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ファクタリングと「一括決済方式」や「一括信託支払」の違いとは?

最終更新日:2022年02月21日

 

 

Mentor Capitalです。

 

 

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近年、資金調達手段として主に中小企業から注目されつつあるファクタリング。

単純に「売掛債権を使用する資金調達」という事で広まっているように思えますが、実はファクタリングにはいくつかの種類が存在します。

ここでは、ファクタリングの種類や一括決済方式・一括信託支払などとの違いなどについてご紹介しています。

 

 

 

ファクタリングとは

 

一般的に、ファクタリングは売掛債権を売却する資金調達手段として認知されている方が多いのではないでしょうか。

これはその通りであり、金融機関などからの融資と違いファクタリングはあくまで売掛債権の買い取りです。

これまで融資では資金調達が難しかった企業には最適な方法の1つと言えます。

また、資金調達のスピードが早い事など多くのメリットを持っています。

現在では多くの大手・地方銀行が参入しファクタリング事業者も次々と登場しています。

中小企業庁を中心として政府が率先して利用を促している事から、今後ファクタリングはますます利用者の拡大が期待出来るでしょう。

 

 

ファクタリングの取引手段

 

ファクタリングの取引手段は、大きく分けて2社間と3社間の2つが存在します。

「債権者(売掛債権保有企業)とファクタリング事業者」の2社で取引するファクタリングは査定も早く、債務者(取引先)に通知をする必要が無いなどのメリットを持ちます。

3社間ファクタリングの場合はここに債務者(取引先)が加わり、より複雑になるのが特徴です。

どちらともメリット・デメリットが存在しますので、自社の目的や状況に合わせて選ぶのが良いと言えるでしょう。

 

 

ファクタリングと「でんさい」の違いは?

 

ファクタリングと比較されるサービスとして、「でんさい」という名称を聞いたことがあるかもしれません。

「でんさい」の正式名称は「電子記録債権」と言い、手形や売掛債権の問題点を克服した新たな債権として登場したものです。

簡単に言ってしまえばネットワーク上で債権の取引を出来るようにしたものですが、普及率はまだ低く利用するにも審査が必要です。

電子記録債権についての詳しい情報をお求めの方は、でんさいネットのホームページからチェックしておきましょう。

「でんさいネット 電子記録債権とは」 https://www.densai.net/about/

 

 

一括決済方式とは

 

ここからは一括決済方式とファクタリングの違いについて解説します。

ファクタリングには2社間・3社間のような取引形態とは別にいくつか種類がありますが、実は一括決済方式の一種に含まれているのです。

手形の交付に変わる支払方法として登場した一括決済方式には、大きく分けて下記の4種類が存在します。

この中の「ファクタリング方式」と呼ばれるものが、一般的に「売掛債権で資金調達するファクタリング」として認知されているのです。

また、電子決済サービスを利用したもので金融機関によっては「一括決済サービス」や「債務引き受け型一括決済サービス」という名称も用いられています。

名称の定義は各金融機関・事業者によって異なっているため、実際に利用する際は間違える事がないように注意する必要があります。

・債権譲渡担保方式

・依存的債務引き受け方式

・信託方式

・ファクタリング方式

 

 

ファクタリングの種類

 

一括決済方式の中に含まれるファクタリングは、そこから更に4種類に分かれています。

詳細は下記にて個別にご説明していますが、このうち最も一般的なファクタリング方式である

「一括回収(一括支払い信託)」は一括決済方式と同じく金融機関・事業者・金融情報ホームページによって微妙に名称が異なる傾向が見られます。

それもそのはず、実は一括回収(一括支払い信託)は主に銀行が取り扱っているサービスの事を指しており、事業者が行っているファクタリングとは仕組みだけ見れば別物だと言えるのです。

少々分かりづらいかと思いますが、ファクタリングの種類を一つずつ理解しその違いをチェックしていきましょう。

 

 

保証ファクタリング

 

保証ファクタリングは「債務者(売掛先)が倒産した場合のみ、ファクタリング事業者によって売掛債権が支払われる」という特殊な方式です。

貸し倒れのリスクをファクタリング事業者が引き受けるサービスですので、ある意味保険のようなファクタリングと言えるでしょう。

例えば、建設業界で元受け→下請けと連鎖的に発生する倒産を防いだり、納入先の企業(下請け)が「売掛金の保証が必要」と判断した場合などに利用されます。

通常の企業が新規で保証ファクタリングに申し込んだ場合、取引先に売掛債権の支払い能力があるか厳しく与信審査が行われるのが特徴です。

国土交通省が「下請債権保全支援事業」という助成金制度を創設している事からも分かる通り、業界によっては非常に重要な役割を持つファクタリングです。

「国土交通省 下請債権保全支援事業」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk2_000033.html

 

 

国際ファクタリング

 

その名の通り、国際的な輸出取引において利用される国際ファクタリング。

輸出企業側からすれば、輸入先の企業から代金(売掛最近)を回収できるかが事業存続の鍵となるはずです。

日本国内であれば帝国データバンクなどを利用する事で相手会社の与信調査を比較的簡単に済ます事が出来るのですが、海外企業が相手となると信用調査は難しいのではないでしょうか。

このような状況下では、いかに代金(売掛債権)回収のリスクを減らせるかを考えなくてはならないでしょう。

国際ファクタリングでは国内・国外のファクタリング会社、輸出・輸入業者の4社がファクタリング取引に参加する事が特徴です。

保証のほかに信用調査の費用も掛かってしまいますので、他の貿易保険とも比較する事が重要なポイントとなっています。

 

 

収納代行ファクタリング

 

収納代行ファクタリングは、別名決済代行とも呼ばれています。

ファクタリングの取引形態は2社間と3社間の2つがありますが、債務者(売掛先)に通知・了承を得なければならない事からまだまだ2社間ファクタリングの方が高需要となっています。

収納代行ファクタリングでは債務者(売掛先)の代金回収をファクタリング事業者(または代行会社)が行い、事務手続きなどの手間を減らせるのがポイントです。

一見すると3社間ファクタリングと同じようなサービスですが、売掛金入金の専用口座を作るなどして取引先への承諾必要性を減らせるのがポイントです。

これにより、3社間ファクタリングに近い低コストを実現しているのもメリットだと言えるでしょう。

 

 

一括回収(一括支払い信託)

 

一括回収(一括支払い信託)とファクタリングは、売掛債権をスピーディに現金化できるという点が主な共通点です。

しかし、2社間・3社間を債権者が選べるファクタリングに対して、

一括回収(一括支払い信託)は必ず「債権者(売掛債権保有企業)・債務者(売掛先)・銀行(金融機関)」の3社で契約しなければならないという違いを持っています。

また、債権者に対して資産から発生する利益を受け取る権利である「信託受益権」が授与されるのも特徴だと言えます。

 

 

 

 

結局ファクタリングと一括回収(一括支払い信託)はどう違う?

 

ファクタリングを利用した場合、一般的に特約が無い限りは債権者(売掛債権保有企業)に売掛債権の保証義務はありません。

すなわち、ファクタリング利用中に債務者(売掛先)が倒産したとしても売掛債権を使用して得た資金を返還する必要性はないという事です。

このような一般的なファクタリングと違い、一括回収(一括支払い信託)は基本的に債権者が売掛債権の負担義務を負う事になります。

先に別物であるとご紹介しましたが、あまり難しく考える必要性は無くファクタリングと一括回収(一括支払い信託)は「仕組みとしては同じもの」だと考えておくのが良いでしょう。

 

 

【まとめ】ファクタリングの種類を理解しよう

 

いかがだったでしょうか。

単純にファクタリングと言ってもその種類は多く、取り扱っている金融機関・事業者によっては名称も異なる傾向が見られます。

人によっては、ファクタリングについて調べれば調べるほど理解出来なくなってしまったという人もいるかもしれません。

本記事を参考に、新たな資金調達手段として注目されつつあるファクタリングについてしっかりと理解しておきましょう。

 

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