外という特徴があります。
「総量規制」とは、個人でキャッシングやローンなどを利用する際に年収の3分の1以上を借りる事ができないという賃金業法で定められた法律です。
この法律の適用除外であるため、例えば年収が低いけど事業者ローンの融資を受けたいと思っている方にもおススメできるのです。
個人で利用する際は「おまとめローン」や「借り換えローン」が総量規制の対象外となりますが、あくまで事業者ローンとは特性が違います。
上記の理由と合わせてプランも幅広いですから、年収や月収が低くとも必ずしも事業者ローンを受けられない事はないということを覚えておいてください。
個人事業主は融資を受けにくい?
個人事業主が資金を借り入れる方法としては、事業者ローン以外でも国が運営する公的事業資金を利用するという方法も考えられます。
例えば、日本政策金融公庫などの金融機関が運営する事業資金が当てはまります。金利が低いことをはじめ、国が運営しているという安心感もあり多数のメリットがありますが唯一のデメリットとしてはどうしても審査に時間がかかってしまいます。
しっかりと書類も準備しなければならない為、実際に融資を受けるのはそう簡単な事ではないでしょう。
一方、事業者ローンならば金利こそ高いものの審査スピード、融資の受けやすさなどの面では公的事業資金より勝っていると言えます。
個人事業主は収入も安定せず、中小企業の経営者などと比べて低収入のケースが多いでしょうからどちらかと言えば事業者ローンの方が通りやすいのは言うまでもありません。
自身の経営状況や今後の予定に合わせてどちらにするか選ぶのが望ましいと言えるでしょう。
個人事業主になって日が浅いけど申し込める?
基本的に個人事業主が事業者ローンに申し込む場合、収入証明書などの各種書類を求められます。
つまり、まだ創業して1年経っていない方は実質借入は不可能となっているのです。
確定申告もまだ終えていない以上当然と言えば当然ですが、これは資金面で困っている個人事業主にとっては非常にデメリットと言えます。
このような状況に陥らないためにも、事業者ローンを申し込む場合は早めに書類等が用意できるよう周到な計画を練っておきましょう。
個人が事業者ローンに申し込む際の注意点
事業者ローンの特徴について一通り理解した所で、ここからは実際に事業者ローンに申し込む際の注意点などについて見ていきたいと思います。
様々な注意点が存在しますが、ここでは必要最低限の情報をピックアップしました。実際に申し込みを考えている方は是非とも入念にチェックを行ってください。
個人事業主に相応しい事業者ローンは?
現在では様々な金融機関が取り扱っている事業者ローンですが、個人事業主は基本的にどの事業者ローンでも利用する事ができます。
大きくわけると、事業者ローンには「銀行系」、そして「ノンバンク」に分ける事ができます。
銀行系は大手の銀行が取り扱っているものの他、子会社が扱うもの、信販会社が扱っているものなどが含まれます。
基本的に銀行系はどの事業者ローンも一度は耳にした事があるであろう企業が運営している為、安心感という面で非常にメリットが大きいでしょう。
ノンバンク系列は預金業務を扱っていない企業の事であり、名前を聞いた事がないような会社も中には含まれていますが、審査スピードの面では銀行に勝っています。
しかし名前を聞いた事がないような貸金業の中には当然ながら悪質なものも含まれている為、事前に調べる事は不可欠と言えるでしょう。
また、借入の方法にも大きくわけると2つの違いがあります。
証書貸付とカードローン
証書貸付は融資を受ける際、「いつまでに何回払いで返済」と初めから決めて行われる融資の事です。
一度融資を受けてしまえば返済が終わるまでは次の借り入れが行えません。
中には半分の返済を終えた時点で追加分を融資してもらう事も可能な事業者ローンもありますが、基本的には上記のような返済スケジュールとなっています。
逆に、毎月決まった額を返済していく事になるのですから返済計画は立てやすいと言えるでしょう。
一方のカードローン方式は初めに利用限度額が決定され、その枠で自身に合ったタイミングで借入が行える方式となっています。
現在ではその利便性から、ノンバンク系列に多いカードローン方式が人気となっています。
特に個人事業主にとってはいつでも気軽に利用ができるカードローン方式はメリットが多いのです。
しかし一般的なキャッシングと同じく残高スライドリボルビング払いが使える為、使い方によっては返済が滞ってしまうリスクが高くなる方式です。
返済計画を立てる
どのような事業者ローンを選ぶにしても、今後しっかりと返済を行っていけるかは考えていかなければなりません。
証書貸付ならばそれほど悩む事はないでしょうが、問題なのはカードローン方式です。
カードローン方式は一般的なキャッシングと同じような使い方ができる為、無計画に使用するとすぐに返済が難しくなってくるのは間違いありません。
また、返済方式も「元利均等返済方式」「元金返済方式」「元金一括返済方式」、そして「リボルビング方式」など様々なものが存在しています。
これだけ見ると金額こそ違えど一般的なキャッシングとほぼ同じ返済方式を取っている事が分かって頂けると思います。
このような方式を取っている為、カードローン方式で融資を受けた方は危機感が薄れ証書貸付を選んだ方よりも返済が滞ってしまう可能性が非常に高いのです。
契約内容をよく理解しないまま返済計画を立ててしまうのは危険な事です。
自身の経営状況をしっかりと分析し、確実な返済計画を立てるようにしましょう。
事業者ローンのリスク
事業者ローンにも様々なリスクが存在していますが、最も気を付けておかなければならないのは金利です。
低いもので5%、高いもので18%まである事業者ローンのリスクですが、基本的には融資を受ける金額が高額であるほど低くなるようになっています。
これは銀行系やノンバンクをはじめどの事業者ローンも同じです。
中小企業経営者ならまだしも比較的収入の低い個人事業主なら低金利になるほどの金額を借り入れる事は難しいでしょうし、それに比例して金利は必然的に高くなります。
仮に100万円を年利18%で借りるとなると、年間だけでも18万円もの手数料が発生している事になります。
この場合月の利息は1.5%、支払う金額は1万5千円です。
100万円となると一般的には上限である18%になる事はまずないのでしょうが、例えとしてみても手数料は高額になるのがお分かり頂けるかと思います。
資金繰りや経営状態を改善するのを目的として事業者ローンを借りたのに、逆に悪化する事になってしまっては元も子もありません。
なるべく金利が安い事業者ローンを利用するのも一つの手ではありますが、返済計画と同じく必ず経営状況の分析を行うようにしましょう。
確実に融資を受けるなら
事業者ローンの融資を受けるために、事前の準備が必要だということは上記で何度かご説明させて頂きました。
では、その可能性をより確実なものとするためにはどのような準備が必要なのでしょうか。
個人事業主になる前から準備する
これは現在サラリーマンや学生だけど、これから個人で仕事を行っていきたいと思っている方向けの方法です。
事業者ローンは収入証明書や確定申告書が必要不可欠となりますが、提出する事を前提として事業を開始したならば慌てるような事はまずないでしょう。
こういった必要書類は自発的に準備する事で審査の通過率をアップする事にも繋がります。
事業を行う際の収益の計算方法などを学んでいくとともに、確定申告など今後自分が行う事になる情報を事前にチェックしておくことも必要です。
業歴を伸ばす
最低でも1年から2年に満たなければ提出する書類の関係で事業者ローンの融資を受ける事は不可能です。
逆に言えばそれくらいの業歴があれば事業者ローンを受ける事ができるということになるのですが、融資を断られてしまったという方も中にはいます。
その場合収入が基準に満たなかった場合が理由として多いのですが、これは業歴を伸ばす事で解決できる可能性があります。
例え収入が基準に達していなかったとしても、継続して安定した収入があるのなら事業者ローンが融資される可能性はゼロではありません。
収入を安定させたまま、2年以上継続して業歴を伸ばしていく事で過去に融資を受けられなかった事業者ローンを通過できる可能性が飛躍的に高まるでしょう。
自身の信用情報を見直す
これまでにクレジットカードのキャッシングなどで遅延を発生してしまったりしていると、
確実に融資を受けられるはずだった事業者ローンにも通過しなくなる事があります。
これは国の信用情報機関にキャッシングやローンなどの履歴が残ってしまっている為です。
CICやJICCなどの信用情報機関には、キャッシングやローンなどの経歴が最低でも3年~5年は残っています。
信用情報は自身で開示する事ができますので、気になる方は一度確認をしておくと良いでしょう。
また、悪い情報であった場合でもある程度期間をおけば再び改善される事もあります。
最後に
いかがだったでしょうか?
事業者ローンは個人事業主でも申し込め、なおかつ高額な融資が期待できるものです。
実際に申し込む段階になってみるとその複雑さや契約内容から個人事業主には少々ハードルが高く感じてしまうのかもしれません。
しかし、方法さえ間違っていなければ自身の事業に多大なるメリットをもたらしてくれるのは間違いないのです。
これから事業者ローンを利用しようと考えている個人事業主の方は、是非とも自身にあった適切なプランを検討して頂きたいと思います。
いかがでしたでしょうか?
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