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経営者が知っておくべき保険の基礎知識

最終更新日:2018年02月26日

 

 

Mentor Capitalです。

 

 

会社の形態が株式会社の場合、「社会保険」と「労働保険」は、従業員の有無にかかわらず、加入義務が発生します(一部業種を除き個人事業主は5名以上で加入義務が発生します)。

しかし、面倒なことに、保険の種類ごとに、提出しなければならない書類は多く、管轄がそれぞれ違うため、提出先の役所が変わります。
すでに会社として加入している事業者ならば、新たな従業員分の追加申請を行うだけで済むのですが、会社を起業させたり、

個人事業主からの法人成り(法人化)などで、新たに加入義務が発生した場合、一から手続きを行わねばなりません。

未加入のままでは法律違反となります。

 

今回は、経営者として最低限知っておかねばならない各種保険の基礎知識についてわかりやすくお伝えしていきます。

 

 

保険未加入の場合のデメリットとは

 

 

最近はマイナンバー制度が取り入れられ、役所間の情報共有もすすんでいるため、基本的に逃げることはできないと思っておきましょう。
年金事務所から目をつけられて調査が入ると、保険料を過去2年間にさかのぼって追徴されることがあります。
給与の額や人数によっても異なりますが、数百万単位となることもあります。
また、雇用保険に加入していない場合は、ハローワークで人材の募集をかけることができません。
会社に有益な助成金制度の利用も制限されます。

さらに、社会保険や労働保険に加入をしていないと、たとえ求職者が、あなたの会社で人材の募集が行われていると知っても

「保険もない会社に応募する気にはならないな」となり、優秀な人材を雇うことは不可能でしょう。

もしあなたが人を雇って会社を発展させたいのならば、すみやかに、社会保険の加入手続きを行うようにしてください。

加入手続きで多少の労力が必要なのは、事業所として、新たに加入するときです。
それ以外は、3月の年度末及び4月の年度初めなど、従業員の入退社の時期に限られていますし、多くの書類は年に1〜2回の手続きで済む場合が多いです。
ただし、従業員が増え、入退社が多くなると手間がかなりかかることになります。

 

 

加入すべき保険の種類

 

 

一概に「社会保険」といわれても、専門家でもない限り、どのような保険があり、それぞれが何の役割を負っているのかをすべて説明できる人はまれです。
皆さんの会社が加入すべき保険の種類と内容を正確に把握し、すみやかに手続きを行うためにも、正しく有意義な知識を身につけておくべきでしょう。

皆さん、生命保険や自動車保険など個人の保険にいくつか加入されていることでしょう。
個人の保険は、自分の裁量で種類と金額が決められるのに対して、社会保険は業種によって保険の種類が変わり、給与額によって保険料もその都度変わります。

加入・未加入、保険金額の増減は、法律によって厳しく定められているため、個人の意思が入り込む余地はありません。
そこが個人保険と社会保険の違いです。
社会保険(広義)は、社会保険(狭義)と労働保険の大きく2つの保険で構成されています。

 

 

社会保険(狭義)には、
①健康保険
②介護保険
③厚生年金保険

の3つがあります。

 

健康保険は、ケガや病気の治療に対する給付が行われます。
介護保険は、本人に介護が発生したときに給付が行われます。
厚生年金保険は、老齢、障害、遺族年金の給付が行われます。

これら3つは、会社として加入が義務づけられている社会保険であり、新たに雇う従業員だけでなく、雇用主自身にも加入義務があります。
保険料は、会社と従業員がそれぞれ折半することになります。

 

一方、労働保険には、
①労災保険
②雇用保険

の2つがあります。

 

労災保険は、仕事中にケガや病気になったり、障害者になってしまったり、死亡してしまった場合に適用される保険です。
被保険者の遺族への給付も含みます。
雇用保険は、失業や職業訓練に対する給付が行われます。
この2つの保険は、その対象が従業員のみとなりますので、雇用主が加入することはできません。

 

社会保険の種類

 

 

従業員に提出してもらうべき書類と必要な手続き

 

 

従業員を入社させると、健康保険、厚生年金、雇用保険の加入手続きをするために、従業員に提出してもらわなくてはならない書類があります。
提出物を雇用通知書や就業規則に記載しておいてもかまいません。

代表的な提出物はつぎの通りです。

 

・健康保険被扶養者(異動)届(扶養に入れる親族がいる場合のみ)
・源泉徴収票(その年に前の会社の給与所得がある場合)
・年金手帳(以前に加入していた場合、被扶養配偶者がいるときは配偶者の分も)
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・雇用保険被保険者証(以前に加入していた場合)
・口座振込依頼書(給与等の振込先)
・通勤手当支給申請書

 

これらの種類を提出してもらうことにより、経営者は、健康保険、厚生年金、雇用保険の手続きに入ることができます。
なぜ入社時に、通勤手当支給申請書が必要かといいますと、それは社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)の決め方に関わってくるからです。

社会保険料は「報酬月額」を「標準報酬月額の等級区分」にあてはめることにより決定します。
報酬月額とは、基本給のことではありません。

基本給のほかに、通勤手当や各種手当、残業代の見込み額、現物支給されるもの(食事や社宅)、これらすべてが含まれます。

なお、標準報酬月額の等級区分は、健康保険で第1級からはじまり第50級まであります。
厚生年金保険では、第1級からはじまり第30級まであります。

通勤手当などの各種手当がすべて含まれた合計額(報酬月額)を標準報酬月額の等級区分に合わせて健康保険料、厚生年金保険料の両方が決定されるのです。
健康保険料、厚生年金保険料の見直しは算定基礎と呼ばれ、毎年7月に行われ、9月に改定されます。
昇給や減給などにより、大きく増減した場合は、月額変更届を提出し随時改定していくことも忘れないでおきましょう。

 

 

つぎに従業員の雇用保険の手続きについてです。
雇用保険の手続きには、以前の職場で加入していた場合は、被保険者番号をもっているはずですから、この番号を知らせてもらうようにしましょう。
もし、本人がその番号を知らなければ、以前の勤務先名と期間などを資格取得届の備考欄に記入しておくと、ハローワークで探し出してくれるはずです。

入社後はすぐに、雇用保険被保険者資格取得届と、賃金台帳、労働者名簿、出勤簿またはタイムカード、雇用契約書(または労働条件通知書)を用意し、

入社日の翌月10日までにハローワークに提出するようにしましょう。

まれに「従業員が試用期間中だから、雇用保険の手続きは行わない」という経営者がいますが、これは間違いです。
たとえ試用期間、研修期間中であっても、法律的には雇用保険の加入義務がすでに発生していますので、入社日をごまかさず、正確な届け出を行うようにしてください。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

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