最終更新日:2018年03月28日
Mentor Capitalです。
今回は手形割引をする際の。押さえるべきポイントについて解説したいと思います。
資金繰りをする中で、受け取った手形を割り引きする企業もあると思います。
この手形を割り引く金融機関を真剣に選んだことはあるでしょうか?
割引手形とは?
通常取引をする際には売り手と買い手がいます。
売り手が買い手に商品を渡し、その場で買い手が売り手に現金を支払えばそれで取引は完了しますが、
企業の場合〆日と支払日が決まっていて、その場で現金取引をしない企業も多くあります。
その際、〆日から支払日が長い場合に、現金の支払の変わりに約束手形で支払う場合があります。
約束手形とはいついつまでにお金を支払いますと約束が書かれた有価証券で、
現金同等物として取り扱われるため現金の変わりに支払に使ったり(裏書手形)、
手形を担保にお金を借りたり(割引手形)などに使用することができ、支払サイト(〆日から支払日までの期間)が長くても、
受け取った人は裏書きしたり、割引したりすることができるので、古くから重宝されてきた支払手段となります。
買い手(=支払者、手形振出人)が約束手形を降り出した時点で、
買い手から見て約束手形は支払手形となり、売り手(=受取者、手形受取人)から見て約束手形は受取手形となります。
受取人(=売り手)は約束手形に書かれた支払期日(=満期)まで手形を持っていれば、
満期以後に指定の金融機関に持ち込めば、額面通りの金額をもらうことができます。
満期まで持たず、何かの支払に現金の代わりに使った場合には、裏書手形となります。
この場合、A社→B社→C社→D社などと、どんどん裏書きされていくこともありますが、
最終的に持っていた人が満期日後に金融機関に持っていった人が、額面の金額をもらえます。
一方、割引手形とは、支払の代わりに使うのではなく、手形を担保に金融機関からお金を借りることをいいます。
この場合、割引をした日から満期日までの金利を割り引いた金融機関に支払う必要があります。
これを割引料といいます。
(割引時に割引料を差し引かれた金額になる場合と後から支払う場合があります。この場合通常通帳引き落としです。)
手形割引をする金融機関の選び方
手形の割引は、基本的には金融機関にとって手形を担保に貸付をし、
満期日がきたら一番最初の振出人から額面の金額が振り込まれるので、融資に比べると審査が簡単になっている傾向があります。
また買戻し特約というものが結ばれてあり、振出人が支払えない場合には割引人が手形を買い戻す、
つまり返済する義務があるので、自動的に振出人に割引人(裏書人がいれば裏書人も)を保証人にしたようなものなので、
回収不能になるリスクが通常融資より低いので、積極的に取り組んでいるようです。
だからこそ、金融機関を選ぶ余地があるので、慎重に選んでもらいたいと思います。
融資のない金融機関を選ぶ
融資を受けている金融機関を手形の割引先にすると、不測の事態の際に融資だけでなく手形の割引も出来なくなってしまる可能性が高くなります。
例えば、月の返済額の変更、つまりリスケジュールをお願いした場合などです。
リスケジュールをお願いするということは、当初の約束通り返済できない会社という意味ですから、
信用を著しく失い、新規の借入や手形の割引などができなくなるケースがたくさんあります。
しかし、融資を受けていない金融機関であれば、その金融機関からの信用は失っていませんので、
仮に他の金融機関でリスケジュールをしたとしても、手形割引は継続できるわけです。
担保のある金融機関では割引をしない
担保がある金融機関で割引手形をした場合、いざ資金に困って担保を利用してお金を借りたいと思っても、
割引手形で使用している分の担保力は差し引いた額しか借りれない可能性があるからです。
で、あれば担保のない金融機関を割引に使用して、担保の担保力を丸々活かすことができる状況を作っておくことが、リスクヘッジになります。
複数の金融機関に割引枠を持つ
前回の複数の金融機関と付き合うメリットと注意点と同様ですが
、割引手形も割引料など金融機関によって違いがありますので、金融機関同士一定の競争をしてもらうことが企業にとっては必要です。
また、1つの金融機関が割引枠を縮小させたり、廃止したりした場合のリスクヘッジにもなります。
あまり割引手形をどの金融機関でするかとか、倒産防止共済の支払口座をどこの金融機関にするかとか、
はたまた日本政策金融公庫の融資の返済口座をどうするかとか、あまり考えることがないと思います。
いかがでしたでしょうか?
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