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ファクタリングの審査基準は?ポイントや注意点を解説

最終更新日:2023年12月18日

ファクタリングは企業にとって有用な資金調達手段のひとつですが、利用するには所定の審査をパスする必要があります。
一般的な銀行融資とは審査の基準が異なりますので、初めてファクタリングを利用する場合は、ファクタリングの基礎知識や審査基準をあらかじめチェックしておきましょう。
今回は、ファクタリングの概要や主な審査基準のほか、審査をパスするコツや審査を受けるときの注意点について解説します。

ファクタリングとは、売掛債権を現金に換える資金調達の方法のこと

ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権を現金に換える資金調達の方法のことです。
売掛債権とは、商品やサービスを提供した企業が、買い手(取引先や顧客)から代金の支払いを受ける権利のことで、「売上債権」や「売掛金」と呼ばれることもあります。
売掛債権は代金を受け取る権利そのものですので、会計上は資産扱いとなり、融資を受けるときの担保としても活用することが可能です。
ファクタリングは、この売掛債権をもとにファクタリング会社に買取してもらい、実際に売掛金が手元に入った段階で送金する決まりになっています。
なお、ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類がありますが、それぞれ仕組みが異なりますので、自社のニーズに合った方法を選ぶことが大切です。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングとは、ファクタリング会社と、ファクタリングの利用を希望する企業の2社のみで行われるファクタリングのことです。
2社間ファクタリングでは、売掛債権をファクタリング会社に買取をしてもらい現金化し、売掛先より売掛金が手元に入ったら、企業自らがファクタリング会社に送金します。間に売掛先を入れずに済むため、ファクタリングを利用したことが取引先や顧客に知られる心配がなく、プライバシーを守れるところが利点です。
また、当事者同士で取引するので、現金化までのスピードが速いところも大きな特徴のひとつです。
ただ、ファクタリング会社にとっては売掛金の回収不能リスクが高くなることから、ファクタリング利用時の手数料は割高に設定されています。

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは、債権者・売掛先・ファクタリング事業者の間で交わされる契約です。債権を丸ごとファクタリング事業者に移行するため、売掛先が倒産しても貸し倒れリスクがありません。売掛先からファクタリング事業者に直接売掛金が支払われるため、手数料は低めです。
ただし債権譲渡の通知をする必要があるため、資金繰りに苦しんでいる印象を売掛先に持たれる可能性があります。また3社全員の合意を得る必要があるため、2社間のときより工程が複雑です。
また、売掛先の同意を得なければならないぶん、現金化までに日数がかかること。売掛先にファクタリングを利用した事実を知られることなどがネックです。

ファクタリングの5つの審査基準


ファクタリングを利用する際の審査基準は、ファクタリング会社によって異なりますが、一般的には以下4つのポイントを基準に利用の可否が判断されます。

売掛先の信用力

ファクタリングの審査に通るためのポイントとしては、まず社会的信用度が高い売掛先の債権を利用することが挙げられます。
たとえば、業績が好調な大企業であれば、売掛金をしっかり支払うと予想できるため、審査で通りやすくなります。

売掛金の支払い期日

売掛金の支払い期日は、ファクタリングを利用する企業と売掛先の契約内容によって異なりますが、ファクタリングでは支払いまでの期日が短いほど審査で有利になります。企業の業績や経営状況は短期間で大きく変動することはあまりなく、回収不能になるリスクは少ないだろうと判断されるためです。
逆に、売掛金の支払いまでに数ヶ月を要する債権の場合、その間に売掛先の経営状況が傾き、債権を回収できなくなるリスクが高くなります。名のある大手企業であれば、売掛先の信用力の高さが優先されますが、支払い期日までの期間が長い債権はファクタリングでは不利になることを念頭に置いておきましょう。

売掛先との取引期間

売掛先との取引期間とは、ファクタリングを利用する企業と売掛先がこれまでに取引してきた期間のことを指します。取引期間が長いほど、これまで安定して売掛金を回収してきた証拠となり、ファクタリング審査で有利に働きます。
逆に、取引を開始したばかりの売掛先は、売掛債権の回収実績が少ないぶん、ファクタリング審査では不利になりやすい傾向にあります。もし複数の取引先の売掛債権を保有しているのなら、なるべく付き合いの長い売掛先の債権を選んでファクタリングを申し込んだ方がよいでしょう。

売掛債権の種類

売掛債権は、その性質から複数の種類に分類されます。たとえば、単発の売掛債権と、長期的かつ継続的に発生している売掛債権では、後者の方が回収不能になるリスクは低く、審査でも高く評価されます。
また、ファクタリングの手数料は売掛債権の金額をもとに算出されるため、売掛金が多ければ多いほどファクタリング会社の利益は上がります。そのため、売掛債権の金額の大きさに合わせて審査を行うファクタリング会社もあります。
売掛債権をどのような基準で種類分けしているかはファクタリング会社によって異なりますが、細かくカテゴリ分けしてあらゆる角度から評価してくれる会社の方が、審査の柔軟性は高くなります。

 

ファクタリングの審査通過の3つのポイント

ファクタリングの審査を通りやすくするために、押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

社会的信用の高い売掛先を選ぶ

複数の取引先の売掛債権を保有している場合は、なるべく社会的信用の高い売掛先を選んでファクタリングを申し込むのがポイントです。具体的には、知名度の高い大手企業、官公庁や金融機関との取引実績がある企業、業績や経営状況が好調な企業など。
ただし、いくら業績が好調でも、風俗業やギャンブルなどの娯楽業は社会的評価が低いとみなされ、審査で落とされる可能性があります。ファクタリングで利用する売掛債権を選ぶときは、単純に業績だけでなく、社会的な評判や評価も考慮しましょう。

支払日までの期間が短い売掛債権を選ぶ

売掛金が発生してから、代金の支払いまでの期間がなるべく短い売掛債権を選ぶのも審査に通りやすくなるコツのひとつです。
一般的には60日サイト(支払期間)の売掛債権でファクタリングを利用するケースが多く見られますが、30日など短いサイトの売掛債権を選べば、それだけ審査で高く評価されます。
支払日までの期間が短い売掛債権を選んだ方が有利になります。

国・地方公共団体への売掛金を利用する

国や地方公共団体は、民間企業に比べると破綻のリスクが少なく、非常に高い社会的信用があります。
通常なら審査で不利になる条件(支払いサイトが長い・単発の売掛債権であるなど)があったとしても審査をパスできる可能性がありますので、国や地方公共団体の売掛債権がある場合は、優先的にファクタリングに活用した方がよいでしょう。

ファクタリングでは売掛先や債権そのものが審査対象になる

ファクタリングは売掛債権を現金化し資金調達する方法です。
売掛先や売掛債権そのものが審査の対象になります。
具体的には、売掛先の社会的信用の有無、売掛金の支払期日、売掛先との取引期間なども買取の可否を決める基準となります。
ファクタリングの審査を受ける際は、少しでも審査で有利になるよう、なるべく社会的信用の高い売掛先の債権や、支払いサイトの短い債権を選ぶようにしましょう。