最終更新日:2021年10月22日
Mentor Capitalです。
今回は補助金・助成金について解説したいと思います。
起業前、そして創業の初期段階では実績も少なくベンチャー企業や中小企業にとって金融機関からの融資を受ける事は難しいのが現状です。
そういった方達にとって、一定の要件さえ満たせば受給する事が出来る国や自治体が運営している補助金・助成金はありがたいものでしょう。
ここでは国内に存在する補助金と助成金の中から、創業時に活用できるものをピックアップしてご紹介したいと思います。
2017年度から2018年度内に利用できるものを厳選してご紹介しますので、是非チェックしてみて下さい。
企業の事業資金として活用できる「補助金・助成金」
国や自治体などが募集や支給を行っている補助金と助成金。
不正に受給した場合などは除きどちらも返済不要の資金である事から、特にベンチャー企業や中小企業から注目を集めている事業資金です。
起業や創業そのものではなく何らかの事業を対象とした補助金・助成金が多く、受給するためには一定の要件を満たす必要性があります。
一部を除き、補助金と助成金はどちらも基本的には要件を満たした後に支給が行われる「後払い」です。
このため、補助金・助成金を事業資金として利用したい場合はなるべく早い段階から準備を行う必要があると言えます。
起業や創業の際に利用する事ができる補助金・助成金は国だけでなく全国に存在する自治体や民間団体も取り扱っています。
数も非常に多いため、きっと自社の事業に相応しい補助金・助成金を見つける事ができるはずです。
補助金・助成金を受ける際の注意点
・補助金は採択されない可能性もある
返済不要である事・主に事業を対象としているなど、補助金と助成金はどちらも似たような性質を持っています。
しかし、助成金と比べると補助金の受給までのハードルは非常に高くなっています。
これは助成金が要件さえ満たせば基本的に受給する事ができるのに対して、補助金は採択される企業の数に上限を設けている為です。
補助金の中でも特に人気や知名度が高いものとして「創業補助金」がありますが、
中小企業庁の公開している平成28年度「創業補助金」の採択結果を見ると2,866件の応募の中から選ばれた企業は136件となっています。
人気の高い補助金ほど応募する企業も多くなっており、確実に受給するためには長い準備期間と努力が必要なのは間違いありません。
「平成28年度 創業補助金採択結果」
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sogyo/2016/160620Sogyo.htm
・募集がすぐ終了する可能性
基本的に補助金と助成金は期間ごと、または定員を設けて公募を行います。
特に補助金には募集定員を設けているものも少なからず存在しており、例え所定の期間内であっても早期に締め切りを行う可能性があるのです。
ただし、早期に締め切られる可能性があるとは言え毎年募集される期間が大まかに定まっている補助金の方が多いのは間違いありません。
利用を検討している補助金がいつ募集されていたかは募集団体のホームページ等で確認を行う事ができます。
募集の時期が来たら、なるべく1か月前にはホームページ等をチェックするようにして対応するのが良いでしょう。
国内で申請可能な補助金・助成金の一覧(2017-2018年度最新版)
ここからは国内で申請する事が出来る補助金・助成金を、対象としている地域別にご紹介していきます。
補助金・助成金の情報は【名称/募集している機関】で掲載。なお、全国で募集されている補助金・助成金の数は非常に多いため、ここでは注目度の高いものだけを厳選しています。
より地域に特化した補助金・助成金を知りたい方は、後でご紹介する「補助金・助成金の情報を集める」でチェックして下さい。
・【全国を対象とする補助金・助成金】
【地域経済循環創造事業交付金/総務省】
地域の資源と資金を活用し、地域密着型企業の立ち上げを支援する交付金です。
既に金融機関から何らかの融資を受けている事が条件となり、事業化段階の費用を都道府県や市町村が助成する場合に支給されます。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/a01gyosei05_161101_00006.html
【創業・事業継承補助金/中小企業庁】
一般的に「創業補助金」と呼ばれるもので、創業の際に利用される補助金としては知名度もトップクラス。創業や第二創業、事業継承の際に使用した費用の一部に対して支給が行われます。
上記でも御ご説明した通り、毎年多くの企業から応募が集まります。募集時期は毎年異なっていますので、HP等で情報を逐一チェックした方が良いでしょう。
http://sogyo-shokei.jp/sogyo/download.html
【ものづくり補助金/中小企業庁】
平成24年の補正予算から始まったものづくり補助金は、正式名称を「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」と言います。
設備投資や試作品の開発を行う中小企業、小規模事業者などが対象となっていますので、創業後間もない段階などでの利用が適しています。
https://www.chuokai.or.jp/hotinfo/28mh_koubo_2016nov-.html
【小規模事業者持続型補助金/中小企業庁】
卸売業・小売業、サービス業・製造業など、小規模事業者を対象とした補助金です。地域にある商工会議所の指導が受けられるなど、補助金が交付される事以外にもメリットを持っています。
上記の「ものづくり補助金」と同じく、創業後間もない段階での利用が適していると言えるでしょう。
https://www.jizokukahojokin.info/
【自立就業支援助成金(高年齢者等就業機会創出助成金)/厚生労働省】
45歳以上の高年齢者3人で共同創業する場合に申請する事が出来る助成金です。企業設立後に高年齢者等を雇い入れる必要があるなど、受給の要件は多くなっています。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/b02-5.html
【子育て女性起業支援助成金/厚生労働省】
現在子育てを行っている女性が新たに起業を行い、人材を雇い入れる際にかかった費用などを対象とした助成金です。
12歳以下の子供と同居している事、有効求人倍率が全国平均を下回る地域に住んでいる事など多くの要件を満たす必要があります。
【UIJターン創業・雇用促進補助事業/新潟市】
県外から新潟市に移住し、創業を行う者を対象とした補助金。新潟市に限定されている事もあり要件は他の補助金などと比べると比較的少なくなっています。
このように地域活性化を目的とした補助金は全国各地に存在しています。
【茨木市創業促進事業補助金/大阪府茨木市】
これから茨城市内で創業を行う個人、または中小企業を対象とした補助金。創業のために必要な準備を行っている事などが条件となり、県外からの移住者も対象としています。
上記の「UIJターン創業・雇用促進補助事業」と同じような補助金と言えるでしょう。
【ふるさと起業・移転促進事業助成金/兵庫県】
県外での職業経験を活かし、これから兵庫県で起業を行うものを支援する助成金です。助成金ではありませんが「ひょうごチャレンジ企業支援貸付」の同時申請も受け付けており、
受給する事が出来れば起業に必要な資金を十分に確保する事が出来るでしょう。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr10/furusatokigyou.html
【加古川市企業立地促進奨励金/兵庫県加古川市】
加古川市内に工場等の設置を予定している企業を対象として支援。奨励金という名が付いているため分かりづらいですが、返済の必要が無い事からこちらも補助金・助成金の一種であると言えます。
【企業誘致奨励金/秋田県美郷町】
秋田県美郷町で事業所の新設や増設を行う方を対象とした奨励金です。こちらも上記「加古川市企業立地促進奨励金」と同じく補助金・助成金の一種となります。
http://www.town.misato.akita.jp/shokougyoukeiryou/
【中心市街地商業集積事業補助金/福島県須賀川市】
須賀川市内の中心市街地にある、空き店舗等を利用した創業で申請できる補助金です。
補助金の対象となっているのは小売業やサービス業であり、補助は家賃や改装費用に対して行われます。
http://www.city.sukagawa.fukushima.jp/3203.htm
・【都道府県や地域を対象とする補助金・助成金】
【クラウドファンディングを利用した資金調達支援/東京都】
クラウドファンディングを利用した創業などの際に受ける事が出来る支援制度。電話などでの相談の他、
クラウドファンディングを利用した際に発生する手数料などに対して一定の補助が行われます。
http://crowdfunding-tokyo.com/
【中小企業ホームページ作成費補助金/東京都江東区】
江東区内に事業所を持つ中小企業に対して、初めてホームページを作成する際の費用を補助します。
補助限度額は5万円となっていますが、受給は行いやすい補助金です。
https://www.city.koto.lg.jp/102020/sangyoshigoto/chusho/hojokin/4643.html
【創業支援事務所等賃料補助金/東京都江東区】
江東区内で新たに事業所を借りて創業を行う際、申請する事が出来る補助金です。
補助の対象は主に事業所の賃料となっています。
http://www.city.koto.lg.jp/102020/sangyoshigoto/chusho/hojokin/80920.html
【京都エコノミック・ガーデニング支援強化事業/京都府】
開業支援から販路の開拓、設備投資まで中小企業の支援をパッケージ型で提供。
事業にもよりますが、支援は100万円~3,000万円という規模の大きいものとなっています。
審査を通過する事が出来れば、事業の成功は確実なものとなるでしょう。
【「企業の森」推進事業/京都府】
独自の強みを持つ企業を集め、その力を結集して地域経済の発展を目指してもらう補助金です。
ものづくりやスマートシティ関連など対象分野が広くなっていますが、申請するためには2社以上の参画が必要になります。
http://www.fashion-kyoto.or.jp/management_information/003105.html
【創業支援事業 空き店舗・空き工場等活用促進事業/京都府京丹後市】
空き店舗や空き工場等を利用して創業を行う起業家を対象とした補助金。
主に製造業、基幹産業、物流関連産業などが中心となっています。
【情報関連産業立地促進事業費補助金/秋田県】
情報関連産業を対象として、新規立地や事業拡大の際に申請する事が出来る補助金です。
秋田県内に本社を有する事が条件となりますが、新たな本社設置も対象としています。
https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/10087
【金ヶ崎町中小企業振興資金利子補給補助金/岩手県】
中小企業が進行育成のために融資などを受けた際、その融資の利子を支援する制度。
直接的な支援ではないという事で、珍しい部類の補助金になります。
【三豊市の企業立地奨励金制度/香川県三豊市】
三豊市内に製造業施設等を設置する場合などに奨励金が支給されます。
その他、コールセンターなどの情報処理関連施設なども対象です。
http://www.city.mitoyo.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=7202
【創業支援補助金/香川県三豊市】
三豊市内での創業の際、地域活性化を目的として支給される補助金。
3年以上継続しての営業が見込まれるもの、週38時間以上の営業を行う事業などの要件があります。
https://www.city.mitoyo.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=11698
【ものづくり創出支援事業(開発の芽育成支援事業)/北海道室蘭市】
室蘭地域の産業資源を利用した起業などで利用する事ができます
。起業を行った後の新分野への展開、技術研修など幅広い内容が魅力です。
http://www.murotech.or.jp/manufacturing/monozukuri
【飛騨市起業家促進補助制度/岐阜県飛騨市】
飛騨市で活動予定の起業家を対象とした補助金です。
拠点を飛騨市としていれば、他の地域への進出活動等も対象となります。
https://map.mirasapo.jp/subsidy/6096.html
【スタートアップ企業支援補助金/愛知県名古屋市】
創業時の経費を対象として支給が行われます。
支給対象は名古屋市内でこれから創業を行う方、創業後5年以内の企業です。
http://www.city.nagoya.jp/shiminkeizai/page/0000080543.html
【府中市企業立地促進奨励金/広島県府中市】
府中市内に既にある企業の事業規模拡大の他、市街から府中市に進出する企業に対して支給されます。
対象となっている産業は製造業や情報サービス業などです。
【庄原市創業サポート補助金/広島県庄原市】
庄原市内での創業、第二創業に対して支給されます。
店舗等設置の他、市場調査の費用なども補助対象に含まれています。
【八頭町起業家支援補助金/鳥取県八頭町】
町内の地域活性化を目的として、八頭町内で新たに起業する方を対象として支給されます。
http://public.joureikun.jp/yazu_town/reiki/act/frame/frame110000998.htm
【起業チャレンジウェルカム支援事業補助金/大分県豊後高田市】
豊後高田市に移住予定、もしくは移住した方が新たに起業する場合必要な経費の補助を受ける事ができます。
https://www.city.bungotakada.oita.jp/page/page_02759.html
補助金・助成金の傾向
中小企業庁や厚生労働省、つまり国が募集を行っている補助金・助成金は基本的に全国を対象としています。
そのため内容は幅広く、一貫しているのは「企業活動を促進し、その結果として日本経済を発展させる」というものです。
一方の地方自治体や民間団体が募集する補助金・助成金はUターン起業や過疎化の解消など、地域の活性化のために支給される事が多くなっています。
これらの傾向を理解した上で補助金・助成金を探すと、より自社に相応しいものが早く見つかるのではないでしょうか。
補助金・助成金の情報を集める
補助金・助成金を受給するためには、なるべく早くから入念な準備を行いスムーズに申請を行う必要性があります。
しかし、募集は決して大々的に行われているわけでは無く、なおかつ事前に情報を知っていなければ申請要件を満たしている補助金・助成金を見つける事も困難です。
時間をかけずに補助金・助成金の情報を集めるには、下記のような専用の検索サイトを利用するのが良いでしょう。
また、募集を行う機関によってはこのような専門サイトに登録されないものもあるため、非常に小規模な補助金・助成金を探す場合は専門書などを活用する必要があります。
確実に補助金・助成金を受給するためにも、是非能動的に動く事をおススメいたします。
「ミラサポ 施策マップ」 https://map.mirasapo.jp/
「Jマッチ」 https://www.jmatch.jp/search.php
「助成金なう」 https://www.navit-j.com/service/joseikin-now/
【まとめ】補助金・助成金の申し込みは早めに!
今回ご紹介したもの以外にも、国内には非常に多くの補助金・助成金が存在しています。
例え「起業時・創業時」という条件に絞ったとしても、国・各都道府県に多くの選択肢が用意されているのです。
要件さえ満たせば誰でも申請する事ができる魅力的な制度ですから、補助金・助成金を利用しない手はありません。
今回のまとめを参考に、是非起業や創業の際に利用できる補助金・助成金を見つけ出して下さい。
いかがでしたでしょうか?
何か不明な点等が有れば、お気軽にメンターキャピタルまでお問合せ下さい!!