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売掛金回収不能のリスクにはどう立ち向かうべき?必須の知識と対応策まとめ

最終更新日:2021年08月06日

 

 

Mentor Capitalです。

 

 

今回は、売掛金回収不能のリスクについて解説したいと思います。

 

 

 

 

 

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売掛金が回収不能になる事態は、経営者であれば何としてでも防ぎたいものです。

しかし、取引先の倒産や詐欺などによって回収不能なお金が発生する可能性があるだけでなく、時効によって回収できなくなるケースもあります。

リスクをゼロにすることができないからこそコントロールする必要があり、回収不能になる前に1円でも多く回収していく必要があります。

取引相手の経営状態のチェックが必要になるケースもあるため、金額によっては取引をして良い相手かどうかも考える必要があるのです。

 

 

 

 

【実際に売掛金が回収不能になるケースとは?】

 

実際に売掛金が回収不能となる代表的なケースは、取引先の倒産です。

会社の更生計画や再生計画が認可されれば売掛金が回収できなくなる恐れがあります。

また、特別清算に関わる協定の認可や、債権者集会の行儀などの結果回収が不能になるケースもあります。

いわゆる法律上の貸倒で、状況の改善自体が難しいのが特徴です。

売掛金には時効が存在するため、時効が来る前に回収が必要であることにも注意が必要です。

取引相手の資産価値の低下などにより、事実上の貸倒となるケースもあります。

差し押さえなどをおこなっても、回収できる金額よりも弁護士への依頼費など各種費用の方が高くついてしまえばマイナスの方が大きくなります。

売掛金に対して取立ての費用が大きい場合は実質的な回収不能となります。

形式上回収不能と判断されるケースもあります。

詐欺などにあってしまい、取引停止をしてから1年以上売掛金が回収不能な状態が続けば、売掛金を貸倒金として計上できるようになります。

詐欺をした相手が捕まるなど状況が好転すれば一部は回収できる可能性がありますが、主体的な行動ができないのがネックです。

売掛金が回収不可能になることを防ぐためには、取引相手がしっかりと商品などの代金を支払える状況であるのか、信頼できる相手であるのかチェックすることが大切です。

自社で取引相手の与信状態をチェックするほか、専門企業などに調査を依頼した上で取引を行う企業も存在します。

ただし、金額に対してどの程度のリスクが発生するかを読み取るのが難しく、各種保険などが活用される理由にもなっています。

 

 

 

 

【売掛金の回収不能に備えるのは基本になっている】

 

売掛金が回収不能になるリスクを完璧に予測することは不可能で、リスクを避けようとする余りに収益を上げられなくなってしまえば本末転倒になってしまいます。

そのため、保険などの制度を利用しつつリスクに備えることが一般的になっていて、供えがしっかりしているかどうかで経営の安定性が大きく変わることがあります。

最も有名な手段が「中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)」の加入です。

通称「倒産防(とうさんぼう)」は取引先の倒産などにより中小企業が連鎖倒産などをすることを防ぐための共済制度です。

売掛金が回収不能になった場合や取引相手が倒産に追い込まれた場合は資金の借り入れを行うことができるため、時間的な猶予を作ることが可能になります。

注意したいのはあくまで借入であり、返済をしなければならないという点です。

損失を埋め合わせてくれる仕組みではないため、リスクを無視して取引相手を拡大するといった方針で利用することはできないのです。

売掛金が回収不能になった場合に備えるための保険も存在します。

一つが各種損害保険会社が提供する取引信用保険です。

取引先を包括する形式で契約するのが一般的で、取引相手の信用状態によって保険料が変化します。

もう一つが保証ファクタリングです。

取引先の包括契約ではなく個別契約が可能なのが一般的で、スポット的に活用ができる契約も存在します。

ただし、取引信用保険よりも割高になってしまうケースも存在するため、状況や予算に応じた調整が必要になります。

また中小企業向けの取引信用保険に似たサービスも次々と誕生しています。

取引信用保険は契約が大掛かりになることが多く、中小企業には費用負担が重い場合や、保障の割に合わないケースも存在しました。

改善は進んでいるものの、より低い掛け金で利用できるサービスなども誕生しています。

企業の経営規模とリスクに応じてサービスを使い分けることや、備えることは非常に重要なのです。

 

 

 

【売掛金には時効が存在することにも注意】

 

売掛金には時効が存在し、時効を過ぎた上で債権者が時効を主張すると回収不能になってしまいます。

時効も法律上定められたものであるため、時効が来る前に回収することは非常に重要になってきます。

また、時効は中断させることも可能になっているため、どうしても回収ができない場合は先手を打っておく必要があります。

まず知っておきたいのは、売掛金は内容によって時効が異なる点です。

時効は民法や商法によって売掛金の種類ごとに分別されていて、時効が長く設定されているものも短く設定されているものも存在します。

最も短いのが運送代、宿泊費、飲食店の1年です。

次いで弁護士報酬、商品の売掛代金の2年、医者の診療報酬と工事の設計、施工等の工事代金債権の3年が続きます。

その他の取引は5年が時効となっていて、取引から時間が過ぎれば回収が不可能になる目安になっています。

時効を理解するためには、期間だけでなく権利もセットで考える必要があります。

まず、債権者が時効を訴えない限り請求権は継続されます。

時効を過ぎたものであっても債権者が払い続けるという選択を行うこともあるのです。

また、支払いが遅れた際なども時効の前に期日を決めて支払うということに同意させている場合は時効を中止することができます。

これは債務の承認といわれ、時効ではなく相手の同意の方が優先されるようになるためです。

いざ裁判になったときにも証拠になる情報になるため、書面でのやりとりで相手にハンコをもらう、

電話口の口約束でも録音して証拠にする、メールの文面を保存しておくなど、工夫をするのがおすすめです。

裁判や差し押さえ、仮処分で時効を中断させることも可能です。

時効を前に裁判などを起こせば、裁判や仮処分などの内容が優先されるからです。

また、支払いを促す催告を行うことで6ヵ月の猶予時間を作ることができます。

時効が間近な場合は内容証明で催告を行い、回収の見込みが立たない場合は裁判などを検討するなど段階的な手続きも可能になるのです。

 

 

 

【実際に売掛金が回収不能になった場合の会計処理の違いにも注意】

 

売掛金が回収不能になる事態は可能な限り防ぐ必要があります。

しかし、実際に発生してしまった場合は会計に反映させ、少しでも税金の発生を防ぐ処理が必要になります。

売掛金が回収不能になった場合は貸倒損失として損失を計上可能で、不要な課税を防ぐための重要な処理となります。

更正計画認可や再生計画の認可などの倒産が発生した場合は、切捨額や免除額を貸倒損失に計上します。

全額が貸倒になるわけではないのがポイントで、回収が進んでいる場合は金額も少なくなります。

相手の支払い能力がない場合は全額を貸倒損失として計上するケースもあります。

最も避けたい事態ではありますが、発生してしまった場合はしっかりと全額を損失に入れたいポイントになってきます。

一定期間取引停止後の弁済がない場合は、備忘価額1円を残して、貸倒損失を計上することができます。

具体的には売掛債権で、取引停止後1年以上経過した場合や、売掛金よりも取立費用のほうが多くかかる場合などです。

ただし、貸付金などの債権は分類が異なるため、会社の会計基準に順じて計上する必要があります。

 

 

 

【適切なリスク管理方法は企業規模でも異なる】

 

売掛金が回収不能になるリスクはどんな企業でも存在し、いかに防ぐか、発生した場合はダメージを最小限に抑えるかが重要になります。

ただし、企業規模や資本の関係で取れる対策が限られるケースも多く、企業規模などによっても最適な対策が変わります。

また、取引が高額である場合や依存度が高い場合ほど慎重な対応が必要なため、複数の手法を組合せて対策をした方がリスクを軽減することができます。

大前提となるのが、売上げを100%回収することはほぼ不可能だということです。

業種や経営内容によるものの、売掛金を100%回収しようとすれば事前の調査費用などで割があわなくなる可能性が高くなります。

保険などをかければ維持費などがかかるため、経費が膨らむ原因にもなります。

ある程度の損失が発生することを前提に、どの程度のリスクを許容できるか考えることも大切です。

あらかじめ企業ごとに与信枠を設定し、与信枠を超えた取引は行わないようにする企業も多くなっています。

度々支払いが遅れる場合や、企業規模に対して取引額が大きい場合は注意が必要になるため、事前に取引相手に通知をして調整する場合もあります。

会計の感覚は事業者によって異なるため、感覚のすりあわせるためにも重要になるのです。

また、調査会社や専門家に任せても、粉飾決済でだまされるケースや、数字を読み誤るケースもあります。

調査に時間をかけすぎれば商機を逃してしまう可能性もありますので、調査にかける時間やコストからどの程度リスクがあるかを読み取るセンスが求められます。

リスクが大きいと感じた場合はピンポイントで保証ファクタリングなどを利用するなど、組み合わせで考えた方が全体的な収益が底上げされる場合もあります。

保険料の負担が重い場合や、事業資金の確保を早急に行いたい場合は保証ファクタリング以外のファクタリングを利用する方法もあります。

買取型ファクタリングは売掛金を債権化し、ファクタリング業者に売却することで現金化が可能になります。

手数料が引かれるものの、リスクがある業者の売掛債権を早めに手放してしまうという考え方も可能です。

買取型のファクタリングの場合は取引相手の信用情報などで金額がかわる場合もあります。

余りにも価格が下がりすぎる場合は信用がない取引相手だと判断し、取引割合を下げていくということも可能になります。

買取形式のため継続的に費用がかからないのも魅力で、資金不足のためにスポット的に使われるケースもあります。

売掛金の譲渡として専門業者以外に売掛金を売却することも可能ですが、登記の手続きが必要であること、回収が不可能になった際にトラブルになりかねないことに理解が必要です。

また、企業規模が大きくなり資金的に余裕がある場合は取引信用保険の方がメリットが大きくなることもあります。

事務的な負担を考えた上で選択することも重要です。

 

 

 

【少額の訴訟の場合は数千円で回収が可能なこともある】

 

売掛金が回収不可能になるのを防ぐためには、回収の手段を増やすことも重要です。

特に法律に関する知識は重要で、60万円以下の金銭の支払いを求める少額訴訟など特殊な事例についても知っておくとプラスになります。

全ての売掛金が回収不可能である場合や、訴訟などにお金がかかりすぎる場合でも、一部だけの支払いを求めることも可能なのです。

少額の訴訟であれば弁護士などを挟まずに起こすことも可能で、費用は数千円単位で済むケースもあります。

もちろん、少額でも訴訟を起こせばさらに追加で支払いを求めることができなくなるなどリスクがあるものの、

どの様な方式でどの程度の費用がかかるのか、どの程度回収できるのかは知っておく必要があります。

相手に資産があっても、債権者が多すぎて差し押さえなどが難しいケースもあります。

先手を打って差し押さえをしないと競走になる可能性もあるため、どの程度相手に猶予を与えるのか、信用するのかで回収できる金額が大きく代わるケースもあります。

信用の置ける取引先を確保するために支払いを厳しく求めないというのは一つの選択肢です。ただし、それで自社の経営が危うくなるという自体は絶対に避けなければならないのです。

 

 

 

【最後に】

 

売掛金が回収不可能になることを防ぐための様々な努力は必須で、万が一に備えて保険に入るなど様々な工夫をすることも可能です。

ただし、保険の加入などはタダではなく、リスクを平均化する手段にしか過ぎないのがポイントになります。

与信枠の設定や一つの取引先に依存しないような経営体制を整えた上で、早めの回収などを心がけながらリスクをコントロールしていくことが大切なのです。

 

いかがでしたでしょうか?

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