休眠会社を利用する開業について
最終更新日:2021年09月09日
Mentor Capitalです。
今回は休眠会社を利用するにあたって解説したいと思います。
これからビジネスを始める方や、個人事業主で法人成りをお考えの方で、法人を設立する際に、
すでに他の人が設立している会社を買い取ってビジネスをスタートするようなケースです。
休眠会社とは
休眠会社とは、登記はなされているが、実際の事業活動が長期間行われていない会社のことをいいます。
読売オンラインによると、2015年1月現在で、国内に約8万8,000社の休眠会社が存在するとのことです。
休眠会社を買い取るメリット
まずは、休眠会社を利用するメリットからです。
- 社歴を簡単に入手できる
一般的に、会社は設立してからの期間が長い方が、社会的信用を得れる傾向にあるといえます。 - 許認可を簡単に入手できる場合がある
不動産や建築などの許認可を得ているような休眠会社がある場合があります。これらを労せずして入手できる可能性があります。 - 資本金が大きい休眠会社
中には、資本金が大きい休眠会社があります。資本金が大きいことも、社会的信用に繋がる1つということができます。 - 多額の繰越欠損金がある休眠会社
多額の繰越欠損金を持つ会社を買い取るとで、節税を図れる可能性があります。 - ちなみにこれは当該会社の青色申告が切れていない場合ですが。
休眠会社を買い取るデメリット
次にデメリットについてです。
- ブラックリストにのっているような会社の可能性
仮に、過去に借金を踏み倒したような会社の場合、金融機関のブラックリストに載っており、新たな融資をうけることができないようなケースも考えられます。 - 簿外債務がある可能性
帳簿には載っていないような簿外債務がある可能性があります。会社を買い取った場合は、このような債務も引き継がなければなりません。 - 青色申告が出来ない可能性
休眠会社は、申告を行っていないケースがほとんどだと思います。そのような場合、青色申告が取り消されている事が多いです。 - このような会社を買い取った場合は、白色で申告を行う必要があり、繰越欠損の利用や、少額資産の即時償却などの青色特典が利用できません。
個人的にはメリットよりもデメリットの方が大きいと考えています。
昔は株式会社には最低資本金制度というものがあり1,000万円なければ株式会社を設立することができませんでした。
この時代は、資本金相当額を調達することが不要な、休眠会社の買取にも一定のメリットがあったんではないかと思います。
しかし、現在では最低資本金制度は撤廃され、極論すると1円の資本金で会社を設立することができます。
また、会社を買い取った場合は、商号、住所、目的、役員などの変更登記に約10万円ほどコストがかかりますので、
設立費用を抑えるという面ではそれほどのメリットはないように思います。
仮に、休眠会社を買い取る場合は、じっくりと登記事項や決算書、信用情報、過去の社歴などを調査した上で、買い取る事をお勧めします。
いかがでしたでしょうか?
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