資金調達が必要なのに担保がない!無担保で資金調達を実現する調達手段とは?
最終更新日:2019年01月28日
Mentor Capitalです。
今回は、無担保で資金調達を実現する調達手段について解説したいと思います。
資金調達の必要に迫られているのに予定していた調達先から担保設定を求められ、資金繰りに難航している方は少なくないのではないでしょうか。
担保にできる資産を持たない方にとって刻々と迫る資金調達期限はキリキリと胃が痛くなる厄介な存在です。
無担保融資を行う金融業者は存在しますが、返済計画をたてるのが困難な程の金利の高さに頭を抱えたくなってしまいます。
しかし資金調達手段の中には無担保で資金調達を行えるものも存在しますので紹介します。
【無担保で資金調達が行える金融機関のサービスとは?】
資金調達を融資で行う際、まず銀行が頭に浮かぶ方が少なくないでしょう。
社会性や公共性が高い銀行に対しては公的機関の印象を持ちがちですが、
民間銀行は一般企業同様に営利を目的に運営されるため、万が一融資が回収不能に陥った際の保険として担保を融資条件に求めます。
無担保融資の代名詞!消費者金融のカードローンは資金調達に利用できる?
無担保融資や無担保ローンの響きは個人向け消費者ローンをイメージさせますが、
近年は消費者金融以外にも銀行が提供する無担保のカードローンがあり、利息は消費者金融より銀行のカードローンの方が低く設定されています。
ただ、個人向け無担保融資と呼ばれる金融商品は資金用途を生計費に限定するものが多いうえに、貸金業法の総量規制により利用者の年収の1/3までしか利用できません。
銀行法の規制を受ける銀行のカードローンも自主規制で融資額の上限を貸金業法の総量規制に合わせているので、個人向け無担保融資で事業資金の資金調達を行うのは現実的ではないと考えられます。
無担保で銀行から融資を受け資金調達することも可能?
冒頭で触れたように営利目的で運営される民間銀行は、一般的には無担保融資には応じないと考えられます。
しかしかつての担保至上主義の融資審査から、無担保でも資金調達を求める会社の業績や返済能力を示す決算書や事業計画書の審査へポイントが移行しつつあるのも事実です。
また実際に大企業や業績が順調な中小企業が無担保で事業資金調達を行うケースもあるので、民間銀行からの無担保融資を実現させる可能性が全くない訳ではないとも考えられます。
銀行から無担保で事業資金の融資を受けるための条件とは?
銀行の融資に対する審査ポイントが、担保至上主義から無担保でも資金調達を求める会社の業績や返済能力へ移行するのは喜ばしいことです。
しかし民間銀行が直接融資を行うプロパー融資はハードルが下がったとは言えないのが実情です。
無担保の銀行融資での資金調達は、信用保証協会からの保証を受ける制度融資を利用することで成功しやすくなります。
信用保険協会に対しての保証人が必要となりますので人的担保は必要となりますが、
一般的に担保と考えられる物的担保は無担保でも融資の審査を通過できることから無担保での資金調達手段の1つと考えられるでしょう。
【無担保融資の実現は民間銀行の保証付き融資だけではない!公的融資の存在とは?】
信用保証協会の保証を付ければ民間銀行から一応の無担保融資を受けられますが、無担保で資金調達を希望する方にとって魅力的なのは、制度融資よりも公的融資ではないかと考えられます。
信用保証協会も公的融資の1つですが、信用保証協会が融資を行うものではなく信用保証協会が保証する利用者に対して実際に融資を行うのは民間銀行になるので、
公的機関を利用した資金調達手段だと考えられます。
事業資金に対する公的融資は「日本政策金融公庫」や「地方自治体の制度融資」で行われています。
地方自治体の制度融資の場合は信用保証協会や民間銀行に対する手続きや審査が必要ですので純然たる公的融資とは言い難い印象もあります。
ただ中には無担保・無保証で受けられる融資も存在することから、会社の所在する地方自治体の窓口で制度融資の情報を確認するのは無駄ではないと考えられます。
個人・中小・零細企業を積極的にサポートする公的融資「日本政策金融公庫」とは?
旧国民生活金融公庫・旧農林漁業金融公庫・旧中小企業金融公庫の3つの金融機関を統合したのが「日本政策金融公庫」です。
2008年に設立され沖縄を除く46都道府県に拠点を持つ株式会社です。
株式会社として運営されますが株主は政府の国営企業で、営利を目的とせずに運営されているので公的機関と考えても良いでしょう。
日本政策金融公庫では無担保で事業資金の調達が行える?
全国で個人・中小・零細企業に対し様々な融資制度の提供でサポートを行う日本政策金融公庫には、
無担保・無保証で事業資金の調達が行える新創業融資制度や中小企業経営力強化資金などの制度も存在します。
無担保で無保証の融資ですから万が一事業運営に失敗しても融資による借入金の返済義務が生じないので非常に魅力的な資金調達手段だと言えます。
・新創業融資制度
創業時や創業直後の事業資金を支援する制度で、創業後2期までの税務申告を終えていない個人・中小・零細企業が対象です。
融資限度額は3,000万円(運転資金は1,500万円)、返済期間が20年以内(運転資金は7年以内)で利用できますが、
創業時や創業後でまだ税務申告がない場合は創業資金総額の10%以上の自己資金の提示が必要です。
・中小企業経営力強化資金
新事業分野を開拓し新市場の創出を行うベンチャーの新興企業や既存企業で、
中小企業等経営強化法で定められた「認定経営革新等支援機関」のサポートを受けている中小・零細企業が対象です。
融資限度額は7,200万円(運転資金は4,800万円)、返済期間が20年以内(運転資金は7年以内)で利用可能ですが、
融資を受けるには事業計画書の提出や事業運営の経過報告が求められます。
無担保・無保証での融資の場合は融資上限額が2,000万円となります。
新創業融資制度・中小企業経営力強化資金での融資に対する利息は、約2%と低めに設定されていますが金利は変動しますので、
日本政策金融公庫の無担保・無保証融資の利用を希望する方は日本政策金融公庫の公式サイト内で公開される現在の金利の確認が必要です。
また同制度の融資による借入れ金の使用用途は契約時に申請した設備資金・運転資金の事業資金に限定され、投資資金や生活資金への転用は禁じられています。
【無担保融資を実現させるためには事業計画書と財務計画書がポイントとなる!】
日本政策金融公庫の無担保・無保証の事業資金融資は非常に魅力的な存在ですが、税金を原資とした資金を融資するものですから、融資希望者に対しては厳格な審査が行われます。
融資の申し込みには借入申込書・直近2期分の確定申告書・最新の試算表・法人登記簿謄本・身分証明書などの他に事業計画書の提出が求められますが、
事業計画書のできの良し悪しが審査に大きく影響すると言えるでしょう。
事業計画書は次に挙げるもので構成されます。
・事業計画概要
・事業概要
・事業の環境分析
・事業の可能性評価
・経営陣の経歴と予定する組織
これに合わせて資金の運用計画や返済計画を記した財務計画書も添付しますが、
財務計画書のできの良し悪しが事業計画書の信憑性に影響しさらには審査通過の可否を決めると言っても過言ではありません。
無担保・無保証で受けられる融資だからこそ返済能力の高さはシビアに審査されることは間違いないと考えられます。
【最後に】
企業の入れ替わりが激しく行われる現在、事業資金の調達を行う際に「できるだけ将来のリスクを負いたくない」のが正直なところです。
担保設定を求められる銀行の融資は担保を失うリスクがあるうえに審査が厳しいことから、魅力的な資金調達先だと言えないかも知れません。
日本政策金融公庫への注目が高るのは、資金調達の環境が非常に厳しい現状がが反映されているのではないかと考えられます。
無担保・無保証で実現する魅力的な資金調達手段ですから、万全の準備を行って資金調達に挑んでください。
いかがでしたでしょうか?
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