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個人事業主がファクタリング利用できるのか?

最終更新日:2018年07月05日

 

 

Mentor Capitalです。

 

 

 

 

 

一般論として、法人格を持った企業の方が個人事業主よりも信用が高いという風に言われています。

よって銀行の融資なども個人事業主に対する場合と法人に対する場合では取り扱いも多少違います。今回説明するのは個人事業主でもファクタリングが利用できるかという事です。

 

融資のような貸し倒れリスクの高い方法ではなく、企業の債権という裏付けがあるので、個人事業主であっても、法人あっても、

同じようなファクタリングができるのではないかと思っていざファクタリングを利用しようとして見ると、意外に個人事業主ではファクタリングの審査が下りなくて驚く事があります。

なぜ、個人事業主はファクタリングを利用しにくいのでしょうか。本記事ではファクタリングを利用したい個人事業主向けの、個人事業主のファクタリング事情について説明します。

 

 

 

なぜ個人事業主は法人よりも「信用」を低くみられるのか

 

 

ファクタリングの話に入る前に、なぜ個人事業主は法人よりも「信用」が低いと見なされるのかについて説明します。

個人事業主の方が法人と比較して「信用」が低いことは、第一に事業体と経営者の関係性にあります。

個人事業主は自分の財布と事業体の財布は一緒になります。

例えば、事業用の財布や銀行口座と、生活費用の財布や銀行口座を分けていたとしても、

どちらの口座も自分名義なので、事業用のお金を生活費の口座にまとめていきなり事業を畳んだりすることも可能です。

一方で法人の場合は事業体と個人がしっかりと区別されています。法人は法人名義の口座で自社の資金を管理していますし、

経営者は法人によって雇われている給料をもらう存在なので制度上は事業用の資金を個人の自由で使えないようになっています。

 

また、法人の方が資産状態を明確にしています。

個人事業主の場合は白色申告であれば多雨尺対照表を作成する必要もないので、青色申告をしなければ資産状況を報告する必要はありません。

また、個人の確定申告は簡単なので税理士を雇って確定申告を行う事は少なく、第三者に個人事業主の帳簿の状態が適正化どうかを確認されることはありません。

 

一方で法人の場合は、貸借対照表と損益計算書を共に税務申告の際に提出する必要がありますし税務申告が複雑なために顧問税理士と提携している事が一般的なので、

税理士による第三者チェックが行われていると言えます。

 

このような制度上の違いがあるので法人の方が個人事業主よりも信用が高いと言われているのです。

 

 

 

 

本当に個人事業主はファクタリングを利用できないのか

 

 

上記のように、個人事業主の方が法人よりも「信用」が低いのですが、個人事業主であるからといってすぐさまファクタリングができないという事ではありません。

むしろファクタリングは法人や個人事業主自身の信用ではなく相手企業の信用情報も考慮事項になるので、

債権先の企業が大手企業や公共団体の様な場合は相手先の信用力がある分ファクタリングしやすいという風に言う事ができます。

個人事業主が法人よりもファクタリングを利用しにくい原因は他の所にあります。

 

例えば、個人事業主がファクタリングを利用しにくい原因として挙げられるのが、売掛金の金額の少なさです。

一般論として個人事業主の方が法人よりも事業規模が小さいために保有している売掛金の金額も少なくなります。

ファクタリング会社の視点で見た場合、1回数万円、数十万円のファクタリングをチマチマ行うよりも、数百万、数千万円規模のファクタリングを行う方が都合が良いのです。

むしろ必要な経費や実動する人間の人件費を考慮すると数万円規模のファクタリングにいちいち応じていたのでは、経費が掛かりすぎて手間の割に利益が発生しません

 

このような理由から、売掛金の絶対値の低い個人事業主のファクタリングは断られる傾向にあるのです。

他にも個人事業だから断られるというよりも債権の性質によって断られるケースが多いと考えられます。

ファクタリング会社としては支払いサイトの長い債権は現金化するまでに時間を掛かりますし、

相手先の企業が零細企業の場合は支払期日までに経営状態が悪化したり会社が倒産する場合もありえるのでリスクが高いので良い案件とは言えません。

このように支払いサイトが長いからリスクが高いと言う理由でファクタリングを断られているケースがあります。

 

 

 

 

また、売掛債権の質もファクタリングが可能かどうかに影響します。

毎月安定して取引があってきちんと入金されている企業への売掛債権はファクタリングしやすいのですが、発生している売掛金がごくわずかであったり、

安定して取引されていない場合は突然未払いになることも考えられるので、ファクタリング会社の視点から見ると信頼性が低いため、あまりファクタリングしたくはありません。

個人事業主だからというよりも、事業自体に問題があるためにファクタリングを断られるケースも存在します。

先ほどあげたように、第三者が決算書を確認していないので事業が帳簿通り行われているか担保できないというのはもちろんの事、

例えば資金繰りに瀕していて、税金や社会保険料を滞納している場合は、会社の資金管理に問題があるとみなされてファクタリング事業者も消極的になってしまいますし、

必要な書類に不備があったり経営者が経理業務に関する知識が足りていない場合は取引先として不安が残ります。

 

このように一口に個人事業主といっても、個人事業主だからファクタリングが利用できないのではなく、

債権の質や、事業の在り方などに何らかの問題を抱えているためにファクタリングができないという事例が多いのです。

 

 

 

きちんとした個人事業主はファクタリングを利用できる

 

 

このように、個人事業主がファクタリングを利用できないのは一般論として個人事業主の信用が法人と比較して劣っているからという理由ではなく、

債権の質や、事業の在り方に何らかの問題を抱えている事が多いので、ファクタリングサービスを利用できないだけなのです。

 

逆に言えば、個人事業主であっても、しっかりした質の良い債権を保有しており、経営管理がしっかりと行われているならば、債権回収のリスクが低いのでファクタリングを利用する事が可能です。

個人事業主でもファクタリングサービスが受けられる事例としては町の個人の診療所などが考えられます。

病院が保険診療を行った場合、健保や国保に対して診療報酬債権が発生するわけですが、

健保や国保から債権を回収できないという事は無いので安心してファクタリング会社は債権を買い取る事ができます。

また医者と言う職業は社会的ステータスが高く、一般的に収入が多いので個人で開業している場合は税理士を雇っているケースが多いので、財務状況も客観的に信頼できます。

 

このような個人事業主であれば個人事業主であってもファクタリングを利用する事ができます。

逆に言えば、例えば法人であったとしても、支払いサイトが長かったり、安定して債権が発生していなかったりというように債権の質が悪かったり、

税金を滞納していたり帳簿管理がずさんであればファクタリングを利用できないケースも存在します。

 

たしかに個人事業主からの買い取りを避けているファクタリング会社もありますが、全部が全部そういうわけではなく、

多くの会社はきちんと債権と企業の内容を見極めて上でファクタリングの可否を判断するので、1件断られたからといって諦めずにファクタリング可能な会社を探した方が良いでしょう

 

 

 

ファクタリングを利用できない個人事業主をターゲットにした悪徳業者には要注意

 

 

きちんとしている事業主は個人事業主であってもファクタリングを利用できるのですが、個人事業主で債権の質が低かったり、

企業経営のありかたに問題がある場合はファクタリングを利用できない事もあります。

 

個人事業主が注意すべきなのは、このようなファクタリング事業者の足元を見て法外な手数料でファクタリングを行おうとする悪徳ファクタリング会社の存在です。

このようなファクタリング会社は緩い審査、低い手数料でファクタリングを利用できるという、うたい文句で顧客を集めますが実際に相談をしにいくと、

色々な理由をつけて法外な手数料でファクタリング契約を結ぼうとします

 

また、これだけならば完全に違法とは言えませんが、ファクタリングだと言いつつ、担保や保証人をファクタリングに求める場合があります

ファクタリングは債権の売買契約なので、契約が成立すれば債権の所有権はファクタリング会社に移り、債権回収は成功するか否かはファクタリング会社の責任となります。

 

このように債権回収できるか否かに利用者の責任を求めて、債務企業から回収できなかった場合は保証人である利用者や担保から回収しようとするのは、

債権を担保とした融資契約であり、悪徳業者が提示する手数料を融資の利率に換算すると確実に違法金利となるので、

ファクタリングという形で闇金業者に違法利率での融資を行われている事と同様になります。

 

実際にこのような違法な貸し付けを行ったファクタリング会社が逮捕された事例もあります。

 

 

 

 

一般的なファクタリング会社にファクタリングを断られても、どうしても資金が必要だからといって、

このような悪徳ファクタリング会社と取引をするのは避けた方が良いでしょう。

ファクタリングとは突き詰めれば、未来に入ってくるはずのお金の先食いなので、手数料が高ければ高いほど、未来の入金額が減ります

短期的に見れば資金が手に入るので一時しのぎにはなりますが、長期的に見れば企業の利益を悪化させて、倒産した時の負債額をいたずらに大きくさせるだけです。

正規のファクタリング会社にファクタリングを断られた場合は安易に悪徳ファクタリング会社の誘いに乗らずに、他の資金調達の手法を検討するか、

いっそ事業縮小や会社の解散を考えた方が良いという風に考えられます。

 

ファクタリングは現金を即調達するのには便利な手法で貸借対照表もスリム化できるので良い資金調達の手段ではありますが、

手数料が高いために非常にリスクが高い手法でもあるので、利用には慎重になった方が良いでしょう

 

 

 

最期に

 

 

以上のように個人事業主でもファクタリングが利用できるのか、個人事業主のファクタリング事情について説明してきました。

確かに個人事業主は法人と比較すると、制度上、経営者個人が事業資金を自由に使える余地が高くて、

確定申告も自分できるので税理士を雇っていないケースが多くて第三者が帳簿の正しさを保証してくれるわけではないので「信用」が低くなりがちです。

 

しかし、個人事業主がファクタリングを利用しにくいと言われているのはこのような制度上の信用の低さが本質的な理由ではなく、他の事に原因がある事が多いのです。

 

ファクタリング会社も営利企業なので手を出すと損をしそうな案件は断ります。

例えば数万円程度の債権をいちいちファクタリングすると、譲渡登記などに掛かる費用、稼働した営業マンの人件費、その他諸々ファクタリングに付随する費用などを加味すると、

仕事をすればするほど赤字になってしまうというケースもあります。

個人事業主は事業規模が小さいためにこのようなファクタリング会社の利益にならない売掛債権が多いのでサービスを断られがちなのです。

 

他にも安定して発生して回収されている債権ではなく、突発的に取引の無い企業から発生した債権であったり、

支払いサイトが長い債権はリスクが高く債権の質が低くなるのでファクタリング会社は敬遠します。

 

利用者側が税金や社会保険料を滞納していたり、帳簿管理がずさんであったり、資金繰りに困っているのであれば、

2社間ファクタリングであれば債権を利用者が回収した後に持ち逃げされる可能性も考えられるので、ファクタリング会社はこのような利用者にサービスを提供する事に否定的になります。

 

逆に言えば、債権の質と量、事業体の経営管理に問題は無くきちんと税金や社会保険料を支払っているのならば個人事業主であっても十便にファクタリングを利用する事が可能です。

 

なお、個人事業主はファクタリングを利用できない場合もあるのですが、

このような利用者を甘い言葉で勧誘して法外な手数料を取ろうとする悪徳ファクタリング会社には注意した方が良いでしょう。

このような企業と付き合うとかえって資金繰りが悪化したり、倒産した際の負債額を増加させることにつながります。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

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