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経営者が知っておくべき「労働保険」

最終更新日:2018年02月26日

 

 

Mentor Capitalです。

 

会社が加入すべき保険には、「社会保険」と「労働保険」がありますが、各々の内容を正確に把握し、

すみやかに手続きを行うためにも、正しく有意義な知識を身につけておくべきでしょう。

 

 

今回は、2つの「労働保険」、労災保険・雇用保険について説明していきます。

 

 

 

労災保険とは

 

 

労災保険とは、業務中や通勤途中に、何らかの理由で負傷したり、障害が残ったり、死亡した場合、被災者やその遺族に対して給付を行う保険制度です。

健康保険や、厚生年金と同じく、労働者を1人でも使用する事業所は、労災保険法の適用を受けることになりますので、加入の手続きをとらなければなりません。

加入は会社単位(複数の事業所がある場合は事業所単位)で行うもので労働者ごとではありません

従って適用事業場に使用されている労働者であれば、負傷などをした場合、保険給付を受けることができます。

 

なお、通勤途中・仕事中のケガ、仕事内容が関係する病気が労災保険の適用とされるのに対し、

仕事以外・通勤中以外でのケガ、出産、仕事に関係のない病気などは健康保険の適用範囲になりますので気をつけましょう。

 

ケガや傷害が労災に適用されるかどうかは、会社や個人が判断することはできません。
届け出を受けた労働基準監督署に決定権があります。

「従業員の不注意でケガをしただけだし、全治1週間にもならないから、届け出はやめておこう」
と、勝手に判断して届け出を怠ると、監督が入ったときに労災隠しと認定されますので注意してください。

また、「ケガの治療費は会社が負担するから、だまっていてほしい」というお願いも、労災隠しとなってしまいます。
労災保険料は全額、事業主負担です。

ただし、保険料率は職種によって違います。

たとえば、農林水産業のように身体を激しく動かす仕事と、オフィスでのデスクワークでは、ケガをする確率が異なるからです。
普通のサービス業などでは賃金に対して0.3%である一方、金属鉱業、非金属鉱業などでは8.8%の保険料率となります。

 

 

雇用保険とは

 

 

雇用保険は従業員が失業したときのセーフティーネット です。
雇用保険の管轄は厚生労働省で、直接の窓口はハローワークとなります。
失業した従業員の救済がメインなので、原則として経営者自身は加入できません。
ただし、従業員の加入手続きは、経営者が行わねばならないことになっています。

会社が倒産した場合などにも、従業員の生活がある一定期間は保障されるわけですから、面倒がらず手続きを行いましょう。
経営者としての最低限の役割です。

従業員が新たに雇用保険に加入すると、雇用保険被保険者番号が割り振られます。
この番号は、一人一番号制となっており、従業員が転職するごとに、変わるものではありません。

ですので、入社時にすでに雇用保険被保険者番号をもっているかどうか、確認しておく必要があり、もっていればその番号であなたの会社から届け出を行う必要があります。
その確認を怠れば、また新たな番号が割り当てられることになり、同姓同名の別人というように役所に認識されてしまいます。

この場合には後日、訂正届の提出など、面倒な手間が増えることになります。

雇用保険は、失業したときに失業給付を受けられる制度と認識している人がほとんどだと思います。
もちろん、その認識で間違いはありませんが、ほかにも雇用保険から受けられる給付は多くあります。

下図の「教育訓練給付」という項目をご覧ください。

たとえば、営業をしていた従業員に、帳簿もまかせることとなり、簿記の資格を取得してもらうことになったとします。
その簿記の学校に通う費用の一部を、ハローワークに負担してもらえる制度が、「教育訓練給付」です。
負担率は実際にかかった費用の20%と決まっており、負担額の上限は10万円となっています。

ほかにも、ハローワークからさまざまな助成金を受け取ることができます。

皆さんの会社で新たな人材を採用しようというとき、その人物の能力が会社の求める業務に適正であるかどうかがわからないということがあるかと思います。
どうしようか判断がつかず、結局その人物の採用を見送ったということにならないよう、トライアル雇用奨励金という制度が設けられています。
これを利用すれば、月4万円の支給を最大3カ月間受けることができます。
これらの原資はすべて雇用保険からまかなわれていますので、ぜひ事業所として雇用保険に加入するようにしてください。

 

雇用保険から受けられる主な給付

 

 

「雇用保険」に加入するための手続き

 

 

加入させるべき従業員をはじめて雇うことになった際には、雇用保険適用事業所設置届と商業登記簿謄本、個人事業の場合は、事業主の住民票などをハローワークに提出しましょう。
そして、会社としての手続きを進めると同時に、雇用保険被保険者資格取得届の手続きも行います。
これは、あなたが雇用保険に加入させる従業員をハローワークに確認してもらうためです。

もし、その従業員が正社員ではなく、アルバイトやパートタイマーでしたら、賃金台帳、出勤簿、雇用契約書の写しの提出も必要になります。

雇用保険被保険者資格取得届の提出期限は、被保険者となった日の属する月の翌月10日までと定められています。

その際、労働保険番号を記載する欄がありますので、まだ労働保険番号がない場合は労働基準監督署から知らされた番号を記入するようにしてください。
従業員の手続きには雇用保険番号が必要です。初めての就職の場合は不要ですが、すでにもっている場合は本人から聞いた番号を記入するのを忘れないでください。

 

 

「労災保険」に加入するための手続き

 

 

まず、労働保険の保険関係成立届を労働基準監督署に提出しましょう。
労働保険の保険関係成立届とは、労働者を雇い入れて事業がスタートしたことを労働基準監督署に知らせる大切な届出書類です。
仮にこの届出書を出さずに、労働者を雇い入れ、その労働者に労災事故が起きたとすれば、費用徴収制度により、

あなたは労災保険の給付金額の40%もしくは100%を支払わなければならなくなりますので、注意してください。

提出期限は、保険関係が成立した日から10日以内と定められています。
さらに、保険関係が成立した日から50日以内に「労働保険概算・増加概算・確定保険料・一般拠出金申告書(略:概算保険料申告書)」

を労働基準監督署へ提出し、銀行などの窓口で労働保険料を納付しましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

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