最終更新日:2018年09月04日
Mentor Capitalです。
今回は、日本政策金融公庫の融資審査について解説したいと思います。
日本政策金融公庫利用の大きなメリット
日本政策金融公庫は政府が100パーセント出資している金融機関です。つまり、国のお金で運営している金融機関です。
日本政策金融公庫利用のメリットは何よりも、国が運営しているという安心感にあるといえます。
金融機関はどなたもがご存知の大手の銀行から、いわゆる街金と言われるものまで数多くあります。
しかし、国が出資して運営しているということは少なくとも、暴利を貪られるなどの不安要素はゼロと言って間違いがありません。
そして、返済計画通りに返済をすることで信用を得ることが出来れば、半永久的に安心して取引ができる借入先を確保できるということにもつながります。
あえて日本政策金融公庫のデメリットを挙げるとするならば、いわゆる風営法上の営業(キャバクラ・クラブなど)については融資の対象とならないなど、
一般の金融機関よりも「お堅い」面があるということが挙げられます。
また、国の金融政策の変更があれば、有無を言わさず従うことになります。
しかし、金融機関は「少し真面目過ぎる面もあるけれど、安心して付き合うことができる」くらいの方が長く付き合っていく上では現実的な感覚ではないてせしょうか。
このように日本政策金融公庫の利用のメリットは、国が出資者として運営しているという安心感が極めて大きいということに尽きるといえます。
【秘訣 其の一】日本政策金融公庫の役割を把握する
さて、安心して取引ができる日本政策金融公庫ですが、実際に融資審査を通すためにはいくつかのコツがあります。その第一のコツは日本政策金融公庫の役割を把握することにあります。
すなわち日本政策金融公庫は、国が出資を行って運営されている金融機関なわけですから「国民の税金を運用して融資を行っている」という点を心に留めておくことが重要になりす。
融資の元手となっているのは、我々国民が働いて国に収めた「血税」であり、その血税を「この会社に貸すことでさらに国の発展に役立つ」と判断をしたからこそ融資を実行するのです。
そのため日本政策金融公庫の職員は、血税を利用して融資をおこなうという意識を持って業務にあたっています。
そのため、借り手の「人間性」と「財務能力」についてしっかりと把握してきます。
その一例として、日本政策金融公庫の融資においては、ほぼ間違いなく事業主(社長)との面談を設けています。
税理士や行政書士など融資のコンサルタントを専門としている専門家に計画などを依頼していたとしても、最低限1度は社長と面談を行います。
これは「人柄は大丈夫か」「しっかりとお金を管理する意識があるか」など、いわば経営上の人間性をチェックするためのものです。
日本政策金融公庫の役割は国民の血税を有益に使ってくれる事業主に貸すことで、さらに国の発展に役立ってもらうことにあります。
そのため、どれほど完璧な事業計画であっても、回収を危ぶむ判断(例えば事業主の方がお金に無頓着で放漫経営のおそれがあるなど)がされれば融資審査は難航します。
血税を使って融資を行っているという、国民政策金融公庫の役割を事業主ご自身がしっかりと把握されることがまずは何よりも大切です。
【秘訣 其の弐】自己資金の潤沢さ
次に、日本政策金融公庫の融資審査を通す秘訣は、自己資金が多いことです。
少なくとも望む融資額の3分の1は元手がなければ「お話にならない」ということになります。
可能であれば2分の1は用意したいところです。
融資審査にあたっては当然事業計画書を作成することとなりますが、なにか事業を開始する(あるいは展開する)ために、
お金を貯めているということは、日本政策金融公庫の方からすれば、非常に信用に値するという判断となります。
例えば、新規に「地元で飲食店を展開したい」と思われて、そのために、コツコツと必要資金の3分の1から半分程度を貯めるという誠実さは、客観的信用に値するということとなります。
そのため、事業目的のために、自己資金がどれほどあるかということが綿密な事業計画よりも重視されるのが現実です。
「事業計画だけではなくそれに見合うだけの先立つもの」を用意するということが重要です。
【秘訣 其の参】返済計画の正確性
自己資金とも関連しますが、事業計画において、確実に返済ができるという計画を立てるという点が重要です。
事業開始(あるいは展開)においては、事業での売上計画に意識が行ってしまいがちです。
これは、事業をすすめていかれる上で当然ことです。
しかし、貸し手である日本政策金融公庫からすれば、税金を貸し出すわけですから、返済計画については二重三重に計画をしてくれているということが審査の上で重要となってくるわけです。
当然のことながら売上がいくらあっても、経費や税金が発生しますので、売上が高いことが必ずしも返済に役立つと言えるわけではありません。
日本政策金融公庫に提出する事業計画においては、利益を減らしてでも、返済を最優先にするほどであることが望ましいということができます。
ありていにいえば、貸し手である日本政策金融公庫の立場にたって、返済を絶対にするという事業計画を立てるということが融資審査を通すためのコツということができます。
もちろん、保証人、物的担保などがあればそれに越したことはありません。
■まとめ 日本政策金融公庫の賢い利用の仕方
以上、日本政策金融公庫を利用されるにあたっては、
「事業主の方が経済的に信用に値すること」
「自己資金をしっかりとコツコツ貯めることができること」
「返済は絶対にできるという事業計画を立てること」が秘訣となります。
決して難しいことはなく、いわば「当たり前」のことを実行するということが、日本政策金融公庫の利用に当たっては何よりも重要となります。
なお、事業計画や財務の計算などについては、融資支援を専門としている行政書士や税理士などに相談、計画書作成の依頼などをされることもおすすめできます。
これら行政書士や税理士で融資支援を専門としている専門家は、現時点で融資を受けることが難しい場合であっても、
どのような点を直していけば後日、再融資の申し込みが可能かなどのノウハウを教えてくれる専門家も少なくありません。
また、日本政策金融公庫の良い点として、非常に融資のメニューが多彩です。
つまり、「A」というタイプの融資を受けることはできなくても「B」というタイプの融資であれば可能であるという場合もあります。
メニューが多いのも日本政策金融公庫の特徴です。メニューを専門家や日本政策金融公庫の窓口で熱心に検討、相談するという姿勢も、高評価となりえます。
最後に、当初の話に戻りますが、日本政策金融公庫は国民の税金を使って、国の発展に役立つ事業をしてくれることを期待して、事業主の方に融資をするものです。
日本政策金融公庫を利用するということは、周りの方の税金を使わせてもらっているという意識をもって融資を受けて事業に臨まれることで、自然と人に喜ばれる事業展開となるということができます。
日本政策金融公庫の利用の最大の秘訣を、一言でまとめるのであれば、「誠実であること」ということが言えるのではないかと思われます。
日本政策金融公庫は多くの事業で利用可能ですので、どうぞご検討されてみて下さい。
いかがでしたでしょうか?
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