最終更新日:2022年09月29日
今回は、資金調達から考える直接金融と間接金融のメリット、デメリットについて解説したいと思います。
目次
起業する際、もしくは新規事業を立ち上げる際に必ずといって良いほど必要となる資金調達。
事業者は自らのビジネスの価値、ポテンシャルを正確に評価し、またそのビジネスを行うために関わる費用がどれくらい必要かを見積もりながら資金調達を考えると思います。
正に「金」を「融」通してもらう必要がありますが、資金調達に関わる金融という意味では、「直接金融」と「間接金融」の2つの方法があります。
それぞれにメリット・デメリットが存在するので、自身のビジネスモデルやマネタイズモデルを考えながら検討しましょう。
直接金融とは、資金を融通する人(貸し手)が資金を融通してもらう人(借り手)に直接資金を貸し出すことです。
この場合の貸し手は個人やVC、また企業であることが多いです。
具体的には株式や債券といった有価証券を貸し手が購入し、その資金を借り手に提供することが多いです。
証券会社が仲介することも多いです。
もっと詳しく知りたい方はこちらまでお問い合わせください。
間接金融とは上記直接金融の貸し手、借り手の間に金融機関が入り、資金調達を行うことです。
貸し手側は銀行に預金としてお金を預けているだけで、借り手が誰であるかを意識しません。
銀行が融資判断をし、融資に足ると判断できれば借り手に資金を融通することになります。
これは借り手側から考えると、「借入」、「ローン」とも言えるでしょう。
もっと詳しく知りたい方はこちらからお問合せください。
まず直接金融のメリットを貸し手側・借り手側それぞれで考えたいと思います。
まず貸し手側のメリットですが、貸出金利を自由に設定できるため、高リターンが期待できます。
これは間接金融とは異なり、貸し手と借り手の間に銀行等が存在していないため、金利を自由に設定することができます。
また、借り手側のメリットとしては、貸し手側に公開する必要のある情報を制限することができます。
間接金融での資金調達を行う場合は仲介の銀行に対して情報開示を広く、かつ厳格に開示する必要がありますが、
直接金融の場合は貸し手と直接のやり取りになるため、開示する情報を制限することができます。
逆に直接金融のデメリットですが、貸し手側にとってはリスクが高いと言えます。
これは、間接金融であれば銀行側が自らの責任で融資を行うのに対して、直接金融では仲介役が存在しないため、仮に借り手側で貸倒れが発生したとしてもそれは貸し手側の責任となります。
(直接金融の場合、仲介として証券会社が間に入ることがありますが、仮に貸倒れが発生したとしてもそれは証券会社の責任ではなく借り手側(投資家)の責任、となります。)
また、借り手側のデメリットとしては、IR活動に多大な工数、費用がかかることが予想されます。
株式や債券を通じて資金調達するにしても、その価値を投資家にアピールしなければならないためです。
次に間接金融のメリットを同じように貸し手側・借り手側それぞれで考えたいと思います。
まず貸し手側のメリットですが、ここでは貸し手側を銀行とします。
(厳密には貸し手も個人または企業ですが、それらは預金しているだけなので)貸し手側のメリットは、できる限り貸し倒れリスクを軽減することができます。
銀行は借り手側に資金を貸し出す際に、借り手側がどれくらいの資産を持っていて、
負債とのバランスはどうか、決算結果はどうなのかということを細かく、かつ非常に厳しく審査する運用になっています。
非常に厳密に審査すると言うことは、貸す相手を慎重に選ぶと言うことなので、可能な限り貸倒れリスクを軽減できます。
また、厳密な意味での貸し手側も直接金融のように大損を避けることもできます。
借り手側のメリットとしては、銀行側も損をして貸し手の資金を損なうことを避けなければならないため、財務面での経営サポートを行ってくれる可能性が高いです。
間接金融における貸し手側のデメリットは、銀行側もやはり貸倒れリスクを完全に排除することが難しい、ということです。
直接金融と異なり、間接金融に置いて銀行側は貸倒れが発生することは絶対避けなければならない(貸し倒れが発生した場合、理論的には最悪の場合預金者のお金が減ることになる)ので、
銀行側にとってはデメリットです。また、借り手側にとっては、銀行側に対して自社情報を相当量提示しなければならないのがデメリットです。
銀行側は貸倒れリスクを最大限軽減するために有価証券報告書を初め、借り手側の様々な情報を聴取しようとします。
借り手側が間接金融で資金調達を行う場合、このデメリットは避けられないでしょう。
上記にて、直接金融と間接金融それぞれの意味と、それぞれが持つメリット、デメリットを貸し手・借り手側の目線で認識できます。
自身のビジネスのポテンシャルだけではなく、貸し手側のメリット・デメリットも考えながら、
効率の良い資金調達方法を検討することが貴重なビジネスアイデアを具現化する最善策と言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
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