最終更新日:2018年02月26日
Mentor Capitalです。
ファクタリングは売掛金を機動的に現金化でき、キャッシュフローの改善に役立ちます。
一方で、利用する業者によって大きく手数料が変わり、最大3割程度の目減りを覚悟しなければならないケースもあります。
手数料はファクタリングの主要なデメリットになるため、活用のためには相場と仕組みを知っておく必要があるのです。
【1.手数料はリスクに比例する】
ファクタリングの手数料は3社間取引で1%から5%程度、2社間取引で10%から30%程度が目安と言われています。
利用するのであれば可能な限り手数料を減らしたいのが利用者の本音であり、可能な限り手数料を上げたいのがファクタリング業者の本音です。
注意したいのは、手数料の基準がどこから来ているかです。
実は手数料の基準は売掛金の回収リスクに比例しており、リスクが高いほど手数料も高くなる傾向があるのです。
ファクタリングは売掛金を債権化し、ファクタリング業者に売却することで現金化する手法です。
担保が不要なため、銀行からの融資に頼らずに資金を確保できるのが大きな魅力です。
しかし、債権を買い取るファクタリング業者は、売掛金の回収先の倒産リスクなどに備える必要が出てきます。
買取という形をとる以上、万が一のことがあっても売却した会社に賠償請求などを行うことはできなくなるのです。
ファクタリング業者は売掛金の回収先を調査することでリスクを低減しますが、自然災害による倒産リスクなども含めた場合は100%回収できるとは言えなくなります。
そのため、あらかじめリスクを織り込んで手数料を設定せざるを得ないのです。
リスクが高い企業を相手に取引をするのであれば、高めの手数料を設定しておけば一部不良債権が生じても利益を守ることができます。
取引の内容によってリスクが大きく変わるため、一律の設定が難しいのがファクタリングなのです。
【2.なぜ2社間取引の手数料は高額なのか】
ファクタリングの手数料は債権回収のリスクの大きさによって変わってきます。
では、なぜ2社間取引と3社間取引で大きくて数量が変わるかと言えば、その仕組みに原因があります。
3社間取引は、売掛金を現金化したい企業と、売掛金を支払う企業、ファクタリング業者の3社が協議の上で債権化を行います。
話し合いの手間が必要なものの、それぞれの責任関係と金銭のつながりを明確にできるため、総合的なリスクを減らすことができます。
ファクタリングを行いたい企業と、売掛金を支払う企業の交渉が主要な部分になるため、ファクタリング業者は手間を大きく削減できるのもポイントです。
その分手数料が割安になり、場合によっては銀行からお金を借りるよりも早期にキャッシュフローの改善に役立てられるのです。
2社間取引の場合は、売掛金を現金化したい企業と、ファクタリング業者の2社間のみで取引を行います。
しかし、ここで信用上のリスクが生じます。売掛金を現金化したい業者が複数のファクタリング業者に権利を売却した場合、
責任関係があいまいになり、お金の回収ができなくなる可能性があるのです。
そのため、債権化した売掛金の情報を登記という形で記録に残す必要が出てきます。
この登記が曲者で、公的な手続きを踏まなければいけないため費用を削減することができないのです。
登記のための登録料と各種印紙代、司法書士への日当などを含めると10万円を超えるのが一般的です。
これが2社間でファクタリングを行う場合に手数料が高額になる理由です。
小額の2社間ファクタリングを行う場合は、手数料の大部分が登記の費用になってしまう場合もありえるのです。
3社間のファクタリングであれば契約書という形で登記の代用できてしまうため、手数料に大きな違いが生まれます。
2社間ファクタリングはスピーディーな現金化が可能な一方で、信用を担保するための費用がかさむのです。
【3.手数料は面談が終わってからわかることが多い】
ファクタリングは見積もりを出してもらっても、実際に面談を行う際に差異が生じる場合があります。最終的な手数料は面談が終わってからわかることが多いのです。
注意したいのが、見積もりを出してもすぐに正確な解答が出きる業者はほぼいないということです。
売掛金を回収するためには、回収リスクの確認のために企業の規模や収益力、与信力などの確認が行われます。
企業規模などである程度の目安をつけることができても、重大な経営リスクが後でわかることは珍しくなく、手数料が大幅に変わる可能性があるのです。
優良企業との取引であれば手数料が下がる可能性もありますが、ケースとしてはまれです。
相手が上場大手などであればそれだけリスクも把握しやすく、手数料のブレ幅も少なくなるからです。
売掛金の回収先だけでなく、ファクタリングの依頼をする企業の体質も手数料に織り込まれる可能性がある場合もあります。
申告に不備があれば信用リスクが生じます。面談時に現状認識の確認を行い、段階に応じて手数料を上げるなどの措置がとられる場合もありえます。
意図的に隠しているリスクなどがあると判断された場合は、ファクタリング自体が拒否される可能性も出てきます。
ファクタリング業者の企業規模によって、受け入れられるリスクの内容も変わります。
蓄積したノウハウも異なるため、手数料が把握しきれないということもありえる点に注意が必要です。
【4.手数料を下げる交渉は可能か】
ファクタリングの手数料は取引の規模や、信用リスクなどの関係で変動します。
しかし、あまりに変動が激しい場合はどうにか手数料が引き下げられないか考えてしまうのが人情です。
実際に手数料を引き下げられるケースはあるため、交渉のためのポイントを理解しておくことも大切です。
まず、手数料相場を理解した上で、ファクタリングの優良会社を選ぶことが大切です。
悪質な業者は資金繰りに困っていることにつけこみ、取引直前になって手数料を引き上げるなどの行為を行うことがあります。
相場や仕組みを知らなければ、断るという選択肢がなくなる場合も出てきます。
業者選びに口コミや、比較情報を活用し、ギリギリの選択にならないように工夫を重ねておく必要があるのです。
売掛先の支払い能力が高くても、手数料は値切れないこともポイントになります。
与信力の高さは手数料にあらかじめ織り込まれているものです。
ファクタリング業者が事前に知っている情報は交渉材料にならず、重要な取引情報などを漏らせば信用問題に関わる可能性が出てきます。
無理をすれば交渉の軸がぶれる可能性があるため、ポイントを絞っていくことが大切です。
わかりやすく手数料を下げるコツは、
安定して手数料収入を得られることがわかれば、ファクタリング業者も譲歩しやすくなります。重要なのは財政を健全化し、余裕を作るまでの筋道を立てることです。
1度の利用で値切ろうとするよりも総合的なバランスを考えることが大切なのです。
合い見積もりの上で交渉を行う方法もありますが、ファクタリング業者にとって受け入れられるリスクの規模や、着眼点は異なります。
わずかな範囲の値引きに対して労力が過大になる可能性もあるのです。
【最期に】
ファクタリングの業者は数多く、それぞれに特徴があります。シェアの大きな優良会社も存在するため、経営の安定している企業から交渉していくのは定石になります。
手数料は仕組みの関係上どうしても下げられないものがあることにも理解が必要です。
特に2社間取引は登記のための固定費が大きくなるため、無理に交渉をしようとすれば常識知らずと捉えられてマイナスになる可能性が高くなります。
取引回数も手数料に大きく関係する要素です。信用を得られれば出費も減らせることを踏まえ、上手に交渉を行うことが大切なのです。
いかがでしたでしょうか?
何か不明な点等が有れば、お気軽にメンターキャピタルまでお問合せ下さい!!